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地球上で最も生物種が豊かに生息する場所は、同時に生物の多様性が最も危機に瀕する場所でもあり、それらの多くは元来の植生の10%以下にまで減少しています。これらの地域は「ホットスポット」と呼ばれています。ホットスポットは、動植物の宝庫であるにもかかわらずその存続が最も脅かされている地域であり、現在世界の25地域が特定されています。CIは、このホットスポットを主要な活動対象の一つにすえて、生物多様性保全活動を行っています。
@熱帯アンデス、Aスンダランド、B地中海地域、Cマダガスカル島とインド洋諸島、Dインドとミャンマーの国境地域、Eカリブ海地域、Fブラジルの大西洋沿岸森林地域、Gフィリピン、H南アフリカ・ケープの植物相の豊かな地域、I中央アメリカ、Jブラジルのかん木草原地域、Kオーストラリア南西部、L中国南部と中部の山岳地域、Mポリネシアとミクロネシア、Nニューカレドニア、Oコロンビア・チョコとパナマ・ダリエン、西エクアドルをつなぐ緑の回廊、P西アフリカのギニア原生林地域、Qインドの西ガーツ山脈とスリランカ、R米国カリフォルニア州の植物相の豊かな地域、S南アフリカ・カルーの多肉植物の豊かな地域、(21)ニュージーランド、(22)中央チリ、(23)コーカサス地方、(24)ウォレス地域、(25)タンザニアからケニアのアーク山岳地域と海岸林地域
[注]緑色太字は、最重要ホットスポット
絶滅の危機に直面する生態系や種を保全するホットスポット・アプローチは、生物多様性に関する膨大な課題に地球規模で取り組むことを可能にするために、焦点を絞りやすくした戦略です。
イギリスの生物学者ノーマン・マイヤーズ(Norman Myers)博士は、優先的に保護すべき地域を特定するための方法として、1988年にホットスポットの概念を考案しました。以来CIは、マイヤーズ博士やその他の多くの学者の協力を得て、この研究をさらに進め、ホットスポットの最新情報を分析し続けてきました。
ホットスポットを決定する基準となるのが、固有性(ある特定の地域にのみ生息する種)と、危機的状況の度合いという2項目です。まず、植物の固有性がホットスポットの状況を探るための第一の判断基準となります。なぜなら植物は、太陽光から作り出したエネルギーを使って数多くの生命を支えているからです。そして、危機的状況の度合いは動植物の生息地の減少という観点から測られます。現在ホットスポットに指定された地域では、少なくとも本来の植生の70%が失われています。ホットスポットの中でも特に種の減少が進行している地域においては、実に90%以上の原種が姿を消してしまいました。
コンサベーションインターナショナルの理事長であり、「ホットスポット」の著者であるラッセル・A・ミッターマイヤー(Russell・A・Mittermeier)は次のように述べています。「今、人類が種の絶滅に直面しているからこそ、私たちは絶望するのでなく、速やかに保全のための行動に移るべきだと提案したいのです。ホットスポット・アプローチにより、最大の効果を挙げるための自然保護資金の優先的且つ重点的な活用ができるようになります。そうすることにより絶滅の危機という大きな問題が、取り組み可能なものになるのです。」