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(回答先: ゴルゴ13を読めば米金融帝国の崩壊がわかる 投稿者 TORA 日時 2004 年 5 月 01 日 17:57:33)
[3625]世界発信された迫真の『ゴルゴ13』のストーリー 投稿者:ワーカーズの直投稿日:2004/05/02(Sun) 06:26:42
http://www.soejima.to/
世界発信された迫真の『ゴルゴ13』のストーリー
読者は、さいとう・たかを氏の『ゴルゴ13』というマンガを知っているだろうか。
『ビッグコミック』の人気劇画『ゴルゴ13』(さいとう・たかを氏)が、日本国内外の金融関係者の間で、今話題となっているという。今年になってからの日本政府・日銀の「円売り・ドル買い」の為替介入が、今回のマンガのテーマになっており、フィクションとはいえ、非常なる「リアリティーがある」ストーリーと評判なのである。為替金融のプロをうならせる迫真のシナリオとは、一体どんなものであるのか。
この話題となった最新作のタイトルは『プライス・キーピング・オペレーション PKO』で、『ビッグコミック』(小学館刊行)三月一〇日号に前編が、三月二五号に、中編が掲載された。
物語は米大統領の苦悩から始まる。米大統領の苦悩とは、イラク戦争の戦後処理に手間取り、この間支持率を落としたことであり、その挽回のためには、産業界からはドル高政策の是正を求められるが、ドル安が進めば米経済を支えている海外マネーが逃げ出しかねないという、この二律背反した要請にある。そしてこれに応えるため、日本政府に対し、継続的な為替介入を誘導する…というのが、ストーリーの内容である。
現実においても、日本政府・日銀は、昨年初めから今年三月初旬までに、実に三三兆円もの「円売り・ドル買い」の介入を実施している。この金額は、過去最高だった九九年の七兆六千億円をはるかに上回る規模である。このため、財務省の溝口善兵衛財務官には、米経済誌が、皮肉っぽく「ミスター・ドル」なるニックネームを贈ったほどなのである。
今話題になっている『ゴルゴ13』は、いつもそうなのだが、今回もストーリー展開の中に、現実に実在する日米の高官をモデルとして登場させているのが魅力であり、そのため、国際問題に関心があるものにとっては、興味・関心も一段と深まるように作られている。まるで読者が禁断の秘密を知ったような気分にさせられるという魅力なのである。
今回も、実在するライス米大統領補佐官が「タイス補佐官」として、元財務次官で「金融当局のドン」とされた武藤敏郎日銀副総裁が「松岡・日銀副総裁」として登場している。
ここで、見せ場となる具体的なセリフを紹介しておこう。
「タイス補佐官:さしあたってのG7(先進7カ国財務省中央銀行総裁会議)は、どうするんですか?
ロープ顧問:G7は大事な選挙キャンペーンの場だ。中国と日本に通貨安定策を迫り、結果としてドル高政策の修正をにじませる。そうすれば産業界は大喜びさ。
タイス補佐官:産業界は大喜びでも、日本と中国は喜ばないでしょう? 潜在的な敵国である中国はまだしも、尻尾を振ってくれる日本はどうするの?
ロープ顧問:日本は、生かさず殺さずさ。今、米国債を買い支えているのは日本が為替介入で得たドルだ。介入資金はドル安(円高)が進まないと出てこない。つまり、アメリカの長期金利を安定させるためにには、適度なドル安状況を作ってやり、日本から継続的な為替介入を引き出さないとだめだという事だ。
タイス補佐官:そんなにうまくいくかしら。
ロープ顧問:何を言ってるんだ!! 君にとっては他人事じゃあないんだ、日本をしっかりグリップするのは君の仕事だぞっ!! き、君の真価が問われる時が来たのかもしれないな。それじゃあ先に失礼する」。
こうして場面が変わり、財務省の官僚と松岡副総裁とのやりとりが始まる。
最近、円売り介入が長い目で見て本当に必要な国策なのかという疑問が、広汎に議論されているが、『ゴルゴ13』でも「日本の国益を守るために必要な措置なんです」というアメリカの圧力に屈服した財務省官僚に対して、松岡副総裁が「国益だとっ!?どこの国の国益だっ!?」と声を荒らげ、「(ドル買いで購入する)米国債は持てば持つほど損をするが日本株を買った外国人投資家は大儲けじゃあないか!!介入資金は、結局税金なんだぞっ!!」と一喝する場面があり、日銀が嫌々為替介入している実情を明らかにしている。
このようにストーリーの中では、「円売り介入への微妙な思いを代弁する部分がある」こともあり、為替問題で、複雑な心境に陥る日銀関係者の間でも評判は悪くないという。
しかし、この点に関しては、読者のために若干の真実を告げておくべきところであろう。
現実には、この国益論議の立場でもって抵抗したのは、前日銀総裁の速水優氏であり、現総裁の福井俊彦氏は、保身のために為替介入を嫌々やっているのであり、実在する武藤敏郎副総裁にいたっては、財務省の意を体して日銀に乗り込み、生え抜きの日銀官僚に対して人事の大なたを振るうことで、日銀を屈服させるために闘っている人物なのである。この点は、為替介入問題の背景に関心があるすべての読者に暴露しておきたい。
三月二五日号に掲載された『ゴルゴ13』の『プライス・キーピング・オペレーション PKO』中編では、今年の為替介入をめぐつてのこの「松岡日銀副総裁」の発言は、「今年に入って二〇兆円も介入し、残高ベースではもう五兆円以上も損が出ている」というものである。この発言自体、真実を知るものから見れば、全く鼻白むセリフではないか。
少々脱線したので話を元に戻す。この迫真のマンガと短資会社のエコノミストが、『ゴルゴ13と外為特会外債売却』というリポートを出したのがきっかけとなって、テレビ東京系の『ワールドビジネスサテライト』で、格好の話題として取り上げられた他、「AP通信」、「ウォールストリート・ジャーナル」、「ダウ・ジョーンズ」も全世界に向けて配信した。こうした動きは予想外のもので、「最近、ここまでビビッドに反応があったことはなかった」と小学館の『ビッグコミック』担当編集者の西村直純氏も語るほどの大きな反響とはなったのである。
三月一八日の参院財政金融委でも、『ゴルゴ13』は話題として取り上げられ、谷垣禎一財務相自身「二〇年ぶりに『ゴルゴ13』を読んだ。今の立場を離れて読めば面白い」と感想を漏らしているのである。
それでは、一体なぜ、さいとう・たかを氏は、日本政府・日銀の為替介入をテーマにしたのか。こうした読者からの疑問に対して、西村氏は「今年は米大統領選があるので、国際経済を焦点としたものをやりたいと(脚本担当者らと)相談していた」と、さいとう・たかを氏の問題意識の鋭い点を説明してくれた。
そもそも『ゴルゴ13』の場合、五・六人の脚本家が、交互にマンガのストーリーを書いている。著名作家の船戸与一氏も、別のペンネームで、『ゴルゴ13』作品の四〇作ほどのシナリオを書いたというのは、マンガ業界ではよく知られるエピソードなのである。
今回話題となったこの迫真の脚本を担当したのは、四〇代の元銀行マンだとのこと。彼は「一〇年くらい脚本を担当している。現在はシンクタンクに勤め、会社にはナイショにしている」と西村氏は説明しているが、東京三菱銀行が誕生する二年前、「銀行の大合併が起きる」という話を書き、その時の『ゴルゴ13』も、現実をスクープしたものと話題になったことがある。
この『プライス・キーピング・オペレーション PKO』は、四月一〇日に後編が、『ビックコミック』に掲載される予定で、誰がゴルゴの標的にされるのかを含め、今後の展開が注目されるが、前出紹介の西村氏は「ホワイトハウスの権力闘争の話になり、ゴルゴ13がどうからむのかがポイントとなる。誰かを狙って終わりでなく、やや複雑な役回りを演じています」と話している。
話題となった『ゴルゴ13』の今回の作品については、私がよく読む『株式日記と経済展望』の主宰者がコメントをしているので、以下に引用する。
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu70.htm
「日本経済新聞を読んでも経済のことが分からないのは新聞記者たちの資質に問題があるわけですが、日本政府の官報化して独自取材の記事は一割にも満たしません。その一割も企業人事などのどうでもいい記事が多く役に立ちません。その点で雑誌などは売れなくなれば廃刊ですから、物議をかもすような記事もどんどん書かねばなりません。しかし信頼性に欠けるようです。
ビックコミックというマンガ雑誌に『ゴルゴ13』というマンガが連載されていますが、この方が国際為替金融の実態に近いことが書かれている。新聞やテレビなどでは円高を阻止するために円売りをしていると報道していますが、実態は下落するドルの買い支えなのだ。この事は何度も株式日記に書いてきました。いまやアメリカから雪崩を打ってドルがEUや円に還流しているわけですが、政府・日銀がやっている事は、為替投機筋を助けてやっているようなものだ。手持ちのドルをユーロや円に代えたくともユーロや円の売り手がいなければ買えません。ところが円に関してはバカな政府・日銀がいくらでも売ってくれる。為替投機筋は日銀に足を向けて眠れないだろう。
テレビや新聞などはそのような実態を明らかにしようとしないのは職務の怠慢がなせるもので、イギリスのFT紙などを見たほうがよくわかる。財務省や日銀もなかなか情報を公開しないので発表ものしか書けない記者は何も実態が分からないのだ。おそらく八〇兆円もの米国債の為替差損だけで一〇兆円規模の評価損を抱えているはずだ。ところが新聞はその事を問題にしようともしない。
『ゴルゴ13』によると政府・日銀が狂気の三一兆円介入をした裏には、天才的スナイパーを使って松岡日銀副総裁を脅迫しているためだとしている。アメリカのFRB議長や財務長官などは口では日本の為替介入はけしからんと言いながら、裏では脅迫的手段でドルの買い支えを指令しているとしている。日本が裏切ればアメリカ経済が壊滅的打撃を被るからだ」。
全くこの人のいう通りである。果たして、日本政府は、一体何をおそれているのであろうか。スナイパーをおそれているのだというのは、勿論冗談ではある。しかし、日経新聞より、『ゴルゴ13』の方がレベルが高いとは、本当に実に苦い真実なのである。
このことに関連して、時事通信社は、興味深いを配信しているので、以下に紹介して、この記事を終わる。この記事は、『ZAKZAK』三月二五日の記事を元に、若干の事実と解説を加味し、読者にわかりやすく構成し直したものである。(直)
【ワシントン25日時事】スノー米財務長官は25日、下院金融サービス委員会での証言で、日本や中国は米国債保有が自らの利益になるため投資を行っていると指摘し、「日中両国が米国債の保有を停止することはほとんどあり得ない」との認識を明らかにした。日中両国が米国債の保有を望まなくなるという「最悪のシナリオ」では、どういった事態が起きるかとの議員からの質問に答えた。[三月二六日七時二分更新]