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三菱重工業は少ないエネルギーで元素の種類を変える技術の開発に着手した。元素変換には原子炉や加速器を用いるなど膨大なエネルギーが必要とされてきたが、常圧、セ氏七十度の条件下で元素の変換を確認。放射性廃棄物の無害化や新エネルギーなど幅広い用途に利用できる可能性が広がるとみて、国内外の研究機関との連携にも力を入れる。
パラジウム金属膜の表面にセシウムを付着させ、その膜に重水素を透過させたところ、セシウムがプラセオジウムに変わった。約五十回の実験で元素変換を確認した。
プラセオジウムは希少物質の一つで、「外部から混入したり、実験機の成分が溶け出した可能性などはない」(同社先端技術研究センターの岩村康弘主席研究員)としている。
ストロンチウムという物質がモリブデンに変わる現象も確認済み。同社は確認した現象に関するデータ収集を二〇〇〇年から続けてきたが、このほどリチウムやカーボンなど他の物質にも対象を広げて確認作業を開始した。元素が変わる仕組みを解明し、変換技術の開発につなげる。
同社は元素変換が自由にできるようになれば、有害物質の無害化や新エネルギーとしての活用などで事業化の道が開けるとみている。
使用済み核燃料を再処理した後に残る高レベル放射性廃棄物には二百万年以上にわたり放射線を出し続ける物質が含まれる。核燃料サイクル開発機構は加速器で高速中性子を照射して廃棄物を消滅処理する技術を検討しているが、コストが高すぎて採算が合わない。元素変換技術が実用化できればこの問題を解決できる可能性がある。
化石燃料に代わる新たなエネルギー源としての利用にもつながる。二・五センチメートル四方のパラジウム金属板を使ってセシウムをプラセオジウムに変えた実験では、元素変換時に二・二ミリワットのエネルギーを発していた。一原子あたりのエネルギー量は原子炉の四分の一という高水準で「うまく制御できれば新たな発電システムとしても使える」(岩村主席研究員)。
同社は二〇〇二年に論文を発表。米国防総省系研究機関のNRL、イタリアでは国立核物理研究所、日本でも東大、阪大などがこの発見を重視し、再現実験に取りかかっている。
【図・写真】三菱重工業の元素変換実験装置
[3月29日]
http://job.nikkei.co.jp/contents/news/inews/nt21auto010/008.html