現在地 HOME > 掲示板 > 地域8 > 248.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
国内最古の上円下方墳と分かった武蔵府 中熊野神社古墳=03年12月、東京都府 中市西府町2丁目で |
武蔵府中熊野神社古墳の推 定復元図 |
3段重ねの構造を持つ上円下方墳で、2段重ねの方形部分は一辺約32メートルと同約23メートルで、円形部分は直径16メートル。これまで内部の横穴式石室や、周溝跡も確認された。
発掘調査団(団長・坂詰秀一立正大教授)によると、横穴式石室は全長約8.7メートル。そのうち棺(ひつぎ)を収める玄室は長さ2.6メートル、幅2.8メートルで高さ約3メートルだった。玄室と外部とをつなぐ「羨道(せんどう)」との間に、さらに2室がタテに並ぶ計3室の構造となっているという。
石室をつくる切り石には使われた工具の跡が残っており、「構築方法が非常によく分かる事例として貴重」(調査団)という。このほか、玄室と他の1室から、それぞれ50本を超す鉄くぎが出土した。くぎはいずれも長さ5〜6センチで、木棺の接合に使われていたとみられるという。
同市教委は24日に発掘調査の検討委員会を開いて、「周辺の古墳の石室構造と比較した結果、築造された時代は7世紀前半」と結論づけた。
全国でこれまでに上円下方墳と確認され、発掘調査された古墳は「石のカラト古墳」(奈良県)と「清水柳北1号墳」(静岡県)の2例だけ。造営はいずれも7世紀末から8世紀初頭の間とされる。
検討委は「7世紀の関東地方を考える上で貴重な発見。石室などの保存状態も良好で、国内でも貴重な遺跡となることは間違いない」と、今後の調査に期待している。
発掘調査は6月末まで続き、正確な石室図面の作製や、出土物の年代分析などを行う。市教委は同古墳を国の史跡指定に申請する方針。文化庁は調査の結果を受けて現地視察する予定だ。
[2004/05/25 14:52]