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東京都内の私立高2校が業務請負会社に業務委託して、正規の授業やテストの作成・採点などを、同社と契約した教員資格のある計22人に請け負わせていたことが分かった。学校にとっては低賃金で済むが、学校側と請負会社との間で労働者派遣契約がないまま校長や教科主任が直接、請負教員に指揮命令をすると労働者派遣法に違反する疑いがあり、混乱が起きたケースもある。生徒や親への説明もなく、全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)は「教育の場にそぐわない」として実態調査に乗り出した。
業務請負の形態で教員を雇っていたのは、東京都葛飾区の普通科私立高(生徒約800人、教員約80人)と、豊島区の普通科私立高(生徒約1300人、教員約60人)。
関係者によると、葛飾区の私立高は01年度から教員・塾講師のあっせんを主業務とする請負会社(豊島区)に委託し、国語、数学、理科、社会、英語担当の5人を「講師」として雇った。正規雇用の専任教諭並みの授業数を受け持ち、教科主任らの指示を受けてテストの作問や採点、生徒の成績評価もしていた。
請負教員が教科主任らから日常的に直接指示を受ける場合は人材派遣に当たり、請負会社と学校が労働者派遣契約を結んでいなければ違法の疑いがある。同校はこの契約ではなく業務委託契約にとどまっており、請負会社は国から派遣業の許可さえ得ていなかった。
請負教員の給与は担当時限数を基に決められ、「月収は専任教諭の7割程度」(同校教諭)でボーナスも出ない。
一方、豊島区の私立高は昨年4月、葛飾区のケースと同じ請負会社から計17人を5教科の教員として雇った。学校によると、新入生が予定の倍近くに増えたための措置。一部は都内の姉妹校と授業を掛け持ちしている。
複数の請負会社は教育専門紙やインターネット広告で教員を募集しており、全国私教連の谷正比呂委員長は「請負教員が増えている可能性が高い」と指摘している。
葛飾区の校長は毎日新聞の取材に「ノーコメント」と回答。豊島区の校長は「最近まで派遣との違いを知らなかったが、不明朗な部分があるとの指摘を受け、昨年度限りで打ち切った」と説明、請負会社は「答えることはない」と話している。
東京都私学行政課の話 教員を校長の指揮下に置くのは学校教育の大前提で、正規授業や成績評価を行う教員を、直接指示できない契約で雇うのは好ましくない。【鮎川耕史】
■ことば(業務請負) アウトソーシング業の一種。勤務先の指示に従う人材派遣と違い、業務終了まで請負会社が労働者を指揮命令する。規制する法律や監督官庁がないまま急速に拡大し、今年1月の厚生労働省調査では求人全体の28%に達している。
毎日新聞 2004年4月6日 15時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20040406k0000e040072000c.html