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(回答先: 日本、皮革で譲歩＝業界は競争激化懸念−日墨ＦＴＡ ［時事通信］【これが国内に与える最大の影響かも】 投稿者 あっしら 日時 2004 年 3 月 13 日 14:14:51)
【記者：伊藤辰雄】
３月13日（ブルームバーグ）：日本とメキシコの自由貿易協定（ＦＴＡ）交渉は12日夜、ようやく実質合意に漕ぎ着けた。今回の合意で、現在進めているアジア各国との交渉に好影響が期待される半面、課題も露呈した。なかでもネックは農業分野。日本が譲歩を小出しにした結果、交渉が長引いてしまった側面は否めない。
ともに農業大国である米国と豪州は２月上旬、交渉開始から１年も経たないうちにＦＴＡに合意した。豪州が求めていた米国への砂糖などの輸出の自由化は棚上げされたものの、両国首脳の政治決断で決着した。これに対し、日墨ＦＴＡは交渉開始の02年11月からおよそ１年４カ月かかった。
この点について中川昭一経済産業相は12日深夜の会見で、国名への言及を避けたうえで、交渉に「５年も６年もかかったものもある」と指摘、「結果良ければすべて良し」と述べ、合意に至った成果をことさら強調した。
問題の１つだったオレンジジュースについては、税率を現行の半分にし、輸入量を５年後に6500トンにすることで合意。物別れに終わった昨年10月の閣僚協議では日本側は、５年後1000トンとする案を提示し、メキシコは１万トンと要求水準を上げたため、物別れに終わった。
対日輸出実績がないことで日本側が自由化に難色をしていた牛肉・鶏肉・オレンジ果実についても日本側は、当初１?２年間、最大10トンの無関税枠を設けることになった。結果的には日本側が大幅譲歩した形だ。
日本総合研究所調査部の高橋進理事は、「メキシコの場合は、日本は攻めを受ける立場にあった。ＦＴＡ未締結により市場喪失という危機感が働いた」と指摘する。日本とメキシコがＦＴＡを締結していないため、日本企業は公共事業入札などから除外され、年間約4000億円のビジネス上の利益喪失が出ていると日本経団連などが試算。経済界は不満を募らせていた。
また、日本からの完成車のメキシコ輸出にかかる関税は昨年まで20?30％だった（現地に工場がある日産、ホンダ、トヨタは関税ゼロ）のが、今年１月からは、 50％に引き上げられ、現地進出していないマツダ、富士重工などにとっては、事実上輸出は不可能となっていた。こうした日本企業の利益喪失を認識していたメキシコ側は、日本が最終的には農業分野で譲歩せざるを得ないと足元を見ていた節もある。
本丸のアジア
高橋氏は、「日本はアジアを新たな成長のフロンティアにしていく必要がある。日本の対米依存度を是正するためアジアとの共存が重要な課題であり、そのツールとなるのがＦＴＡだ。その時、再び問題になるのが農業問題だろう」と予測する。そのうえで同部長は、「メキシコとの間でみられた農産物交渉で『条件闘争』のような形で、アジア各国との交渉でも進められてしまう懸念がある」と指摘する。
現在ＦＴＡ交渉を進めているタイ、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ各国との間では、農産物の交渉のハードルはメキシコ以上に高い。中国は、02年11 月の中国・ＡＳＥＡＮ首脳会議で10年以内にＦＴＡを含む「包括的経済協力枠組み協定」に署名し、今年６月末には締結、2010年までにＦＴＡ創設を予定している。農産物についても早期に関税を引き下げる。
これに対し日本は、03年10月にＡＳＥＡＮとの経済連携の枠組みに合意、署名し、2012年までに完了を目指す。05年初めから政府間交渉を開始する予定で、中国の後を追う形となっている。日本が個別の農産物の扱いについて国内調整に時間がかかり、全体の交渉がまとまらなければ、中国との差は開くばかりだ。
高橋氏は、「アジアとのＦＴＡ交渉では個別の条件闘争ではなく、農業全体の開放が重要だ」と指摘する。またウルグアイラウンドの農業対策では、国内農業を保護するため単に「お金をはり付けた」ため、競争力は強化されなかったことを挙げ、「今後は農業全体の競争力の強化や農産物の内外価格差を是正するようなお金の使われ方が重要だ。農業の開放と競争力強化を同時にしていかなければならない」と強調する。
更新日時 : 2004/03/13 10:37 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/commentary.html
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。