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(回答先: 落日迫る構造改革派、風説の流布で馬脚を現す --- 構造改革とは日本の文革で竹中・木村剛は紅衛兵(株式日記と・・・) 投稿者 まさちゃん 日時 2004 年 4 月 15 日 16:34:04)
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/gzmgzm/article/02/14.html
ダイエー連結決算報告
http://www.daiei.co.jp/zaimu/
ウォルマート vs イトーヨーカ堂、ジャスコ(イオン)
ウォルマートが西友に資本参加したのが2002/3。そして「ウォルマート一号店」と騒がれているのは、西友の佐賀巨勢店。マスコミが騒ぐのは、それが仕事だからであって、我々は冷静に判断したい。
日本はウォルマートにとって11番目の進出国。ヨーロッパではイギリス、ドイツなど。アジアでもすでに中国や韓国に進出している。ちなみにインドネシアへはいったん進出したが、すでに撤退している。日本の市場規模と重要性を考えると、遅すぎた進出だと言える。また直接の進出でもなく、全面的な買収でもなく、資本参加という形を取ったことからみると、特に失敗例だったとされるドイツの反省を踏まえた戦略を取っていくものと推察される。
私はウォルマートを中心的に研究しているわけではない。一般の論調を見ると、ウォルマートの凄さを強調し、日本の流通業の未来はないかのように言うもの、逆に脅威ではないとするものがある。どちらも冷静さを欠いているように感じる。
ここで包括的な視点ではなく一つの視点から、しかし大事な視点から、ウォルマートと日本の流通業についての争点を見てみよう。
まず在庫回転率。ウォルマートの2002年の在庫回転率は7.79。この数字はターゲット、シアーズ、Kマートなどよりも高い。一方、イトーヨーカ堂は、23.1、ジャスコ(イオン)は12.8。こちらは2001/2決算。数値は「ウォルマート儲けの仕組み」(あさ出版)より引用させていただいた。
在庫回転率というのは、流通業にとって非常に重要な数値である。在庫回転率が約8というのは、一つの商品を仕入れてから販売して、またすぐに仕入れてとやって、一年に8回繰り返すということだ。在庫回転率が大きいと、資金が有効に回っているということになる。それにしてもイトーヨーカ堂の23.1というのは、物凄い数値である。
一方、経費すなわち販売管理費を見てみよう。ウォルマートは2002年で、販売管理費/売上高は16.6パーセント(「ウォルマート儲けの仕組み」のp197の数値より計算)。イトーヨーカ堂の2003/2決算では販売管理費/売上高は、26.6パーセント、ジャスコは、28.9パーセント。こちらは両社のホームページの決算書より計算した。
こちらも歴然たる差がある。経費の低さは、特に大衆に商品を販売する企業にとっては、競争上最も重要な指標であるといえる。サム・ウォルトンの「私のウォルマート商法」で、ウォルマートの驚異的成長の秘密は「経営陣と全従業員との間によきパートナーシップを築いたことである」(p213)と言っているが、私は経費の低さを第一に挙げたい。
ここで構図を単純化して、在庫回転率と経費率(販売管理比率)の戦いとみてみたらどうだろうか。しかしこの数字だけでは、どちらが優位とは簡単には言えない。だがウォルマートは敵地に進出して戦うのであって、経費率の低さを生かすことができない。日本の法律、土地の高さ、立地条件、流通機構などなど。アメリカにおける経費率を実現できるとは到底思えない。
私はウォルマートの経営陣の心が読めるわけではないので断言は憚られるが、日本進出に当たって、経費率は高いが、在庫回転率の高い経営をしている日本の流通業と敵地で直接に競争するのは、非常に不利だと判断したのではないか。西友への出資という形をとったのは、このような理由があったのではないか。
しかしウォルマートには、どこにも負けない資金力がある。そして長期にわたって体制を改善していく執念がある。これを長期にわたって推進していく資金力がある。これが日本に進出したウォルマートの最も恐るべきところではないか。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。