01/13 10:44 過去の導入失敗が背景 国連、問われる調整力

　【ポートルイス（モーリシャス）１３日共同＝坂本泰幸】国連教
育科学文化機関（ユネスコ）の松浦晃一郎事務局長が十二日、太平
洋で運用している津波早期警報システムを、明確に期限を切ってほ
かの海域に拡大する意向を示した背景には、過去にも同様のシステ
ム構築を模索しながら、経費の問題などで実現にこぎ着けられず、
今回のスマトラ沖地震の津波被害を軽減できなかったという苦い経
験がある。
　津波被害の復興支援が国連主導で進められる中で、警報システム
の早期構築に向け、関係国や国際機関との調整力が問われそうだ。
　松浦氏によると、津波の８５％は太平洋地域で発生するが、ユネ
スコは以前から、警報システムをインド洋や地中海、カリブ海など
に拡大する必要性を感じていた。
　二〇〇三年九月にニュージーランドで開かれたユネスコの太平洋
津波警報システム国際調整グループで、インド洋沿岸諸国の関心の
度合いを調査することなどが決まったが、経費面の不安などから沿
岸諸国が関心を示さなかったため具体化せず、ユネスコとして“放
置”した形になった。
　松浦氏は「こんなに大きな津波災害が起きるとは予想できなかっ
た。（警報システムのインド洋などへの拡大を）もっと強く言うべ
きだった」と述べた。
20050113 1044
[2005-01-13-10:44]

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