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神聖ローマ帝国の再現を目指すか【EU首脳会議】ヴァチカンの勝利(仏独は後退し、英国も苦渋)
http://www.asyura2.com/0403/senkyo3/msg/1095.html
投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 6 月 20 日 18:43:31:SoCnfA7pPD5s2
 

(回答先: 欧州憲法案に合意 EU首脳会議 大統領や外相新設 委員長人事は先送り(西日本新聞) 投稿者 エンセン 日時 2004 年 6 月 19 日 18:56:49)

★ ベルリンの壁崩壊に続くソ連邦の崩壊は、かつてはソ連邦の支配下にあった国家群に、東ローマ帝国以来の宗教であるカソリックの復興をもたらしました。
  その結果、中東欧諸国へのEU拡大(今回の新規加盟10ヶ国のうち8ヶ国)は、EUへのヴァチカンの影響力を飛躍的に高めました。
 今回のEU首脳会議で明記された中に、経済的条件が整えば2007年1月からのルーマニアとブルガリアの加盟も含まれることから、ヴァチカンの影響力は今後とも強まると見られます。

  今回のEU首脳会議で、憲法に"God"(カソリックの神を意味する)の表現を盛り込むか否かが争点となったのは、こうした事情によります。この件では、ベルギーとフランスが最も激しく対立しました。伝統派ベルギーの背後にはヴァチカンがいました。リベラルなフランスを支持したのはドイツだけでなく、イギリスもプロテスタントの立場からこれを支持しました。最終的には、議長国アイルランドのアハーン首相の独断で、憲法に"God"の表現を挿入しないことで決着しました。

  このEUの動向を見る時、あっしらさんが 米国の覇権を予測し「EU」実現も予想していたヒトラー:「我が闘争」よりも面白い「ヒトラー第二の書」 の中で紹介された、以下のヒトラーの言葉が参考になるかもしれません:

「 この汎ヨーロッパ運動の根本的なあやまりは別にしても、ヨーロッパ諸国の統一という考えは、差し迫っての窮乏から生じた一般的な洞察だからやむを得ないとは言うものの、やはり空想的であり、歴史的に見て実現不可能な、子供じみたものである。私は、ユダヤ人摂政の下でユダヤ人が推進するような統一など初めから不可能だ、などと言うつもりはない。ただその結果について、このまったくのインチキ思想が並べている希望とはまったく違うものになると言いたいのだ。」(P.179)



変革の風に揺れる欧州【BBC News】Europe rocked by winds of change

[Last Updated: Friday, 18 June, 2004, 23:14 GMT 00:14 UK]

By Andrew Marr BBC Political Editor


新憲法が欧州の力関係を変える
The new constitution changes
the balance of power in Europe

つまりこれが、新しい欧州世界だ。
So this is the new European world.

英国人の見る所、25の構成メンバーから成る連合は、魅力と欠点の双方を持っている。
To British eyes, a 25-member Union has attractions and drawbacks too.

主な魅力は、非常に多くの新規メンバーによって、フランスとドイツの時代が終わったことである。
The chief attraction is that with so many new members, the days of French and German domination are over.

際限のないおしゃべりの途中で、口達者なシラク大統領が挫折したことは、自ずと歴史の一コマになった。シラクは、ドイツ人や従来の協力者と一緒に、重要な何かを解決すべく果断に取り組み−−辺りを見回し−−それから突然、自分が得票しなかったことに気づいた。
President Chirac's voluble frustration half-way through these interminable talks was a little moment of history all by itself: he had moved decisively with the Germans and his traditional allies to settle something important - looked around - and suddenly realised he didn't have the votes.

「(EUの)拡張がもたらした変革と言っても過言ではない。」しかし、この新憲法がその変革を明文化することも難しい。
”It is hard to over-state the change that expansion has brought”, and which this new constitution gives shape to.

(EUの)拡張が事態を変えることは、勿論、誰にも分かったが、ブリュッセルで今週末になるまでは、現実を十分に認識して精神的打撃を受けることはなかった。
Everyone knew the expansion would change things, of course: but the full reality has not hit home until this weekend in Brussels.

一つのヨーロッパという、あの戦後の概念は、フランスの印象とフランスの利益で効果的に成型されており、迎合的なドイツが融資していたが、今や、神聖ローマ帝国のように飛躍的な精彩を放っている。
That post-war idea of a Europe effectively moulded in the image of France and French interests, and funded by a compliant Germany, is now as jumpingly alive as the Holy Roman Empire.

スロベニア人、ポーランド人、ポルトガル人は、皆、彼等の見識を持っており、彼等は皆、それに耳を傾けるように要求している。
The Slovenes, the Poles, and the Portuguese all have their views and all demand to be heard.

しかし、(EUの)拡張がもたらした、もう一つの紛れもなく明らかな変化は、25の異なる国家間の交渉が、如何に遅々とした煩雑なものか、ということに尽きる。
But the other glaringly obvious shift brought about by expansion is simply how slow and cumbersome negotiations are between 25 different nations.

これらの討議は、以前に一度失敗している。過去48時間に亘って、彼等は、息切れしたナメクジのペースで、前進した。
These talks had collapsed once before. Over the past 48 hours, they have advanced at the pace of an expiring slug.


方向性のないバブルDirectionless bubble

際限のない小さな中断と不明瞭な難題で、首相達と職員達は、喋り通しに喋り、疲労で青ざめ、予定の期限を過ぎて(討議が)長引いた。
Endless tiny hiccoughs and obscure puzzles have kept the prime ministers and officials talking, whey-faced with tiredness, long beyond the expected deadlines.

最終的には、アイルランド人の議長国の勝利、および、英国人の頑迷さの勝利となったが、中でも、スタミナの勝利だった。
Their final deal was a triumph for the Irish presidency, and a triumph of British obstinancy, but it was above all a triumph of stamina.

勿論これこそが、先ず第一に、新憲法(制定)の主な理由だった。単一国家群による少数の票と、中央にとっての大きな権力は、若干の連邦主義政治家に歓迎されている。そして、超国家創造の決定的瞬間として、英国の反EU活動家に恐れられている。
This, of course, was a key reason for the new constitution in the first place. Fewer vetoes by single countries, and more powers for the centre are hailed by some federalist politicians, and feared by British anti-EU campaigners, as a decisive moment in the creation of a super-state.

本当かどうかは別として、これ等の変化に対する余り大げさでない説明は、これ等やそれに似た何かが無ければ、拡大EUが方向性のないバブルと化していただろうということに尽きる。
True or not, a less dramatic explanation for these changes is simply that, without them or something like them, the wider EU would have simply collapsed into a directionless bubble.

「今や指導者達は、抗争を終わらせた。(これからは)指導者達は販売活動を始める必要がある。」
”Now the leaders have finished the haggling, they have to start the selling ”.

今月の欧州の選挙は、欧州統一志向のエリート政治家にとって、数多くの普通の投票者達がEUにどれ程退屈し侮蔑的になったかについての、無作法な非難であったに違いない。
This month's European elections ought to have been a rude blast in the ear for elite Euro-politicians about how bored and contemptuous many ordinary voters have become about the EU.

幾つかの国々、とりわけ英国では、住民投票が必要になるだろう。他の国々では、議会がこの条約の批准の可否を決めるだろう。
In some countries, notably Britain, there will have to be a referendum. In others, parliaments will ratify the treaty, or not.

土曜日の夜遅く、消耗しきったトニー・ブレアは、この憲法を歴史的に重要なものと認め、自分が住民投票を回避しようとしていたことの誤りを認めた。
Late on Saturday night, an exhausted Tony Blair admitted the constitution was historic and that he had been wrong to try to avoid a referendum.

我々には議論が必要だ、とブレアは語り、EUを目の敵にしている数百万の人々は、心底同意している。
It's an argument we need to have, he said. Millions of people who loathe the EU heartily agree.


「洗浄行為」'Toilettage'

我々が目標を達成する前に、この憲法の条文は、無数の言語に翻訳して入念にチェックする必要があった。このプロセスには、洗浄行為とか浄化処理という多少気色の悪い名前がついていた。
And before we get there, the legal texts have to be translated and double-checked in a myriad of languages - a process given the faintly unpleasant name of toilettage, or cleaning-up.

個々の指導者たちは、それぞれの国に戻って勝利を主張するだろう。トニー・ブレアは、自らが引いた一線を死守したと言うだろう。
Individual leaders will go back to individual countries and claim individual victories. Tony Blair will say he has defended his red lines.

ブレアは、政治的には、フランス大統領の非常に公然とした攻撃のお陰で、随分と助かっていた。−−尤も、英国保守党は、かつては英国民にとって重要と考えられた他の争点が、随分前に完全に撤回されたことを指摘するだろうが。その争点とは、欧州の外相ないしEUという組織が、基本的権利について完全な特権を保持することに対する労働党の反感であった。
Politically, he has been greatly helped by being attacked so publicly by the French president - though the Tories will point out that other issues once thought important for the British such as Labour hostility to a European foreign minister, or the EU having a full charter of fundamental rights, were quietly dropped long ago.

しかし恐らく、政治的エリート達の勝者と敗者にまつわる言説−−フランスの勝利、ベルリンに対するロンドンの勝利、あるいは、中規模国家群に対する小規模国家群の勝利、等々−−は、今や時代遅れになっている。
But perhaps the language of winners and losers among the political elites - a French victory or a victory for London over Berlin, or the small countries over the medium-sized ones - is now out of date.

ことによると、国家政府間の分裂よりも、欧州の一般的な政治支配層とその大陸じゅうの有権者の間の分裂の方が、大きいのかもしれない。
Maybe the split is less between national governments than between Europe's political establishment, in general, and its electorates across the continent.

このうんざりする交渉は、それが必要かどうかに拘らず、有権者たちの関心をフットボールから切り替えたことがない。彼等の面倒な仕事は今始まる。
This wearisome negotiation, necessary or not, will not have had them switching over from the football. Their harder job now starts.

Europe rocked by winds of change

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