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(回答先: やっぱり貿易黒字も日本負担になってるんでしょうね。 投稿者 オニオン 日時 2004 年 7 月 20 日 23:49:19)
オニオンさん、どうもです。
お気遣いありがとうございます。
>>企業の直接投資収益が、進出先で生産した財を日本に輸出して得た利益を基にして
>>いるのなら、日本から流出した貨幣的富が再び日本に還流しただけになります。
>この事に関してはそうとは限らないのではないですか。
>この例の場合だと、所得収支で得た収入は確かに日本に源泉があるかもしれませんが、
>その分貿易収支の項目でも支出の覧に入れられるので、貿易収支と所得収支を合わせ
>た経常収支でみて黒字になっているのなら問題ないと思います。
“産業空洞化”につながる問題であり、問題がないとは言えません。
米国経済の苦境とりわけ国民生活の悪化は、企業が賃金の安い国に製造拠点を移し、利益の拡大を図ったことが主要な原因です。
貿易収支黒字を稼ぐもとである輸出財に限らず国内で生産する財は、その財を製造するための人件費(原材料の生産に関わる人件費も含む)が国内で支払われていることが重要です。
一方、海外の直接投資から得られる所得は、そのもとになる利益を上げるための生産活動の人件費が国内では支出されません。そうであっても、その利益が、対日輸出でなく製造拠点の市場や日本以外への輸出であれば、所得収支の純増と言うことができます。
しかし、日本企業の海外製造子会社からの配当で得る所得収支黒字が日本向け輸出によって達成されているのなら、他の財を製造するために支払われた人件費がその財の購入のために支払われたことを意味します。
輸入全般について同じことが言えますが、米国企業が日本に対して行うのと日本企業が日本に対して行うのとでは意味が違います。
なぜなら、日本企業が外国で製造しているのなら、コストで割高であっても日本で製造できるからです。
貿易収支が黒字のあいだは底流として進んでいる“産業空洞化”になかなか気づかず、所得収支の黒字増加を喜ばしいことだと考えてしまいがちですが、日本企業が日本の貿易収支を赤字化させてしまう道を歩んでいることを深刻に考えるべきだと思っています。
また、外国から投資収益は、現状の日本経済であれば、ほとんど国内の需要として使われないという問題もあります。
それが、対日輸出から得た利益を源泉にしているものなら、日本のGDPを縮小させる方向に働きます。
【オニオンさん】
「 日米共に国債を介してお金を20兆円分発行しそれを交換する。一見等価交換ですが、政治的な理由により日本だけはお金を使えない。よって米国は丸々20兆円をただで手に入れたも同じになる(ついでに両国の中央銀行共に国債の利払いも期待しているのかも知れませんね。本とえげつないなあ;苦笑)。
こうして米国が手に入れた円の一部が日本の貿易黒字のなかにも含まれていると。こうなると本当に黒字と考えていいのか、上の金融取引でババ掴まされた時点で本来なら所得収支はマイナスになり少なくとも経常収支では貿易と所得で打ち消しあっているような、、、、(何だかなあ)
果たしてこの貿易(経常)黒字は本当に利潤といえるのか。やはりこの辺りは大局的には件の「“擬似的利潤発生”要因」に含まれるのでしょうか。
実はこの辺の内容が貿易黒字のみが利潤の源泉であるという説の呑み込みを妨ぐ棘の一つとなっております。」
日本政府が米国に資金を融通し、それにより日本企業が輸出を維持し利益も確保するというのは、あまりにもグロテスクで破廉恥な経済政策だと思っています。
そうでありながらも、上述の日本企業による対日輸出から得た利益の移転と違って、日本の産業活動そして国民生活を支えていることも事実です。
グロテスクで破廉恥な経済政策はいつまでも続くわけがありませんから、政治的経済的理由でそのような政策を続けるとしても、“その時”に備えた対応を今の段階から行う必要があります。
奇妙奇天烈な構造とはいえ、現在の貿易収支黒字は「“擬似的利潤発生”要因」によるものではなく、政治が作り出した正規の利潤と考えていいと思っています。
(管理通貨制・政府為替介入・政府借り入れといった制度をどぎつく活用した禁じ手であることは確かです。対米関係であれほどあやしく異様な政策を採れるのなら、日本国民向けにまっとうな経済政策を採れるはずだと言いたい)