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(回答先: BSE問題:肉質と月齢、「科学的検証は不十分」と批判も─「毎日新聞」 投稿者 天木ファン 日時 2005 年 2 月 09 日 10:19:23)
米国が主張する牛の「成熟度」による月齢判別法は曖昧(あいまい)さが拭(ぬぐ)いきれない。農林水産、厚生労働両省の検討会がこの判別法を認めたのは早計だ。もっと正確な検証を米国側に求めるべきである。
専門家が太鼓判を押しても、どこか不自然なものを感じてしまう。牛肉や骨の成熟度を使った牛の月齢判別法はその一つだろう。農水、厚労両省の検討会が八日、この判別法で月齢二十一カ月以上の牛肉を取り除くことが可能とする報告書をまとめたが、果たして消費者の納得が得られるのか。
二〇〇三年十二月に米国で牛海綿状脳症(BSE)感染牛が見つかって以来、米国産牛肉の輸入が途絶えている。その再開条件として昨年十月の日米協議では、輸入対象を月齢二十カ月以下が証明された牛肉に限定することなどが合意された。
米国では日本のように、牛肉の個体識別情報管理システムが完備しておらず、生産記録などで月齢を把握できる牛は5%にすぎない。成熟度による月齢判別法は、これを補うものとして米国が強く主張してきた。
だが、成熟度の識別はもともと牛肉の商品価値を決めるために米国で発達した方法であり、月齢判別が目的ではない。曖昧さが払拭(ふっしょく)し切れないのはこのためといっていい。
報告書は、この方法を実際に用いる場合、追加的検証または実施後の追跡調査が必要と条件を付けながら、その実行は「行政の判断」(検討会座長)と逃げている。
いまの時点で不完全さを認めているなら、それを先に解消すべきだ。具体的には今回提供されたデータより統計学的に確かな「実験計画法」に基づいたデータを米国に求め、これをもとに検討し、導入の是非を最終判断しても遅くはないはずだ。
成熟度の判断は米国の「格付け検査官」によって行われる。研修を受けたといっても個人差が当然ある。それでも正確な月齢判別ができることが将来にわたってどう保証されるのかが不明だ。日本側が独自に検証する体制をつくる用意があるのか。
これらの点をおろそかにしては、何が何でも輸入再開にこぎつけようとしていると受け止められても仕方がないだろう。
日本側が月齢二十カ月での線引きを容認したのは、現在の病原体検査法にはその付近に「検出限界」があり、それより若い牛に蓄積される病原体はごく微量とみられるからだ。 だが、これでも国民の理解はまだ十分に得られていない。まして生産記録のような明快さのない成熟度による月齢判別法を導入するなら、一層の慎重さが求められる。
http://www.tokyo-np.co.jp/sha/
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