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上円下方墳で国内最古、7世紀前半の築造 東京・府中市【朝日新聞】
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投稿者 エイドリアン 日時 2004 年 6 月 02 日 23:04:41:SoCnfA7pPD5s2
 

M87
国内最古の上円下方墳と分かった武蔵府
中熊野神社古墳=03年12月、東京都府
中市西府町2丁目で
CoreEx
武蔵府中熊野神社古墳の推
定復元図

 東京都府中市で昨年見つかった武蔵府中熊野神社古墳について、市教育委員会の委嘱する専門委員会が25日、同古墳が上円下方墳としては最古の7世紀前半の築造と確認した。近畿から地方へと伝わったとされる古墳文化の通説にも影響を与えそうだ。古墳内部の石室の保存状態が良好といい、市教委は国の史跡指定に申請する方針だ。

 3段重ねの構造を持つ上円下方墳で、2段重ねの方形部分は一辺約32メートルと同約23メートルで、円形部分は直径16メートル。これまで内部の横穴式石室や、周溝跡も確認された。

 発掘調査団(団長・坂詰秀一立正大教授)によると、横穴式石室は全長約8.7メートル。そのうち棺(ひつぎ)を収める玄室は長さ2.6メートル、幅2.8メートルで高さ約3メートルだった。玄室と外部とをつなぐ「羨道(せんどう)」との間に、さらに2室がタテに並ぶ計3室の構造となっているという。

 石室をつくる切り石には使われた工具の跡が残っており、「構築方法が非常によく分かる事例として貴重」(調査団)という。このほか、玄室と他の1室から、それぞれ50本を超す鉄くぎが出土した。くぎはいずれも長さ5〜6センチで、木棺の接合に使われていたとみられるという。

 同市教委は24日に発掘調査の検討委員会を開いて、「周辺の古墳の石室構造と比較した結果、築造された時代は7世紀前半」と結論づけた。

 全国でこれまでに上円下方墳と確認され、発掘調査された古墳は「石のカラト古墳」(奈良県)と「清水柳北1号墳」(静岡県)の2例だけ。造営はいずれも7世紀末から8世紀初頭の間とされる。

 検討委は「7世紀の関東地方を考える上で貴重な発見。石室などの保存状態も良好で、国内でも貴重な遺跡となることは間違いない」と、今後の調査に期待している。

 発掘調査は6月末まで続き、正確な石室図面の作製や、出土物の年代分析などを行う。市教委は同古墳を国の史跡指定に申請する方針。文化庁は調査の結果を受けて現地視察する予定だ。

[2004/05/25 14:52]

上円下方墳で国内最古、7世紀前半の築造 東京・府中市

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