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(回答先: 米牛肉で外圧 どうする食品安全委 ─ (東京新聞) 核心 投稿者 天木ファン 日時 2005 年 3 月 18 日 09:16:05)
米国産牛肉輸入 再開強要は米国にも益がない
米国産牛肉の輸入再開問題について小泉純一郎首相は、訪日したライス米国務長官に輸入再開期日を確約できない理由を説明して理解を求めた。今回の問題では、食の安全を守る日本のシステムを米国に理解してもらうしかない。むしろ米国には、今後、食品安全委員会が米国産牛肉のリスク評価を行う際に全面的な協力を要請したい。
米国産牛肉の輸入再開問題は、日米の通商問題ではなく日本人の食の安全の問題である。かつての日米自動車摩擦や半導体摩擦のように、政治的な着地点をさぐる問題とは根本的に異なる。
日本政府には、日本人の食の安全を守る義務がある。にもかかわらず、国内でのBSE(牛海綿状脳症)の発生を許して、農水省や厚生労働省は国民の信頼を失った。その反省から、専門の科学者から成る食品安全委員会がリスクを評価し、行政は食品安全委員会のリスク評価に基づいてリスクを管理するシステムが発足した。
食品安全委員会のリスク評価が出なければ行政は先に進めない。そして食品安全委員会は、現在の全頭検査を見直して20カ月以下の牛を検査から除外する方向で大筋合意している。食品安全委員会のリスク評価が出れば、評価に基づいて行政のリスク管理が見直され、輸入牛肉のリスク評価に移る。
その際に不可欠なのが、米国側のデータだ。先月開かれた農水省と厚労省の専門家会合でも、米国から提供されたデータについて追加的検証が必要としている。日本に米国産牛肉の早期輸入再開を求めるのであれば、日本側のリスク評価が効率的に行われるよう協力してほしい。
日本は米国産牛肉の輸入再開を先送りしているわけではない。BSEの失敗に学んだ科学的リスク評価・管理の手順を着実に進めている。その進行速度に問題はあるかもしれないが、手順を省力したり、ゆがめたりしてはならない問題である。日本の関係部局は、こうした日本の事情を米国に十分説明してこなかったのではないか。
先進国において農業は常に政治的に敏感な分野である。農業団体や政治家が行政に圧力を加えることは、日本の農政を見ても理解できる。しかし、今回の問題は農業を超えて国民の生命にかかわる食の安全の問題である。米国の政治家や行政官が、いくら米国産牛肉は安全だと主張しても、米国の政治家や行政官は日本人の食の安全に責任を負う立場にはない。
もし今回、小泉首相が食品安全委員会の作業に干渉するような行動に出ていたら、事態は米国の予想を超えて悪化していただろう。食品安全委員会の中立性に対する信頼は失われ、私たちはBSE発生以前のリスク管理不在の状態に逆戻りしかねなかった。
また、政治的圧力で日本市場の扉をこじ開けた米国の畜産業界は、日本の消費者の強い怒りと不信に直面しただろう。米国産牛肉を購入するのは政府ではなく消費者だ。輸入再開強要は米国畜産業界にとっても利益にはならない。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050320k0000m070112000c.html
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