投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 7 月 01 日 02:02:18:SoCnfA7pPD5s2
(回答先: 地球の大量の水は、どこからきたのか?【アストロアーツ】彗星由来説を検証 ← 彗星探査機ロゼッタ 投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 6 月 30 日 23:09:55)
水あれこれ@(エンジニアリング・フラッシュ 連載コラム)
[引用: 東芝エンジニアリング(株) 長尾博之] この度、「万屋工房」よりの掲載依頼があったのを良い機会に、折にふれて水に関連して面白いなと思ってきた事どもを、そこはかとなく書きつづってみようかと思い始めました。同好の士がいらっしゃれば、掲示板などで是非ご連絡ください。情報交換などしたいと思います。
さて、水に関するおハナシの第1弾としては、やはり、我らが母なる大地、つまり地球という名の惑星が持つ膨大な量の水の“起源”から始めるべきでしょう。地球の表面積の7割は水で覆われていると言われます。正に“水の惑星”です。宇宙飛行士らが「地球は青かった」とか「わたしはカモメ」と言ったのも、この膨大な水あってこそのことです。金星や火星からではこうはいきません。勿論、生命が発生し、人間という知性体が地表を覆うようになったのも、すべてこの膨大な水があったためであるのは言うまでもありません。
ところが、この地球上の水の起源は如何に、ということになると、ほぼ正しいと思われる理論が定説となったのが、たかだかここ10年のことにしかすぎません。これとても実証された訳ではないので(実証のしようもないでしょうが)仮説の一つにすぎないわけです。但し、今のところ限りなく真実に近い仮説と言うわけです。この説の紹介は次号にでも譲ることにして、ここでは、今から20年ほど前(たった20年前)に出された、誠に興味深い、かつ希有壮大な仮説についてその一部をご紹介します。
1975年の2月に、原書房という本屋さんから「灼熱の氷惑星」という220頁余りの単行本が出版されました。著者は、当時、電中研の理事待遇で経済研究所研究室長を務めていた高橋実氏で、歴とした物理学者です。また、推薦のことばを東大名誉教授の大山松次郎氏が寄せていることから、単なるSFではないことが分かります。
内容は、「地球の水は多すぎる」という漠とした感想を出発点として、その水の故郷を訪ねた結果、ある特異な構造と周期を持つ天体の存在を仮定せざるを得ないとしたもので、これに天体Mと命名し、これこそが、地球上の大部分の水の供給源であり、大部分が灼熱の水と氷でできた太陽系の1惑星であるとしたものです。この天体Mの存在は、単なる想像によるものではなく、氏の専門をベースとした極めて厳密かつ詳細な宇宙物理学的な理論解析と膨大な思考実験の結果予言されたところが奇妙に説得力を持っており、カタい内容にも拘わらず、当時のベストセラーになったと記憶しています。
氏の創造した天体Mの構造を簡単に記すと、先ず、大きさは地球と殆ど同じかまたは少し大きい程度であり、内部は地球半径の半分位までが地球と同じような鉄やニッケルを主成分とする核が占め、その外側を3000-3600kmの厚さの水が覆っているというものです。
勿論、最外表面の水は宇宙空間の低温の為に30-70kmの厚さの氷の層になっており、反対に、核に接する部分の水は20万気圧以上で1000℃を越えているとしています。
この天体Mは、図のように約3000年の周期をもった楕円軌道を描いて太陽の周りを巡っており、地球に最接近したときの両惑星間の距離が或る条件以下になった場合(間接衝突)に、10京トンオーダーの水が地球に降り注ぐそうです。
勿論、直接衝突するケースもあり得るわけで、といっても過去にあり得たのは天体Mの外殻の氷の層が地球に接触した程度と氏は推論していますが、この場合には、さらに膨大な水とともに、やはり膨大な量の氷が地表に降り注いだと考えられます。 この仮説の面白い点は、もしもこれが事実だとすると、未だに地球上で謎につつまれた多くの問題が誠に鮮やかに解明されてしまうことです。 例えば、氷河期の生起、恐竜の絶滅、炭田の成因、サハラ/ゴビ等の大砂漠の大量の砂の成因、北極圏の大氷塊、ノアの箱船伝説、等々いま一つはっきりしていないことが、本書では天体Mによるものであることが理路整然と説かれており、つい納得させられてしまいます。その反対に、天体Mの存在は、この地球が何時の日かハルマゲドンを迎える可能性のあることを示唆するものでもあり、真に怖い仮説ということにもなります。
なお、現在は、地球の水の起源は地球そのものである、という考えが定説になっているようですが、これとても何時ひっくり返るか分かりませんので、この高橋仮説が再び日の目をみる可能性が全く無いというわけでもないと筆者は考えております。
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