現在地 HOME > 掲示板 > 原発 劣化ウラン フッ素2 > 581.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
核燃料サイクル開発機構(核燃機構)が、高レベル放射性廃棄物の地層処分地選定調査に関する文書の一部を開示しなかったのは違法として、岐阜県の市民団体代表が不開示処分の取り消しを求めた訴訟の差し戻し審で、名古屋地裁は17日、処分を取り消した。中村直文裁判長は「事業の適正な遂行に支障を及ぼす恐れがあるとは認められない」と認定した。
差し戻し審では不開示理由が妥当かどうかが争われた。核燃機構は「開示すれば事業遂行に支障がある」と主張したが、判決は情報公開の必要性を重視した。今後の原子力関連事業の進め方に影響を及ぼしそうだ。
中村裁判長は「事業に支障が生じるとすれば、業務内容などについての説明不足が原因であり、本件の開示は理由にならない」と判断。その上で「国民の理解を得ることが困難との理由で非開示とすることは許されず、法人としての説明責任の放棄に等しい」と述べ、非開示とした核燃機構側の対応を厳しく批判した。
訴えていたのは市民団体「放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜」代表の兼松秀代さん。兼松さんは02年11月、独立行政法人情報公開法に基づき、核燃機構の前身の旧動力炉・核燃料開発事業団が86〜88年度に実施した地層処分地選定調査の結果をまとめた文書の開示を請求した。核燃機構は「事業の適正な遂行に支障を及ぼす」として、市町村や河川など地名に関する多数の個所を伏せて開示した。
名古屋地裁は昨年5月、核燃機構の処分通知の表現について「開示部分と不開示部分の区別が十分でなく抽象的」と述べ、理由の是非は判断せずに不開示処分を取り消した。名古屋高裁は今年1月、「概念で不開示部分を特定する場合、抽象的にならざるを得ない。同機構の通知書では十分に不開示部分が特定されている」と1審を覆し、不開示理由の是非に関し実質的審理をすべきだと同地裁に差し戻していた。
差し戻し審で核燃機構側は、調査を報道した新聞などを証拠として提出し、「誤った情報が広まることで、高レベル放射性廃棄物の中間貯蔵施設建設に影響が生じる」と主張。原告側は「不開示情報は中間貯蔵施設建設に関係なく、影響はない」と反論していた。
【加藤潔】
■ことば(高レベル放射性廃棄物) 原発の使用済み核燃料からプルトニウムやウランを抽出した後に残る廃棄物。ガラスで固めて金属製の容器に封入し、地下300メートルより深い場所で保管する方針で、現在、処分場の選定が進められている。処分場には、放射性物質が外部に漏れ出さないよう、地震を起こす断層がないなど安定した地層であることが求められる。
毎日新聞 2004年12月17日 15時24分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/news/20041217k0000e040095000c.html
http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/science/