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(回答先: マイペースが利益の源〜ハッピー牧場物語【21世紀ビジネス塾】&『マイペース酪農―風土に生かされた適正規模の実現』三友盛行 投稿者 エイドリアン 日時 2005 年 1 月 22 日 00:42:00)
三友牧場 三友(みとも)盛行・由美子夫妻(北海道・中標津)を訪ねて
北海道の東端、根室管内中標津町(人口2万3000人、乳牛4万頭)は、日本最大の酪農地帯。そこで自然循環の酪農経営に徹し、自家製チーズ作りを地域に広め、酪農文化を育てることに情熱を傾ける三友夫妻を紹介します。
▼ 夫妻とも東京・浅草生まれ
まず、お2人の入植の経歴がふるっています。三友(みとも)夫妻は1945年、東京・浅草の生まれ。小・中・高校と同級生でした。
盛行さんは高校卒業後、全国を旅し、北海道・別海町で酪農家のお世話になったのが縁で酪農家を志し、隣町の中標津町で入植者を募集していることを聞き、応募。入植の条件が「妻帯者であること」。そこで由美子さんと結婚し、68年に開拓入植しました。
経営を軌道にのせるまで大変な苦労があったと想像されますが、現在は搾乳牛40頭、60ヘクタールの牧場を所有。基本労働力は夫婦2人ですが、現在実習生として若い夫婦が加わっています。
▼ 「マイペース酪農」でゆとりの経営
三友さんの酪農に対する考え方は、自然循環型といえるもので、無理な生産の拡大を求めない方式です。
牛には輸入穀物に依存した濃厚飼料に頼らず、自家製の牧草を主体とした飼料を与えます。そのためには、1頭当たり1ヘクタールの草地が必要とのこと。牛の出す糞尿はよく発酵させ、堆肥にして草地に戻す。1頭当たり牛乳の生産量は、他の牧場より落ちても、投入資材が少ないので収益は変わりません。牛にも搾乳の過重な負担はかからず健康的、化学肥料に頼らない草地の地力維持も可能です。
この農法は地元では、「マイペース酪農」と呼ばれ、酪農家が知恵を出し合い確立してきました。
北海道の酪農業は長年にわたり、安い輸入農産物との価格競争にさらされ、規模拡大を余儀なくされてきました。それは、「ゴールなき拡大」ともいわれ、大きな負債をかかえ「身体をつぶすか、経営をつぶすか」といわれるほど過酷な状況を生みだしました。
「マイペース酪農」は、こうした環境を克服し、人間らしい生活、楽しい酪農を取り戻すための試行錯誤の中から生み出してきたものです。(三友盛行著『マイペース酪農』農文協発行に詳しい)
▼ 食文化、生活文化としてのチーズ作り
由美子さんは、20年くらい前から、ヨーロッパに行くたびに、ヨーロッパの酪農は、食文化、生活文化を伝統的に形成している、その中心にチーズがあることに啓発されました。
そこで、マイペース酪農の仲間たちと「農家チーズをつくる会」を立ち上げ、チーズ作りに着手。最初は、本物のナチュラルチーズの味が分からない地元の人たちに(もちろん、作る側も未熟)そっぽを向かれましたが、今では毎年開くチーズフェアには2、300人の町民が集まり、大盛況。昨年11月に開かれた第6回フェアには、札幌支部の農経部会の仲間も駆けつけてくれました。
今では、三友牧場の収入の4分の1はチーズが占め、通販はもちろん、全日空国際便の機内食にも採用されています。
三友さんが同友会に入会したのは、中標津町農協組合長時代。「農業の世界は狭い。多くの人と意見交換できるのが同友会の良いところ」とのこと。酪農の町からチーズで新しい地域文化の創造に向けての三友夫妻の挑戦が続きます。
【牧場の概要】
創業 1968年に開拓入植 現在、三友夫妻と実習生の若い夫婦で営農
規模 牧場60ヘクタール、搾乳牛40頭
事業 無農薬・低化学肥料栽培の牧草を主食とした牛による牛乳生産、チーズ製造
遺伝子組み換え飼料や、ビタミン剤、肉骨粉等の補助飼料は不使用
所在地 北海道標津郡中標津町俵橋1689
TEL 01537-3-3986
FAX 01537-3-3697
チーズ作りで豊かな酪農文化の郷を 2004年1月15日号