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三菱自動車の経営再建策づくりが大詰めを迎えている。筆頭株主の独ダイムラー・クライスラーと、主要株主の三菱重工業、三菱商事、東京三菱銀行は5日までの調整で、最大5000億円規模と見られる支援について、ダイムラーが主導的役割を担い、三菱グループが支えることで大筋合意した。
ただ、再建計画に盛り込むリストラ策や支援金額、債務の株式化などを含む負担方法についてはなお、主張に隔たりがあり、ぎりぎりの交渉が続いている。
ダイムラーのユルゲン・シュレンプ社長にとって、三菱自の経営再建は自らの戦略の「成否」を問われる案件で、今のところ沈黙を守っている。先週末には独有力誌が、ダイムラーは三菱自の再建に7000億円規模の増資が必要と見ているなどと報じており、ベルリンで7日に開かれるダイムラーの株主総会での説明ぶりが注目されている。
シュレンプ社長は、1998年11月の米クライスラーとの「世紀の合併」に続き、三菱自の傘下入りを指揮した。しかし、2003年12月期にクライスラー部門の営業利益が約5億ユーロ(約630億円)の赤字に再転落し、三菱自の3月期連結決算も1050億円の営業赤字の見通しだ。
シュレンプ社長は2008年まで取締役会会長を務めることが決まっているが、クライスラーと三菱自の再建が軌道に乗らないと、世界戦略の失敗を問われ、地位も揺らぎかねない。
このため、シュレンプ社長は、信頼が厚いダイムラー乗用車部門のアンドレアス・レンシュラー副社長を三菱自に送り込み、大胆な再建策作りを命じており、三菱自は大規模なリストラを迫られる可能性が高い。
一方、支援をめぐるもう一つの柱となる三菱グループからは、一向に経営が上向かない三菱自の経営陣に対する不満がくすぶる。
三菱グループ10社は、2003年1月に三菱自のトラック・バス部門を分社した三菱ふそうトラック・バスの株式15%を約320億円で取得する支援を実施した。しかし、三菱自の有利子負債が約1兆1000億円と連結売上高の半分近くに達する「借金体質」や、人気車不在による販売不振は相変わらずで、急速な業績回復は難しい状況だからだ。
ただ、「東南アジアでの三菱自のブランド力は、トヨタ自動車をしのぐ」(自動車業界関係者)と言われ、三菱商事は中国市場をにらみ、将来の自動車事業の取引拡大につながると期待する。三菱重工も、三菱自との年間取引が約500億円あるほか、三菱自が自社から分かれた企業ということもあり、応分の負担はやむを得ないとの姿勢だ。
東京三菱銀を含む、主要3社は、出資比率の高い三菱重工に配慮して、増資の負担割合を出資比率ではなく3社均等割で足並みをそろえた。その代わり、三菱重工からは三菱自の会長を派遣することで責任を明確にする方向だ。とはいえ、3社が出資要請する予定の三菱グループ各社は、「出資してもメリットがない。株主への説明責任が果たせない」(ある三菱グループ企業の首脳)など消極的で、三菱自の再建策を巡っては「鉄の結束」を誇ったグループに、ほころびも見える。
(2004/4/6/02:34 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20040405ib24.htm