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二ツ井より白神山系を望む(秋田十條化成HPより) |
世界遺産に登録されている白神山地(青森、秋田両県)の土壌にすむ微生物に食品業界などから注目が集まっている。強い生命力や発酵力を備えているのが特徴で、6月には12業者が秋田県総合食品研究所と共同で「白神バイオ利用促進協議会」を設立、商品化の動きに弾みがついている。
同研究所は「白神山地は微生物がすみやすい落葉広葉樹林。外部からの侵入も常にある中で、生存競争は厳しく、勝ち残るための武器が備わった」と分析する。
商品化第1号は1998年に見つかった「白神こだま酵母」。マイナス80度でも死なない世界一の冷凍耐性を持ち、パンに適さないとされた国産小麦での製パンを可能にした発酵力を備える。
耐塩性もあり、みそ造りに応用されたほか、「生ごみを分解して肥料にできないか」とリサイクルメーカーから問い合わせも。
[8月20日16時14分更新]
■ 「白神こだま酵母」とは【秋田県農林水産部流通経済課】
【世界自然遺産“白神山地”】
白神山地とは、秋田と青森両県にまたがる標高1,000m級の山々の連なる急峻な山岳地帯の総称です。13万haにも及ぶ広大な地域の中心部には、世界最大級の原生的なブナ林の自然林が残されており、1993年12月に世界遺産として登録されました。
白神山地のブナ林には、多種多様な植物群落やそれと共存する多くの動物群、微生物等が生息しており、自然の生態系がありのままの姿で息づく貴重な遺伝資源の宝庫となっています。
【特許と商標】
秋田県総合食品研究所では、遺産指定地域内で採取した腐葉土から、有用野生酵母の分離・選抜に取り組み、優れた製パン特性を持つ酵母の選抜に成功しました。秋田県は県民の大切な財産として“白神こだま酵母”の名で商標を取得するとともに、特許も出願(特願平11-372313)しました。
“白神こだま酵母”は、従来のパン用酵母と比較し、冷凍耐性、乾燥耐性、発酵力等すべてにおいて、優れた製パン特性を有します。
【冷凍耐性】
−30℃以下で一年間冷凍した場合、100%の生存率(−20℃では86%)を示しました。同一方法により市販冷凍生地用酵母を−20℃、一カ月保存試験をした場合の生存率は60%です。
【乾燥耐性】
“白神こだま酵母”の乾燥酵母を冷蔵庫で一年間保存した際の生存率は95%を示しました。同一方法で市販ドライイーストより分離したドライイースト用酵母(ドライイースト用手法で培養した菌体)を保存した場合の生存率は79%です。
【発酵力】
無糖生地の場合、発酵4時間後においても発酵開始2時間後と同等の発酵力を、また低糖生地においては、発酵3時間後でも発酵開始1時間後と同等の発酵力が測定されました。
秋田県は県民の大切な財産“白神こだま酵母”の広範な普及を目指し、秋田県内の培養メーカーに使用の許諾をしました。
【販売先の制限】
秋田県は秋田十條化成(株)と“白神こだま酵母”の培養と販売に関する契約を締結しています。この中で、秋田県の財産である“白神こだま酵母”を大事に使っていただくため、酵母の販売先を「酵母の特性を理解し、また酵母の特性に対応しうる製造技術を有する者に限る」としています。
Welcome to 白神こだま酵母 Home Page(秋田県農林水産部流通経済課)
■ 「白神こだま酵母−白神の使者 野生パン酵母−」の特徴【秋田十條化成】
白神山地の厳しい自然の中から分離された「白神こだま酵母」は、これまでのパン酵母に見られない優れた特徴を持っています。
特に、今までのパン酵母では不向きとされていた国内産小麦でも製パンが可能です。
・ 発酵力が強く、仕込みから短時間で焼き上がります。
・ トレハロース含量が通常の酵母の4倍
・ 冷凍耐性に優れ、-80度でも生存
・ 乾燥耐性に優れ、1年後も生存
・ 国内産小麦との合性に優れ、グルテン含量の低い小麦でも製パン可能
● 冷凍耐性(-50度)
生存率(%) | 発酵力残存率(%) | |||
6ヵ月後 | 12ヵ月後 | 6ヵ月後 | 12ヵ月後 | |
白神こだま酵母 | 100 | 100 | 82 | 82 |
市販冷生地酵母 | 50〜60(1ヶ月) | ― |
● 乾燥耐性
生存率(%) | 発酵力残存率(%) | |||
6ヵ月後 | 12ヵ月後 | 6ヵ月後 | 12ヵ月後 | |
白神こだま酵母 | 97 | 95 | 82 | 82 |
市販乾燥酵母 | 86 | 79 | 82 | 75 |