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地域の利益はだれのもの
「景観利益認めず」 類似訴訟に衝撃
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20041028/lcl_____tko_____002.shtml
高層マンションによる「景観利益」の侵害という原告団の訴えを退けた二十七日の「国立マンション訴訟」判決は、同様の訴訟を抱える人たちに衝撃を与えた。「良好な景観は国民共通の利益」と認めながらも「地域住民の個別利益とは認められない」とした東京高裁判決。地域の利益を代表するのは誰なのか。地域住民は、司法の言葉に首をひねるばかりだ。
世田谷、目黒両区にまたがる都立大学跡地のマンション建設に反対する原告団事務局長の小川明雄さん(66)は「国立と同様に、周辺住民が高さを自主規制して良い街をつくってきた。高層マンションの建設はそれを食い物にするもので、違法であり不当だ。高層部分の撤去は当たり前の判断。高裁判決は間違っている」と失望を隠せない。
東武東上線ときわ台駅前のマンション(板橋区)の六−十一階の撤去を求めて東京地裁に提訴している「ときわ台まちづくり委員会」の斯波都代子代表も「国立は希望の星だっただけに残念。街には街のルールがあるのに、法律を厳密に適用して判断することには疑問だ」と不満顔だ。
一方、専門家の意見は分かれる。
「一審の撤去命令は否定されるかとも思ったが、まさか景観利益まで認めないとは…」と法政大の五十嵐敬喜教授(都市政策)は憤る。「日照権や景観権に社会全体で努力してきた頂点が一審判決。昭和三十年代に逆戻りした感じだ」
立教大の淡路剛久教授(民法・環境法)も「行政に任せればいいという判断で、形式論で一刀両断にしたような判決」と批判する。「企業跡地では用途地域など行政の規制が間に合わない場合もある。そこに業者が入り、高層マンションが虫食い的に建つことを、この判決では止めることはできない」と指摘する。
対して、マンション問題に詳しい小沢英明弁護士は「常識的な判断」と受け止める。「景観保護には裁判所の大岡裁きより、事前に街づくりのルールづくりを進める流れになる」と指摘した。
都内のマンション建設をめぐって住民とのトラブルを抱える大手開発業者の社員は「妥当な結果。一審判決の論理が通れば、マンション事業は立ち行かなくなる。お客さまには、この
判決結果をきちんと説明する」と胸をなで下ろした。