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土星探査機『カッシーニ』、衛星フェーベのデータから太陽系誕生の秘密解明へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040624-00000002-wir-sci
米航空宇宙局(NASA)は23日(米国時間)、 http://saturn.jpl.nasa.gov/ 土星探査機『カッシーニ』が土星の暗く謎に満ちた衛星フェーベに接近して収集したデータから、この岩だらけの天体は太陽系の形成の過程で惑星になった構成要素の残りだという説が確認された、と発表した。
科学者たちがこの結論に達したのは、直径が平均で約214キロメートルのフェーベに二酸化炭素の痕跡を発見し、この衛星が氷と岩でできていると判断したからだ。小惑星帯の天体では二酸化炭素は見つかっていないため、他の説が提唱するようにフェーベが小惑星だという可能性は非常に低くなった。
科学者たちは今回、フェーベが http://www.solarviews.com/eng/kuiper.htm カイパーベルトに由来するという説を裏づける強力な証拠を得たと考えている。カイパーベルトとは、太陽から120億〜150億キロメートル離れた距離にある、氷の塊が散在する帯状の領域を指す。 http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/technology/story/20040614303.html 6月11日のカッシーニの接近(日本語版記事)は科学者たちにとって、こうした天体を間近で調査できた初めての経験だった。
11日の接近で収集した調査結果から、太陽系の形成過程を解明する事実が明らかになると見られている。23日の記者会見で、衛星の専門家でありNASAジェット推進研究所の画像チームのメンバーでもあるトーレンス・ジョンソン氏は、フェーベを「凍ったタイムカプセル」と呼んだ。
ジョンソン氏は、「フェーベは惑星の基本的な構成要素――氷微惑星――の素晴らしいサンプルだと思う」と述べ、かつてはこうした天体が太陽系を満たしていたと説明した。「フェーベがここに残ってくれたことは、われわれにとって幸運だった」
http://www.wired.com/news/images/0,2334,63967-13081,00.html 収集されたデータ(画像)から、フェーベの気温が摂氏マイナス163度――これまでに地球上で記録された最低気温より70度以上低い――こともわかった。
さらには撮影された写真から、フェーベの表面には差し渡し約300メートルの岩石があることが確認された。カッシーニの『画像科学サブシステム』プロジェクトチームに参加しているコーネル大学のピーター・トーマス氏は、「これが落下してきたら、『ローズボウル』の大部分と周辺の駐車場の一部もつぶれてしまうだろう」と述べた(ローズボールはカリフォルニア州パサデナにあるスタジアムで、南北の長さが約270メートル)。
今回の新たな情報は、フェーベとカイパーベルトに関する謎の解明に大きな進展をもたらすものだ。NASAは、惑星探査機『ボイジャー2号』がフェーベから約220万キロメートルのところを通過した1981年以降、惑星探査機を使ったフェーベの撮影を行なっていない。
このとき撮影された写真では、フェーベは「丸くてゴツゴツした、斑点のある天体」だということしかわからなかったと、ジョンソン氏は冗談交じりに語った。これに対してカッシーニは、フェーベから約2000キロメートルのところを通過した。
カッシーニは次に土星に向かい、6月30日に土星を回る軌道に入る予定だ。そのためにカッシーニは速度を十分に落とし、土星の引力に捉えられるようにする。その後4年間かけて、土星とその輪、そして現在までに知られている31の衛星を調査する。
また、今回の探査での最大のイベントが12月24日に予定されている。この日カッシーニは、土星最大の衛星タイタンから約956キロメートルのところまで近づき、小型探査機『ホイヘンス』を切り離す予定だ。これによって科学者たちはタイタンの大気を調査できる。一部の科学者は、タイタンの大気の特徴から、タイタンは実は惑星だったのではないかと考えているのだ。
ジェット推進研究所の研究者たちは、その時点でフェーベから離れてはいるものの、6月11日の接近で収集したデータの残りを詳細に調査しながら、この別名「暗い月」に関する新たな事実を見つけていきたいと述べている。たとえば、 http://www.wired.com/news/images/0,2334,63967-13077,00.html フェーベの表面にある岩に混じっている黒い「謎の物質」(写真)の組成はまだ分かっていない。
「依然として謎は残っている――たとえば、フェーベの表面の正確な組成を調べなければならない」とトーマス氏は述べた。「表面が層状になっていると予想していた人など、そうたくさんはいないだろう」
カッシーニに搭載されている『 http://saturn.jpl.nasa.gov/spacecraft/instruments-cassini-vims.cfm 可視光線・赤外線マッピング分光計』のプロジェクトを担当するジェット推進研究所チームのメンバー、ボニー・ブラッティ氏は、「謎の物質と呼んでいる部分を調べることにより、今回の調査からさらに多くの結果が引き出せることを、われわれは期待している」と述べた。
「新たな発見がいくつかあったとはいえ、今後まだまだ多くのことが明らかになるだろう」とブラッティ氏は語った。
[日本語版:天野美保/高森郁哉]日本語版関連記事
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(WIRED)
[6月24日17時0分更新]