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(回答先: 裏金、「課長の指示」で常時20〜30万円 静岡県警 [朝日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 3 月 06 日 16:14:49)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040306-00000001-mai-l22
◇「私的流用なし」強調、急がれる全容の解明
県庁、県教委に続き警察でも裏金が発覚――。県警は5日午前急きょ会見し、警務部総務課員らが95年度にカラ出張を繰り返すなどして約1000万円の裏金を作っていたと発表した。「県警始まって以来の不祥事」。会見した県警幹部は苦渋の表情を見せたが、私的流用がなかったことを何度も強調した。都道府県警の裏金疑惑はこれまで日本各地で指摘されてきたが、県警が正式に認めたのは今回が初めて。失われた県民の信頼を取り戻すために、不正経理の全容解明が急がれる。【北川仁士、鈴木梢】
県警が不正経理があったと認めたのは、95年度の県警総務課の旅費と食糧費。このうち旅費はカラ出張でねん出したものが計341件940万円分に上った。公的に使われたのは690万円で、内訳は捜査員への激励費490万円▽慶弔費90万▽パソコン・ワープロなど購入経費に50万円など。激励費は捜査にあたる警察官の労苦をねぎらうために支出した。県警は残る250万円の使途が分からず、返済の対象になるとしている。
しかし、カラ出張による請求自体が不正行為だ。会見した大橋亘警務部長は「堂々と獲得できるはずの費目で、返還には及ばない」と、県民の理解は得られにくい説明に終始し「正規の手続きを取るのは面倒くさいという安易な気持ちがあった」と釈明した。
当時、旅費は幹部が一括管理し、カラ出張で得た現金をプールしていた。幹部が課員の印鑑をまとめて保管していたため、不正経理に名前が使われたことへの認識がない課員もいたという。
◇捜査報償費含め、全署で調査指示−−知事
一方、石川嘉延知事はこの日「不正を取り締まる警察で、県と同じようなことが発生したことは残念」と語った。また、捜査報償費を含めて全部署ですべての年度について調査をするよう県警本部長に伝えたことを明らかにした。
◇月の半分以上出張など、異常な実態浮き彫り−−旅費請求
毎日新聞社が入手した県警警務部総務課の旅費請求書によると、一人の総務課員が1カ月間の半分以上出張したり、同じ警察署へ連日のように出張するなど、異常な実態が浮かび上がった。ほとんどが日帰りだったが、中には県の東端と西端に位置する警察署を行ったり来たりする極端な例もあった。95年8月中に起案した支出票や旅費請求書を元に、当時の課員の「出張日程」を再現すると――。
K技師は6月22日〜7月31日までの1カ月間余に計19回も出張。行き先は県内の4署だけだったが、県の東端に位置する「伊東署」と西端の「新居署」を交互に行き来していた。4日連続で出張した時期もあった。W主任の場合もK技師と同じ実態が見られ、出張回数もまったく同じという不自然さだった。2人の旅費に2200円が並んでいるのは、日当の請求だけで交通手段には公用車を使ったことにしたためと見られる。
I警部の場合は、6月21日〜7月26日に計14回出張。伊豆や県西部、県外など遠方の出張が目立つ。【中村牧生、小林慎】
◇県警本部長、県民におわび 早口でコメント−−県議会
「官官接待」が全国的に問題になった96年当時、静岡でも約932万円の裏金が見つかった。しかし、それから約6年後の02年5月、静岡財務事務所の元所長らが、プール金を着服したとして業務上横領容疑で逮捕されるまでプール金は「存在しない」とされてきた。その後、県と県教委の全庁調査で計1億3400万円(02年度末現在)もの裏金の存在が明るみに出たが、静岡県警の水田竜二本部長は内部監査を実施していることを理由に裏金の存在を強く否定していた。
県の全庁調査の結果は昨年9月に公表され、96年度末で県と県教委に計2億円のプール金があったことが判明。96年当時の県監査委員の調査に対し、多くの部署が虚偽の回答をしていたことが分かった。また、県警や県議会については全庁調査の対象とはせず、オンブズマンらが起こした非開示取り消しを求める裁判でも「文書管理の権限は県警や県議会にある」と主張してきた。
県警サイドは、宮城県警や北海道警などでカラ出張や捜査謝礼名目の裏金疑惑が明るみに出るたびに「うちは関係ない」と県議会や記者会見で説明してきた。だが、この日の発表で、その主張は虚偽だったことになるため、水田竜二本部長は5日正午過ぎに急きょ県議会に説明した。
「議会で特別に発言したい」と議運に申し入れ、一般質問の合間に登壇を許可された。水田本部長は硬い表情で議場に現れ「不適正または妥当性に欠ける会計処理が行われていたことにつきましては、県民の皆さんに深くおわび申し上げます」と用意されたコメントを早口で読み上げ、頭を下げた。さらに、報道発表と同じ文書で内容を説明した。
発言後、手を上げて質問をしようとする県議も何人かいたが、水口俊太郎議長が「議会運営の都合上、これにて休憩」と打ち切り、説明はわずか数分で終了した。【中村牧生】 ◇警察の裏金づくり、全国でも多数判明
警察による裏金づくりの疑惑はこれまで何度も指摘されてきたが、全庁的な調査に踏み切ったところはなく、実態はなお不明のままだ。その手口は、今回の静岡県警警務部総務課の不正経理でも使われた出張のでっち上げによる旅費の不正請求のほか、架空の捜査協力者を仕立てて報償費を支払うなどの方法があるとされる。オンブズマンによる文書開示を求める訴訟に加え、最近では北海道警元幹部による「実名告発」もあり、疑惑を取り巻くベールが次第にはがされつつある。
これまでに判明した不正な公金支出(疑惑を含む)は、警視庁赤坂署が参考人の日当などを不正請求し、43万円を着服した疑惑が浮上(96年5月)▽熊本県警元幹部がカラ出張や捜査費の裏金づくりを暴露(98年5月)▽警視庁で捜査協力者の領収書を偽造した疑いが浮上(99年4月)。名前を使われた男性2人が東京都に損害賠償を求めた訴訟で、東京高裁は「領収書は偽造の疑いが強い」と24万円の支払いを命じる▽宮城県警総務課が94〜95年にカラ出張で旅費529万円を不正支出した疑いが浮上(00年9月)▽香川県警で架空の経費請求などで2450万円の不正流用が発覚(02年1月)――などがある。
このうち、宮城県のケースでは、浅野史郎知事が報償費の監査を請求したが、県警は捜査員への事情聴取を拒否するなど、県警へのチェック機能が十分働いていないと指摘する関係者は多い。
また、昨年11月には北海道警の元釧路方面本部長が、旭川中央署の95年5月と97年9月分の捜査用報償費約50万円が、実際には捜査協力者に支払われず、裏金として使われていたと告発。「不正はなかった」とする道警側と正面から対立している。この疑惑を教訓に、警察庁は先月13日、「予算執行検討委員会」を設置し、経理の透明化について検討を始めている。【中村牧生】
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■解説
◇まだまだ序の口
県警の裏金問題は「まだ序の口」といった印象が強い。今回明らかになったのは、県オンブズマンネットワークの服部寛一郎代表幹事が開示請求していた「95年度分、県警総務課の旅費、食糧費」のみだ。その限られた範囲で1000万円を超す不正支出が見つかり、旅費部分に限れば全体の約7割が不正なものだった。「他の部署、年度でも裏金作りがあったのでは」という疑念が生じることは避けられず、それを払しょくする県警の調査が求められている。
県と県教委の全庁調査で計1億3400万円(02年度末現在)の裏金が明らかになった時、県警の水田竜二本部長は「内部監査をしているのだから、県警では裏金問題はない」と言い切っていた。その主張がもろくも崩れ去った以上、すべての部署と年度の調査を実施し、うみを出し切るしか信頼回復への道はない。
県警の大橋亘警務部長は会見で「開示請求と公表の間に直接の関係はない」と説明した。県警の予算は5年間の保管義務があり、裁判の対象となった場合はその期限が切れても保管されている。高い情報公開性を持つという認識があるのなら、全部署で年度別の調査をすることは当然だ。しかし、他の部署については「必要があれば調査する」と述べるにとどまっている。
今回、県警が自らの不正について事実を公表したのは唯一、救われるべき点だ。服部代表幹事もその点は「意義は深く、全国に与える影響も大きい」と高く評価した。裏金疑惑は全国の警察で相次いで指摘され、警察庁は不正経理を根絶する委員会の設置を決めたが、今回はその試みの試金石となる意味合いも出ている。【小松雄介】
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◇8月に起案の支出票での主な出張例
日付 出張先 旅費(円)
<K技師>
6・22 細江署 2200
26 伊東署 2200
28 伊東署 2200
29 細江署 2200
7・ 3 伊東署 2200
4 新居署 2200
5 伊東署 2200
6 新居署 2200
10 伊東署 2200
11 新居署 2200
12 伊東署 2200
17 伊東署 2200
18 新居署 2200
19 伊東署 2200
24 大仁署 2200
25 新居署 2200
26 大仁署 2200
27 新居署 2200
31 大仁署 2200
<I警部>
6・21 浜北署 7220
23 伊東署 8680
26 下田署 11560
28 東京 13920
30 横浜 12880
7・ 3 天竜署 7722
5 森署 4911
10 細江署 7764
12 浜北市 7220
17
〜18 浜松市 14200
19 清水市 1100
20 警察学校 1100
24 下田署 11560
26 天竜署 7722
<W主任>
6・21 伊東署 2200
22 細江署 2200
26 伊東署 2200
27 細江署 2200
29 細江署 2200
7・ 3 伊東署 2200
4 新居署 2200
5 伊東署 2200
10 伊東署 2200
11 新居署 2200
12 伊東署 2200
13 新居署 2200
17 伊東署 2200
18 新居署 2200
19 伊東署 2200
20 新居署 2200
24 大仁署 2200
25 新居署 2200
31 大仁署 2200
<E警部補>
6・21 清水市 1100
22 横浜市 12480
26 浜中署 7135
7・ 4 下田署 11560
6 伊東署 8680
10 細江署 7764
12 浜北市 7220
14 東京都 14320
18 警学校 2200
19 清水市 1100
20 警学校 1100
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◆県のプール金と県警の文書開示を巡る動き◆
96年 9月 県監査委員の調査で、裏金が県庁部局の過半数に存在し、95年度末の残高が約932万円と判明
10月 「静岡県オンブズマンネットワーク」代表幹事の服部寛一郎氏が県警総務課と県議、県議会事務局の95年度分の旅費、食糧費の支出関連文書の開示を県に請求
11月 県が文書の全面非開示を決める
98年 9月 服部氏が石川嘉延知事に対し、非開示処分の取り消しを求める訴訟を静岡地裁に起こす
00年 3月 静岡地裁が、一部情報を除いて開示を命じる判決
10月 東京高裁が1審を支持する判決を出す
02年 5月 県静岡財務事務所のプール金のうち800万円を横領したとして、地検が元所長らを業務上横領容疑で逮捕
7月 県監査委員の特別監査で、熱海、下田両財務事務所でプール金計1000万円の存在が判明
03年 3月 沼津財務事務所の元次長らを業務上横領容疑で逮捕
4月 県、県教委がプール金調査を開始
9月 県、県教委の全庁調査で96年度末時点で計2億円のプール金があったと判明。02年度末までに使われた7400万円のうち4100万円が使途不明。県が202人を処分
04年 1月 最高裁が知事の上告を受理しない決定。職員の名前の開示を認めた高裁判決が確定
3月 県警が95年度の不正支出を認め、県に約510万円返還の方針を発表(毎日新聞)
[3月6日19時51分更新]