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(回答先: 諫早緊急リポート・中、長期開門中止(長崎新聞4月29日) ― 新幹線も絡み合い・調査求める鹿島 投稿者 シジミ 日時 2004 年 6 月 02 日 07:31:07)
調整池から見た北部排水門。諫干事業の先行きは、なお予断を許さない
http://www.nagasaki-np.co.jp/press/isahaya/2004/kikaku1/03.html
「干拓農地での営農は農業の在り方をより良く変える上で絶好のチャンス」。国営諫早湾干拓事業地に隣接する北高森山町の水頭貞次さん(54)は、十数年前までノリ養殖をしていたが、湾奥部の閉め切りで農業に転じた一人だ。
当時、十アール当たり三百万円程度で求めた農地でイチゴのハウス栽培や稲作を営んでいる。同じ広さが七十万円台という干拓農地の価格も魅力に映っているという。
仲間と共同で営農できないか検討を始めた。代々土地が受け継がれる農業の在り方に疑問があった。複数の農家による法人組織で広大な土地を所有すれば、魅力ある農業の実現を目指せるのではないか。「若いやる気のある農家が育つ場にもなれば」。二〇〇六年度の完成予定まで二年を切り、新しい土地に熱い視線を送る農業者も現れ始めた。
営農計画で、県は土地利用に関し農家のニーズを把握する意向調査を今月で締め切り、本格的な分析に入る。二十八日には調整池環境の保全策を構築する委員会を国や地元市町とともに設置。事業完成をにらんだ各種の作業を進めている。
金子知事は営農について「環境に配慮し、広大な土地を有効活用した新しい時代の農業を今、研究中。いろんなアイデアが出ている。よく検討し計画を打ち出したい」と意欲を語る。
だが、事業の進ちょくにとって、先行きの“霧”は、まだ晴れたわけではない。
有明海沿岸の漁業者や市民が佐賀地裁に求めている工事差し止めの訴訟と仮処分のうち、仮処分は五月中にも判断が示される見通し。事業と有明海の環境変化との因果関係を調べる国の公害等調整委員会(公調委)の審議もある。申し立てた漁業者側は漁場被害の実態を訴えており、裁定の行方は注目を要する。
訴訟を支援する長崎の会の高村暎事務局長は「仮処分は、こちらのペースで進んでいる」と自信を隠さない。一方で中、長期開門調査については「調査実施は事実上、事業中止と同じ意味を持つと思う。国民世論の盛り上がりがあれば、農相の考えを変えさせられる」と、あくまで方針転換を迫る構えだ。
(この企画は報道部・森永玲、佐藤烈、諫早支局・三浦祐二、東京支社・大場泰造が担当しました)
2004年4月30日長崎新聞掲載