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サマワ隊員 DNA採取 防衛庁「万一の際、鑑定用」法未整備の個人情報
イラク・サマワに派遣されている陸上自衛隊員から、遺伝子情報をつかさどるDNAが含まれる血液を派遣直前に採取し、防衛庁が保存していることが二十六日、明らかになった。同庁は「万一の際の身元鑑定などのため」と説明しているが、鑑定を目的とした広範囲のDNA保存は法的取り扱いが未整備の状態。究極の「個人情報」を国が管理する妥当性も含め、論議を呼びそうだ。=関連24、25面
陸上幕僚監部によると、血液採取は今年一月九日、石破茂同庁長官が「安全確保が十分であると判断した」として陸自先遺隊に派遭命令が出される前から、予定者を対象に行われていた。イラク特措法に基づき、陸自隊員は一月中旬に約三十人が先遣隊として出発。二月上旬から施設部隊を中心とする約五百五十人が派遣されている。
陸上自衛隊では、これまでPKO活動で海外に派遣する隊員の血液を保存する例はあったが、今回初めてDNAを簡易に特殊なカードに保存する技術を導入した。
陸上幕僚監部は「DNAを採取することだけが目的ではない。隊員が現地で感染症にかかった際、出発前の血液と比較することで病原体を特定することが第一の目的。万一の際、隊員の個体を識別するために日本に保存している血液が鑑定に向け重要な試料となる」と説明している。
DNAに関しては、厚生労働省などが医療研究機関を対象に「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」を定めているが、一般の採取、保存については法的規制やガイドラインがない。また、政府が派遣先を「非戦闘地域」としながら、陸自は「万一の場合」を想定し、鑑定準傭を進めていたことになる。
陸上幕僚監部は「陸自や家族から承諾を得た上で採取しているが、特別なガイドラインは設けていない」と説明。「今後の交代要員含め総計で約二千人の陸自隊員が対象となる」としている。
目的外利用も可能
遺伝子情報をめぐる倫理、法的問題に詳しい稲葉一人・元大阪地裁判事の話
遺伝子情報には固有の病気に関する情報が含まれ、将来はストレスに強い性質などまで分析される可能性もある。採取目的外での利用は技術的に可能で、結果的に選別、差別を引き起こす恐れもある、乱用を避けるセーフガードなど国会での議論が十分ないまま実態が進むのは問題だ。