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(回答先: サマワ隊員 DNA採取 防衛庁「万一の際、鑑定用」法未整備の個人情報【東京新聞 4月27日朝刊】紙から。(本文なし) 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 4 月 27 日 07:03:52)
サマワ隊員 DNA採取『万一の際、鑑定用』[東京新聞]
自衛隊が80年代に認識票(個人のIDを書いた鉄のプレート)をクビからぶら
下げるようにしたときに、「戦時の遺体判別を考えている」と警戒の声が上がっ
た。
これはもっと進んでいる。たとえバラバラになっても家族の元に戦死の通知は
届きます。ご安心くださいということらしい。
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東京新聞4月27日
サマワ隊員 DNA採取
『万一の際、鑑定用』
イラク・サマワに派遣されている陸上自衛隊員から、遺伝子情報をつかさどる
DNAが含まれる血液を派遣直前に採取し、防衛庁が保存していることが二十六
日、明らかになった。同庁は「万一の際の身元鑑定などのため」と説明している
が、鑑定を目的とした広範囲のDNA保存は法的取り扱いが未整備の状態。究極
の「個人情報」を国が管理する妥当性も含め、論議を呼びそうだ。
陸上幕僚監部によると、血液採取は今年一月九日、石破茂同庁長官が「安全確
保が十分であると判断した」として陸自先遣隊に派遣命令が出される前から、予
定者を対象に行われていた。イラク特措法に基づき、陸自隊員は一月中旬に約三
十人が先遣隊として出発。二月上旬から施設部隊を中心とする約五百五十人が派
遣されている。
陸上自衛隊では、これまでPKO活動で海外に派遣する隊員の血液を保存する
例はあったが、今回初めてDNAを簡易に特殊なカードに保存する技術を導入し
た。
陸上幕僚監部は「DNAを採取することだけが目的ではない。隊員が現地で感
染症にかかった際、出発前の血液と比較することで病原体を特定することが第一
の目的。万一の際、隊員の個体を識別するために日本に保存している血液が鑑定
に向け重要な試料となる」と説明している。
DNAに関しては、厚生労働省などが医療研究機関を対象に「ヒトゲノム・遺
伝子解析研究に関する倫理指針」を定めているが、一般の採取、保存については
法的規制やガイドラインがない。また、政府が派遣先を「非戦闘地域」としなが
ら、陸自は「万一の場合」を想定し、鑑定準備を進めていたことになる。
陸上幕僚監部は「隊員や家族から承諾を得た上で採取しているが、特別なガイ
ドラインは設けていない」と説明。「今後の交代要員含め総計で約二千人の陸自
隊員が対象となる」としている。
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DNA保存 光と影
イラク・サマワへ派遣されている陸上自衛隊員からの血液保存。陸上幕僚監部
は感染症の発見や万一の際の隊員の身元確認に役立つとしているが、人間の設計
図を記したDNAは究極のプライバシーでもある。国内の医療機関でも導入が検
討されるDNA保存の光と影とは。 (蒲 敏哉)
「通常、DNAを保存するのにわざわざ血液を採取する必要はありません。口
の内側を綿棒でなぞるだけで、あなたの遺伝子情報は簡単に取り出せるのです」
遺伝子鑑定の国内大手「日本ジェノミクス」(東京都渋谷区)の松尾啓介社長
は採取キットを手に説明する。同社は米国のDNA鑑定専門会社三社と提携。地
裁、高裁、入国管理局などが主な取引先だ。
同社は昨年一年間で、裁判に基づく親子鑑定を約六百件受注した。「民法上は
離婚後三百日以内に生まれた子は前夫の実子と推定される。最近の離婚増加で、
この期間内に生まれた子が前夫と関係なく再婚した夫の子と鑑定する需要が増え
た」と松尾社長は明かし、その利点をこう強調する。
「二〇〇一年の米中枢同時テロでは膨大な人がいまだ身元不明のままだ。テロ、
震災の危険がある日本もDNAのバンク化が進めば万一の備えになる。イラク戦
争でフセイン元大統領のDNAが採取される様子が伝えられたように、今最も有
効な個人識別手段なのです」
トヨタグループで部品輸送などを受け持つトヨタ輸送(愛知県豊田市)は、昨
年十一月から全国の民間企業で初めて、役員を対象にDNAのバンク化に取り組
み始めた。
「わが社は中国、タイなどに海外事業部を持ち出張する機会も多い。不慮の事
態に備えようと社長が音頭を取りDNA保存を始めた。現在は役員十三人が手続
きを終えており、採取した試料は本人の家族と本社人事部の金庫に厳重に保管さ
れている」と強調する。一方、同社労組の幹部は「社員導入への正式な打診はな
いが、個人的には採用の際、遺伝子情報に基づいて内定が取り消しになるなどが
あってはならないと思う。役員はこの手法の問題点を探るため体験的に受け入れ
ているのでは。いずれにしても法整備などの条件が整わなければ受け入れは難し
い」との見方を示す。
企業に限らず、地域全体を対象にDNAのバンク化を目指す動きも出ている。
愛知県歯科医師会は、県民に呼び掛け、近隣の歯科医院でDNAを採取し、万一
の際に役立てる態勢を今年中に整える予定だ。
地元で歯科医院を開く日本歯科DNA研究会の田島伸也常任理事は「ここは地
域的に東海地震で多数の身元不明者が出ることが想定される。数世代にわたり遺
伝子情報を残すことで病気治療への極めて有効なデータにもなる。本人確認や保
存、守秘義務の徹底などを倫理委員会で決め、採取したDNAは歯科医師会が厳
重に保管し万全の態勢で臨みたい」と意欲を見せる。
こうしたDNAのバンク化に、関係者や研究者の受け止め方はさまざまだ。
「イラクに派遣される陸上自衛隊員の血液が保存されるのは、海外で感染症を
罹患(りかん)した場合、健康な時との比較がしやすく対策が立てやすいからだ。
大量死の際の鑑定でも非常に役に立つ」と防衛医科大学校の向田政博教授はその
有効性を強調する。
その上で一般の人々を対象にした取り組みについては「目的を限定しないと混
乱を招く結果になりかねない」と指摘する。
国立遺伝学研究所の斎藤成也教授は「防衛庁や企業に勤務する人たちは、組織
としてDNA保存を求められたら従うしかないだろう。職務上管理されることが
やむを得ない側面はある」と理解を示しながらも、「目的外利用の危険が常に
伴っており、組織内で独自のガイドラインをつくり、できれば中立的な機関での
保存が望ましい」と注文を付ける。
その上で、「特定の病気は遺伝子因子を持つ人が高確率で発症する。また、保
険加入の際、遺伝子情報が選別の条件になりうる。古来、容姿や学歴など暗黙の
うちに遺伝子要因が結婚条件として考えられてきたが、これからは遺伝子情報に
よる差別問題が起きることに社会は備えなければならない」と警鐘を鳴らす。
厚生労働省厚生科学課の担当者は「〇一年に告示されたヒトゲノム・遺伝子解
析研究に関する倫理指針は、医療、研究機関に倫理審査委員会の設置や届け出を
求めている。防衛庁の登録はないが、健康な人のDNAの採取、保存は、医療行
為にあたらないため、この指針に該当しないとも考えられる。確かに、現段階で
は研究目的以外のDNA採取、保存に関してはガイドラインはない」と説明する。
遺伝子情報をめぐる倫理、法的問題を研究している稲葉一人・元大阪地裁判事
は「米国は古くから軍隊が兵士のDNAを採取し軍が管理している。しかし、組
織としての取り組みには細心の注意が必要だ。自衛隊が海外派遣される際にDN
Aを含む血液などを採取することは、善意で行われたにしても、提供が本当に任
意で行われたか、それがほかの目的に利用されないかについて十分な配慮が必要
だ」と訴える。
米国では遺伝子診断の結果で保険加入を拒否されるなど、“遺伝子差別”が社
会問題化しているという。「〇二年には『遺伝子診断の結果を公務員の採用や昇
進に利用してはならない』とする大統領令が出された。米上院では昨年、健康保
険や雇用での遺伝子情報の利用を全面的に禁止する法案も提出されており、国内
でも法整備が急がれる」と強調する。
イラク・サマワは迫撃弾が撃ち込まれるなど、不穏な情勢が続く。
稲葉氏は訴える。「戦争や紛争地域で活動した人間が受けるPTSD(心的外
傷後ストレス障害)などのさまざまな特殊な負荷は、研究者には非常に魅力的な
研究対象で、今後、ストレスなどへの耐性を遺伝的な素因から調べることもあり
うる。血液などを組織として集め保管する際には、管理、利用ルールに高いハー
ドルが設けられていなければならない」
◇メモ DNA(デオキシリボ核酸)
遺伝子本体として生命活動の基盤となる化学物質。1953年、ジェームス・
ワトソン博士らによって二重らせん構造が発見された。
DNA構造の違いが個々人の差異を示す。DNAは体全体から検出できるが、
口の内側の細胞や血液が鑑定試料として採取される場合が一般的。
http://groups.yahoo.co.jp/group/nomorewar/message/13031
デジタル・ヘル―サイバー化「監視社会」の闇 古川 利明【著】目次
http://www.asyura2.com/0401/it05/msg/413.html