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(回答先: 請負教員:東京の2私立高、請負会社通じ教員業務委託 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 4 月 06 日 15:44:41)
「自分の将来に不安を感じた」。業務請負会社を通じて教員を雇っていた東京都内の私立高2校のうち、葛飾区の私立高に勤務している男性教員(32)が毎日新聞の取材に胸の内を語った。この高校では請負教員へ指示を出せるかどうかをめぐり、教員の間で混乱も起きていた。
男性教員は塾講師の職を求め、豊島区の業務請負会社に登録した。02年春、同社から「私立高の土曜講座を受け持ってほしい」と頼まれ、やがて能力を認められ、翌年度から正規の授業を受け持った。報酬は1時限(45分間)2500円。週17時限を割り当てられたが、学校の休み期間中は無給で、同じ時限数を受け持つ同校の直接雇用の非常勤講師に比べ、年収は3分の2に過ぎないという。
昨秋、学校側に「来年度は直接雇用してもらいたい」と申し入れた。しかし確約はされず、公共職業安定所(ハローワーク)に相談した。担当官の説明によると、今の就労形態では何年働いても直接雇用されず、「使い捨て」にされる可能性があることを知った。
派遣労働なら1年以上(今年3月から3年以上)継続して働く場合、正規雇用へ切り替えるよう努める法律上の義務が学校側に生じるが、請負には規制する法律がない。学校から直接の指示を受ければ労働者派遣法に基づく人材派遣にあたり、派遣契約でなければ違法になる可能性があることも「ハローワークで聞かされて初めて知った」という。
一方、同校では今年3月、別の請負教員をめぐり、トラブルが起きた。1年生の「倫理」の期末試験で、全10クラスのうち8クラスの平均点は50〜60点だったが、残る2クラスは90点超。問題を作ったのは、この2クラスを受け持つ請負教員だった。
請負教員は試験直前、出題内容とほぼ同じ練習問題を2クラスの生徒に出し、暗記させていた。他のクラスの生徒や教員から疑問の声が上がり、教科主任が請負教員に注意しようとした。しかし違法の可能性があるため、教頭は「直接指導するのはまずい」と教科主任を諭したという。
それまでこの請負教員は、授業のやり方などを教科主任らから直接指導されていたという。「請負教員とどう付き合えばいいのか。請負教員が問題を起こした時、誰が生徒に責任を負うのか」。同僚教員らは首をかしげる。【鮎川耕史】
▽教育評論家の尾木直樹さんの話 校長や主任の指示がきちっと伝わることは、学校の運営で最も大切なこと。直接指示することがまずい教員などは学校教育では本質的に成り立たない身分だ。
◇背景に規制緩和の流れ=解説
外部から雇い入れた請負教員が学校の正規授業や成績評価まで受け持つようになった背景には、近年の規制緩和の流れがある。
99年、労働者派遣法の改正で派遣労働の対象業務が原則自由化され、派遣契約に基づく教員の雇い入れが可能になった。派遣教員は、英語の外国人講師や受験向けの補習担当講師が主だが、正規授業をこなす例も少なくない。東京都私立学校教職員組合連合(東京私教連)の調べでは、昨年度に都内の私立高約10校で派遣教員が正規授業を担当している。ある人材派遣会社は約150の私立学校を取引先にしているとホームページに記している。
一方で、派遣労働には一定期間以上雇用すれば正規雇用へ切り替えるよう努力することが義務付けられ、学校にとって使いづらい面もある。学校側の「利便」に応えて、学習塾や人材派遣会社などがこうした規制のない講師業の請負に乗り出すケースが出てきている。
毎日新聞 2004年4月6日 15時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20040406k0000e040073000c.html