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(回答先: <遺伝子スパイ事件>岡本被告の引き渡し認めず 東京高裁【毎日新聞】米国側の反発が予想される... 投稿者 処方箋 日時 2004 年 3 月 29 日 12:37:31)
米国での起訴から2年10か月に及んだ「遺伝子スパイ事件」の元理化学研究所チームリーダー・岡本卓(たかし)被告(43)の身柄引き渡し問題。引き渡しできないとする判断が29日、東京高裁で出たことで、このまま決着することが確実になった。弁護団や岡本被告のかつての勤務先が「的を射た判断」「画期的」と決定を評価したのに対し、法務・検察当局には「予想外」と、困惑が広がった。
■弁護側■
「賢明な判断だ」。岡本被告の代理人を務める清井礼司弁護士は、東京・霞が関の司法記者クラブで会見に臨み、東京高裁の決定を高く評価した。
高裁決定は、理化学研究所のために試料を持ち出したのではない、という岡本被告側の主張を全面的に認めた。
清井弁護士は「岡本被告がしたのは、部下に対する嫌がらせという幼稚な行為でしかない。東京高裁は、経済スパイ法違反の立証が不十分だという的を射た判断をした」と、喜びを抑えながら、強い口調で語った。
その上で、法務、検察当局には、「米国からの政治的圧力を受け、条約や法律の条文を無視し、思慮の浅い審査請求をした責任をとってもらいたい」と怒りをあらわにした。
■理研■
岡本被告の上司だった貫名(ぬきな)信行・理化学研究所脳科学総合研究センターグループディレクターは、「画期的な判断だ。どう考えてもスパイ行為ではないと思っていたが、身柄を渡してしまえば、有罪の可能性もあった。裁判所が日本政府に対して独立性を保っている証拠だ」と評価した。
その上で、貫名さんは「ただ、教訓はある。日本の研究者はこれまで、試料の持ち出しなどのルールに無頓着すぎた。この事件は、国際的なルールが日本にも定着する契機になった」とも話した。
■法務・検察■
東京高裁の決定が出た直後、東京高検では幹部らが、担当検事からの報告を受けるなど、あわただしい動きが続いた。法務省では、米国との交渉窓口となる刑事局国際課がドアを閉め切ったまま。同局幹部は「(引き渡しは)当然、認められると思っていたが……」と驚きの表情を見せた。
同局の別の幹部は「こちらとしては、自信を持ってやったことだと思う」とした上で、不服申し立てについて「(申し立ての規定がなく)一度きりなんだから、裁判所にダメだと言われたらダメ。法律に書いていないことをやっても仕方がない。最高裁への特別抗告なんてするわけない」と淡々と話した。
また、「法務省としては引き渡し要請があったからそれに基づいてやっただけ」としながら、「米国が出した証拠は、嫌疑がないという結論になるようなものではないと聞いていたんだが」と当惑する幹部もいた。
◆釈放の岡本さん、おだやかな表情◆
釈放された岡本被告は29日午後1時前、東京拘置所(東京・小菅)の関係者出入り口から、白のワイシャツ、ネクタイ、紺のスーツ姿で出てきた。
岡本被告は、段ボール箱数箱とボストンバッグを乗せた台車を押して現れ、そのまま乗用車に乗り込んだ。報道陣から、「話を聞かせてください」などと声が飛んだが、穏やかな表情で、終始無言。取り囲む報道陣に対し、車の助手席から軽く一礼して、拘置所を後にした。
◆「コメントできぬ」芹沢元助教授困惑◆
【シリコンバレー=館林牧子】岡本卓被告の試料を一時預かったとして米司法当局に起訴された芹沢宏明元カンザス大助教授(42)(司法取引で一昨年5月公訴取り下げ)は、28日(日本時間29日)、東京高裁の決定について、読売新聞の電話取材に答えた。
芹沢氏は「東京高裁がどういう根拠に基づいて、岡本被告の行動が『理研を利する意図がなかった』と判断したかがわからず、コメントできない。今後の日本の検察当局の動きを見守りたい」と困惑した調子で語った。
芹沢氏はこれまで、岡本被告について「米国で裁判を受け、真相を明らかにすべきだ」と述べていた。
(2004/3/29/14:46 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040329ic07.htm