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(回答先: ファルージャを救え#ス占領で共闘するシーア派とスンニ派【BUND_WebSite記事】 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 4 月 25 日 17:46:35)
人質の原因 米軍はファルージャ包囲をやめろ イラク・日本の反占領派が3人を救出した【BUND_WebSite記事】
http://www.bund.org/editorial/20040425-1.htm
4月15日、武装グループに拘束されていたDU禁止運動の仲間・今井紀明さんら3人が解放された。武装グループは、「日本人がイラク反戦デモに立ち上がったから解放した。日本政府が何かをしたからではない」と声明した。アメリカのご機嫌ばかりうかがい、自国民の命を見殺しにしようとした小泉政権。イラク反戦と民間人道支援を訴えた私たちの思いが、イラクの人々のこころを揺り動かし、3人の無事解放につながった。
■3人を見殺しにした小泉首相
仲介したイスラム聖職者協会は解放に際して、「ファルージャの悲劇を世界に伝えて欲しい」と訴えた。3人は解放されたが同日、新たに2人の日本人が拘束された。いまだ多くの民間人が拘束されている。全ての人質救出にむけ、人質事件の原因である米軍のファルージャ包囲・攻撃(すでにイラク人700人以上が死亡)に反対する声をあげよう。
人質事件に対して小泉首相は、「テロリストには屈しない。自衛隊は撤退しない」などと不用意な発言を繰り返して武装グループの反発をかうばかりで、自国民の命を守るための有効な政策は何も行わなかった。3人の人質の救出にむけてイラク世論を喚起したのは、メディアを通じて伝えられた、涙ながらに解放を訴える家族の姿であり、自衛隊撤退を訴える日本各地の反戦デモだった。3人は人道支援のためにイラクを訪れた。多くの日本人もイラク占領や自衛隊派兵に反対している。こうしたメッセージが伝えられるとイラク人の反応は一変。イラクの世論やイスラム教聖職者グループを動かし、武装グループも殺害の予告を撤回、無事救出に直結した。
一方、小泉首相は、来日したチェイニー副大統領に「米国のイラクに対する大義と善意を信ずる」と無条件に米軍占領を絶賛。その上で「人質救出への協力」を求め、アメリカ側は全面的な協力を約束した。人質救出を米軍に要請するということは、3人を拘束している武装グループの掃討を米軍に要請しているに等しい。こうした報道はみな、武装グループにも伝わった。アメリカ言いなり、アメリカ任せの小泉首相の姿勢こそが、武装グループの反感をつのらせ、3人の解放を遅らせた最大の原因だったのだ。
この間イラクでは、18か国50人の外国人がイラク人武装グループによって拘束されている。中国・ロシア・フランス・インドなど占領軍に加担していない国の人質や韓国人の聖職者は解放される一方、米兵や米軍協力者は殺害の対象となっている。ファルージャで殺害され死体を損壊されたアメリカ人や14日に殺害されたイタリア人人質は、米軍と一体になって行動していた米系軍事会社の社員(=傭兵)だった。安否が不明の米人タンクローリー運転手は、ハリバートン(チェイニー副大統領の石油関連会社)に雇われていた。
ファルージャ周辺で、外国人が無差別に拘束・拉致されていると報道されている。だが武装勢力は、占領米軍への協力者・加担者かそうでないかで、その後の対応を明確に変えている。拘束された日本人3人は、米軍への協力者などではなかった。若干18才の今井紀明さんは、「NO!! 小型核兵器(DU)サッポロ・プロジェクト」の代表を務め、「劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワーク」の仲間だ。ボランティア活動家の高遠菜穂子さんは、自衛隊派兵に反対してイラク現地入りした人々の間でよく知られた人物だ。フリージャーナリストの郡山総一郎さんは、「戦争の真実を伝えたい」とイラク入りを決意したと伝えられている。
こうした3人の経歴はメディアやインターネットを通じてイラクの人々にも伝わり、解放につながった。新たに拘束された2人の日本人をはじめ、全ての人質の解放に向けて私たちがなすべきことはハッキリしている。「ファルージャの悲劇を全世界に伝えて欲しい」というイスラム聖職者協会の呼びかけを受けとめ、3人の解放に尽力してくれたイラクの人々への信義に応えるためにも、ファルージャ虐殺など米軍の軍事行動をやめさせることだ。イラクからの自衛隊の撤退を実現し、小泉政権による米軍戦費負担を白紙に戻させよう。
■イラク特措法でも撤兵だ
福田官房長官は記者会見で、「自衛隊はイラク人のために人道支援を行っている。撤退する理由はない」と言い放った。しかし、3人を拘束したサラヤ・ムジャヒディンの声明は、自衛隊による「米軍への補給支援」を非難し、自衛隊を占領軍の一部と明確に位置づけ撤退を求めていた。実際、イラクに派兵された航空自衛隊は、3月3日からイラクのタリル、バスラなどに20回近く米軍の物資を輸送し、武器を携行した米兵も数回にわたって輸送している。武装米軍を輸送することのどこが「人道的復興支援」なのか。
3名の拘束と前後してサマワの自衛隊駐屯地に迫撃弾が打ち込まれた。自衛隊は基地外での「人道支援活動」を中断し、駐屯地に閉じこもっている。14日にはサマワで、学生ら約300人がアメリカ主導の占領統治に反対してデモ行進。駐留オランダ軍や自衛隊のサマワ撤退を要求した。デモ隊は拡声器で、「自衛隊と占領軍を区別するのは困難。陸自部隊はイラクに駐留する連合軍の傘下で活動すべきではなく、サマワから出て行くことが(日本にとって)最善の選択だ」と訴えている。
そもそもイラク復興支援特別措置法は、自衛隊の派兵目的を人道復興支援、派兵地域を「非戦闘地域」と定めている。この間イラクでは、占領反対を叫ぶイラク民衆の一斉蜂起が開始され、武力で鎮圧しようとする占領軍と激突、全土が戦場となっている。自衛隊が駐屯しているサマワも含め、もはやイラクに「非戦闘地域」などどこにも存在しない。
米軍の軍事行動が激化するに従い、復興活動も含め米占領軍に協力するあらゆる活動を敵視する気運がイラクの人々の間に広まっている。たとえ自衛隊の活動が政府の言うように「人道支援」であったとしても、それは米軍の占領政策を支えるためのものだとする認識が多くのイラク人のものとなりつつある。軍服を着た自衛隊が人道支援を行えるような状況は、今のイラクには存在しない。「テロリストの思うつぼ」(小泉)などと言っていないで、イラク特措法に基づき直ちに自衛隊部隊を撤退させるべきだ。
今や自衛隊の存在そのものが、アメリカの同盟軍=日本への反発と敵意を生み、現地で活動する日本人NGOやジャーナリストの生命を危機にさらしている。撤退を求めるイラク民衆と自衛隊の衝突という最悪の事態が起きてしまう前に、自衛隊を日本に呼び戻そう。
■反米勢力一掃ねらうブッシュ
この4月、既に14日の時点でイラクに駐留する米軍兵士の死者数が83人に達し、昨年3月の開戦以来最悪だった昨年11月の82人を上回った。中部ファルージャなどでの反米武装グループとの衝突が激化したのが原因だ。反米武装グループやイラク民衆の側の死者は今月だけで800人を超え、それを遙かに上回る何千人もの負傷者が出ている。米民主党のケネディ議員はいまのイラクを「ブッシュのベトナム」と非難している。
アビザイド中東軍司令官の増派要請を受け米国防総省は14日、陸軍第1装甲師団と第2機甲連隊の駐留を延長することで約2万人の米軍増強を行う方針を決めた。13万5000人の米軍駐留を維持し、武力でイラク人の反占領蜂起を押さえこもうというのだ。
6月に予定されている政権移譲を前にアメリカは、スンニ派であれシーア派であれ、すべての反米勢力を根こそぎにしようとしている。だが民衆の抵抗闘争を武力で鎮圧することはできない。たとえ一時的に米軍の強大な軍事力で反占領闘争を封じ込めることができたとしても、その禍根が新たな憎悪と報復を生み出す温床となる。米軍はイラク占領の破綻を認め撤退するべきだ。
今アメリカ国内では、イラク戦争の大義が改めて大きな問題になっている。オニール前米財務長官は、ブッシュ政権が政権発足当初からフセイン打倒をねらっていた事実を暴露。ブッシュが事前にテロ情報を知りながら9・11同時テロへの有効な対策を講じようとしなかったというCIAの日報も公開された。9・11が起きるとブッシュは、イラクとの関連を見つけるように強引に部下に命令。ありもしない大量破壊兵器疑惑をくっつけてイラクへの戦争を強行したのだ。現在のイラクの収拾のつかない混乱と紛争を生み出した責任は、大義なきイラク先制攻撃を強行したブッシュにこそある。
米軍の求めに応じてイラクに部隊を派遣した「有志連合」の国々にも動揺が広がっている。既にニカラグア・シンガポール・スペイン・ニュージーランドが派遣計画の見直しを表明している。派遣継続派のブルガリア・イタリア・オランダの政府も、野党勢力の激しい批判を浴びて政権基盤が揺らいでいる。
イラク全土で燃え上がる反占領一斉蜂起、米国内・国際社会で噴出するイラク占領政策への批判。追いつめられたブッシュ政権は今、ファルージャ攻略をはじめイラク国内反米勢力の一掃を目指した大規模な軍事行動を発動しようとしている。そんなことをすれば、さらに多くのイラク民衆そして米兵が死ぬ。各国の人質の命も危ない。ブッシュの「危険な賭」をくい止めるべく、世界中の人々と手を結んで大きなイラク反占領運動を作り出そう。
(2004年4月25日発行 『SENKI』 1142号1面から)