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美浜原発事故で福井県警が強制捜査、配管切り出し着手
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040902i203.htm
11人が死傷した福井県美浜町の関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故で、県警捜査本部(敦賀署)は2日、破損した2次系復水配管を押収するため、配管の切り出し作業を開始、業務上過失致死傷容疑で強制捜査に着手した。
県警は破損のメカニズムの解明を急ぐとともに、関係個所を捜索し、国内の原発史上最悪の事故の立件に向け、捜査を進める。
調べでは、切り出し作業は数日かかる見通しで、終了後は日本原子力研究所東海研究所(茨城県)に運び、福井大工学部の専門家らが鑑定する。
破損部分は、オリフィス(流量測定器)下流部にあり、電力各社の作成した管理指針で、配管内の肉厚が削られる「減肉摩耗」が起きやすいと指摘されていた。事故後、国の原子力安全・保安院などの調査で、約13年前に寿命に達し、当初10ミリあった肉厚が最も薄い個所で0・6ミリまで摩耗していたことが判明した。
(2004/9/2/12:30 読売新聞 無断転載禁止)
常識的に考えて、証拠物件を「押収」したからといって、それを専門的に分析するために必要な金属工学、流体工学、材料力学、コンピュータシミュレーションなどの専門家が、福井県警敦賀署にいるはずがない。もとよりこれは、福井県警の問題というより、日本の警察・司法のシステムが、複雑な技術系システムの事故に対応できる能力を全く持たず、個人を対象とした刑事事件の立件にしか機能を持たないためである。この制約のために、結局のところ実務担当者や、下級管理職が槍玉に挙げられやすい―─最後に触った人が責任者―─が繰り返される。
押収主義が、現状保存にさえ役立たない例もあった。2000年3月8日の、営団地下鉄日比谷線・中目黒駅付近での列車脱線衝突事故では、警察がレールを取り外して「押収」してしまったため、原因の解明にきわめて重要な意味を持つはずの、レールの取り付け状況が調査不能になった。今回の美浜事故においても、該当する箇所だけ切り出してしまったら、その作業自体によって「証拠物件」の変状が生じるおそれがあるとともに、全体のシステムとして解明不能になる部分が出ることも考えられる。
さらに関連した問題として、調査すべき対象が警察に押収されてしまうと、ほんらい調査にかかわるべき専門家すら、手を触れられない状態になる。その一方で、警察の捜査は、被疑者を有罪にするために想定したシナリオに合う「証拠」だけを重視し、それに従った供述を求めるという方向に陥りやすく、真の原因究明とは隔たった結果を招く。これも、過去の鉄道や航空機の事故の際にたびたび指摘され、被害者の強い不満を招いてきた。同時に、ある事故の教訓から、同種の事故を未然に防止するために迅速なアクションを起こすという、最も大切な活動も妨げられるのである。
ここで参考となる市民運動として、1991年5月14日に発生した、信楽高原鉄道の衝突事故の被害者らが設立した「鉄道安全推進会議http://www.tasksafety.org/index.htm」がある。これは、警察や担当官庁に依存した閉鎖的な調査体制でなく、利害関係のない第三者による、専門的かつ透明性のある調査体制の確立を求める運動である。まだ要求を十分に満たしてはいないものの、この「鉄道安全推進会議」活動により、2001年から「航空・鉄道事故調査委員会」が発足することになった。すべての技術系システムに対して、こうした体制が整備されるべきである。
(上岡直見)