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(回答先: 年金の悲劇 老後の安心はなぜ消えたか 岩瀬達哉著 講談社 投稿者 なるほど 日時 2004 年 5 月 04 日 17:21:57)
2004/05/05
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「今週は食パンだけにしておこう。牛乳はしんぼうしなきゃ。こんなことになるんだったら年金かけとくんだった」。知人の老女がスーパーの食品棚の前でつぶやいた。彼女は亡き夫と経営していた紳士服店を今も守っている。戦後何十年間も好景気が続いてきたので、商売は繁盛し、年金をかける必要も感じなかったという。ところが、バブルが崩壊、出口の見えない不況となり、収入は激減した。今は食パンで食いつないでいるのだという。
上の話は一度紹介したことがあるが、庶民にとっては年金が老後の命綱であることを説明するため再び使わせて頂いた次第だ。
高齢となり収入がなくなった人たちにとって、年金は生活を支えるかけがえのないものだ。にもかかわらず預かる方に、そうした認識はないようだ。預かる方とは社会保険庁のことである。ポスターに使った女優が年金未納者であることが発覚し、3億円だか何億円だかを無駄使いした。笑い話しを通リ越して薄ら寒ささえ覚える。
国民の信頼を失ってしまった年金制度を改正(改悪)すべく、政府も国会も動くのだが、ここでも悲喜劇が起きる。年金未納の閣僚がいることが明らかになると、ここぞとばかりに最大野党党首が「こういう閣僚は辞任すべきだ」と勇ましく責め立てた。ところがこの党首も年金未納者だったのだ。
預かる社会保険庁、運用方法を決める永田町の先生、流用する役人は、いずれも国民から大事な資産を託されているという自覚に乏しい。そればかりか、食い潰しているのが実情だ。
年金を使って建てた官僚の天下り施設「グリーンピア」なんて可愛いものだ。以下ご説明しよう。
年金問題については当連載『こればもう政治家・官僚による詐欺、収奪だ!』で追及していることもあって、テレビ局のディレクター、記者諸氏が我々の所に取材に来る。はばかりながら、筆者はその度に講釈させて頂いていることがある。
「グリーンピアは絵になるし、読者・視聴者にもわかりやすいでしょうが、年金は目につかない所で大きく食い潰されているんですよ」と切り出す。そして本論に入る。「ウワバミのように年金を食い潰しているのは、特殊法人です。特殊法人の事業原資には、年金があてられているのですよ」と。
本四架橋を考えていただきたい。建設の際借り入れた元金どころか、毎年の利子さえ返せないありさまなのだ。91ある特殊法人のほとんどがこうして大なり小なり赤字を垂れ流している。正確な数字は明らかにされていないが、あるエコノミストの試算によれば百数十兆円が焦げ付いている、つまり回収不能になっているという。
いくら制度をいじったところで、この巨額な無駄使いがなくならない限り、年金生活者の命綱は細っていくばかりだ。
こうなったら年金を専門に見張る市民の機関を設けるか、「日本年金党」でも旗揚げして、政府や官庁に注意を促すしかない。
(竹内尚文)
http://www.janjan.jp/living/0405/0405043987/1.php