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知らなかったBSE:/上 全頭検査の神話 異常プリオン、高齢牛ほど蓄積[毎日新聞]
http://www.asyura2.com/0403/gm10/msg/652.html
投稿者 feel 日時 2005 年 5 月 01 日 02:21:02: /berAdga6DXu.
 

知らなかったBSE:
/上 全頭検査の神話 異常プリオン、高齢牛ほど蓄積
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/news/20050421ddm013100132000c.html

 BSE(牛海綿状脳症)問題で牛肉の安全性をめぐる議論が続いている。「日本は全頭検査だから安全」といわれているが、本当なのか。米国産牛肉の輸入再開に向けた動きが本格化する中、知っているようで知らない牛肉の安全、安心を考えてみた。【小島正美】

 ◇高齢牛ほど蓄積−−異常プリオン、微量だと検出できず

 ここに、BSEの検査をしていない18カ月の牛の肉と、検査済みの36カ月の牛の肉がある。脳や脊髄(せきずい)など危険部位は除去してあるが、両方ともBSEに感染している可能性がある。あなたはどちらを食べますか−−。

 BSE問題の著書もある医薬品医療機器総合機構(東京都)の池田正行・主任専門員(神経内科専門医)は、「もちろん、検査していない18カ月の牛肉を食べます。BSEの原因となる異常プリオンたんぱくの蓄積量は、高齢牛の方が多いからです」と話す。

 池田さんはBSEが猛威を振るった90年代に英国に留学し、英国の事情に詳しい。

 英国では100万頭前後のBSE感染牛が食卓に流れたといわれる。その結果、変異型クロイツフェルトヤコブ病の患者が153人発生した。これに対し、日本の感染牛は現在までに17頭。英国に滞在経験のある男性1人に同ヤコブ病患者が出た。

 ところが不思議なことに、英国の食肉処理場では、全頭検査どころか、BSEの検査を全くしていない。多額の検査料を費やして全頭検査をしている日本から見れば、英国人は愚かなのだろうか。

 実は、全頭検査といっても、BSEの原因となる異常プリオンが脳内にごくわずかしか蓄積していない場合や、脊髄、小腸の一部である回腸など脳以外に存在するときは、検出することができない=イラスト。現在の検査は、脳内の延髄に蓄積した異常プリオンのみを測る方法で行われているからだ。

 このため、西欧では安全性の確保は危険部位の除去で対処し、検査は感染牛の発生状況を知るために実施するという体制ができあがった。英国では、異常プリオンが存在する脳、脊髄、回腸、扁桃(へんとう)などの危険部位を除去し、月齢30カ月以下の牛だけを食べている。

 ◇「危険部位除去の徹底を」−−「合格品」でも感染の可能性

 スーパーなどで売られている牛肉に「BSE検査合格品」と表示されたシールを時々見かける。しかし、「合格」のシールが張られていても、その牛が感染していなかったということではない。

 BSE対策の国際基準などに詳しい小澤義博・元国際獣疫事務局科学最高顧問は「日本では“検査”が強調され過ぎた。危険部位の除去の徹底の方が重要なのに、検査イコール安全の誤解が生じてしまった」という。日本でも危険部位は除去されているが、検査の意味と限界を政府は国民に説明すべきだと小澤さんは語る。

 内閣府食品安全委員会のプリオン専門調査会は3月下旬、20カ月以下の牛を検査から外しても、人への感染リスクは事実上変わらないとする見解をまとめた。

毎日新聞 2005年4月21日 東京朝刊

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