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Re: 「近代経済システム」の内に入れない生産も社会にとっては重要なはずだけどおいてきぼりだね
http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/750.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 7 月 14 日 03:17:31:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 「近代経済システム」の内に入れない生産も社会にとっては重要なはずだけどおいてきぼりだね 投稿者 ほうれんそう 日時 2004 年 7 月 14 日 01:42:26)


ほうれんそうさん、どうもです。


【ほうれんそうさん】
「簡単にまとめ:
・販売者(製造者)の目的は商品の使用価値をお金と交換
・単体では使用価値アップー>価格アップだけれど、総合的に見た場合は使用価値ダウンー>売上(価格x販売量)アップもありうる。
だから販売者としては、商品の使用価値と売上の平衡点を目指すことになる(つまり物によってはほとんど役立たずの商品が販売者にとって一番儲かるということもある)
・この場合の使用価値とは、購入者が期待している使用価値であり、実際とは違う。使用価値=実際の使用価値+購入者の幻想(詐欺商法に限らずブランドなど)
・(っつーことはなんだ。やり手の詐欺師ほど儲かるってことと同じじゃんか)

ここで確認事項ですが、前のレスに書いた、<利用者が経済的に弱く不特定多数であるほどこの幻想の占める割合が多くなりがち>についてはどうお考えでしょうか?(支配者による富の吸い上げの大部分が「貨幣が貨幣を生む」ような金融主義に帰していることは認識していますが、その他の原因なども含め完全に理解していないので初歩的な質問が多くなってしまいます。後の投稿にまとめてくださっても結構です)」

日本企業はかつて輸出拡大をめざして「いい物を安く」という意気込みで取り組み、日本を世界最強の産業国家にまで成長させました。

ところが、そのおかげでブランド力を手に入れ競争相手も少なくなり、量的拡大があまり期待できない成熟経済に入ると、メーカーの矜持から「やり手の詐欺師ほど儲かるってことと同じじゃんか」とまでは考えないとしても、長期的に儲けられるように管理したほうが
見栄えが同じで同じ価格で売れるのなら、耐用年数が2年ほど落ちることになっても10円でも安い部品を採用して原価を下げたほうがいいという判断に傾いていきます。

それが三菱ふそうなどのように大事故につながらなければ、最近の○○は壊れやすくなったなと思われるだけで、買い替えサイクルが短くなるという一石二鳥になります。
(ユーザーにとっては金銭の損失であり、膨大な資源の浪費にもつながっています)

そして、このような動きが、氷山の一角でしょうが、数多くの“企業不祥事”にもつながっていると思っています。

<利用者が経済的に弱く不特定多数であるほどこの幻想の占める割合が多くなりがち>かという問いは、「顧客が不特定多数の場合、製造された機械などが質の高いものでなくクレームがついたりしても(生産性の上昇にあまり寄与しない)新しく売る相手がいるので、短期的利益最優先の製造者にとっては合理的でありうると言えます。「その機械を使って購入者が経済メリットを得られること」が幻想であっても売れる場合もあり、利用者が経済的に弱く不特定多数であるほどこの可能性は高まるのではないかと推測しています」という見方に関するものとして応えます。

冗談のように聞こえるかもしれませんし、「その機械を使って購入者が経済メリットを得られる幻想」で騙されているのは、中小企業よりも大企業のほうが多いだろうと見ています。
そう思うのは、日本経済の特徴である「産業二重構造」が中小企業を“鍛え上げ”、経営の命取りになるような設備投資には極めて慎重になっているはずだからです。

大企業は自社で造れば1000円かかる部品を700円で納めなければ購入しないという感じで下請け企業と取り引きしています。社長が現場に立ち安い給料の従業員で造ってなんとか700円で納めるとしても、会社が存続できる程度で利益はほとんど出ません。(社長の給料も高が知れています)
700円で納めても社長や従業員の給与を上げられるようにするためには生産性を上げなければなりません。余裕資金はないわけですから、まず智恵を絞ってコストのムダを徹底的に省こうとします。
受注量が増えていったら、単純にひとを増やしてもコストは変わらないので、それを好機としてより良い機械を導入して生産性を高めようかなと思っいます。同じ人数で1.5倍の量を生産できるようになり同じ単価で納品できるのなら、給料を数%でもアップすることができます。

このように過酷な状況に置かれている中小企業は、幻想で機械を買うようなことをしてしまうと破綻してしまいます。(融資する銀行も、意味がある投資かどうかをチェックするはずです。不幸にもそうして倒産企業もあるでしょうが、長期に存続している企業はそんなドジを踏んでいないから生き残っていると言えます)

下請けを活用して儲けている大企業のほうが、お金に余裕があり、購買担当者もサラリーマンですから、チェックが甘いと思っています。


【ほうれんそうさん】
「ソーラーパネルの続き:
電気代やソーラーパネルの出力によって値段がどう変わるかを持ち出したのは、最終的な生産が”自然の恵み”によるものであることでの特殊性が「生産→交換という経済活動」にあるのかどうか疑問に思ったからです。例えばこれが石油発電機(重要な違い:石油は使えばなくなる、使うたびに買わなければならない)であった場合のはどう違うのかということです。あっしらさんのレスからは「同じ」と言っているように思えました。」

企業であれ家計であれ、公的規制がなければ、代替的財については価格メリットがあるほうを選択するのが基本だと考えています。(余裕がある家計の場合は、趣味性や価値観がけっこう強く影響します)

ソーラーパネル・石油燃料系発電機・送電利用・配給ガス利用などの代替的財のどれを使うのかは、初期投資(設備投資)と機器の耐用期間を含むランニングコストを合わせた価格メリットの比較になるでしょう。

そして、例えばソーラーパネル製造企業は、“環境保護意識”の高まりを期待しつつも、代替的財と較べてトータルの価格メリットで劣らないようコストダウンに努めるはずです。(“環境保護意識”を加味しても購入につながらないコストでしか生産できなければ、商品化を断念するか、政治的判断で購入できる公的機関に採用しているもらうよう働きかけるしかなくなります)

“自然の恵み”も、そのようなそのような比較のなかで享受されるようになるものです。

【ほうれんそうさん】
「「労働者が受ける“恵み”は、活動力を売って得られるお金以外にありません。
自分が参加した労働過程の成果ははじめから他人のものなのです。」
とありますが、例えば自転車屋のおやじが息子の自転車を修理しているときは、「労働者」ではないということになります(家庭内セックス、風俗でのセックスの例えに似てますね)。もう一つ、労働者が生産活動と引き換えに他の労働者の生産活動を得る場合(例えば自転車やのおやじが豆腐やの自転車を修理するかわりに豆腐をもらう。お金を通さない労働と労働の交換)でも、取引に関わった修理と豆腐は「近代経済システム」の外の生産と見なされると言えます。

物理的に同じ生産活動が「近代経済システム」の外で行われた場合、社会のためにはなっているが近代経済的生産とは見なされないということになるんでしょうか(目に見えない生産)?」


貨幣を媒介としない取り引きや贈与など貨幣のみの移転は、近代経済システムの外での出来事になります。(家庭内セックスで貨幣の支払いが発生しても、家計内の貨幣の移動なので無視されます)

事例のままであれば、自転車屋と豆腐屋はお互いに労働奉仕をしたことになります。
(厳密に言うと、自転車屋は労働だけで済むかもしれませんが、豆腐屋は、自分の労働以外に大豆やにがりそしてエネルギーにお金を払っているので、その部分は“意味”のある経済活動をしたことになります。税法的にも、無償であげた豆腐をきちんと処理しなければなりません)

ところが、豆腐屋のおやじが「お互いに売上げが増えたほうがカッコいいから、こうしよう」と言って、自転車屋に修理代金として1000円支払い、自転車屋がそれをそのまま豆腐代金として支払えば、近代的に“意味”のある取り引きになります。
(カッコをつけてそのようなことをしたばかりに、黒字になって400円ずつ法人税を納めるはめになるかもしれません(笑))

面白いのは、ある不動産物件をAさんとBさんが価格を少しずつ引き上げながらA→B→Aと転がす取り引きを繰り返しても、“意味”がある経済活動として評価されることです。(これがバブル経済の一側面です)

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