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(回答先: ゴミー>資源 は生産と見なされるのか?重農主義に質問 投稿者 ほうれんそう 日時 2004 年 7 月 09 日 06:46:09)
ほうれんそうさん、レス有り難うございました。いくつかの点について、コメントさせていただきます。
【ほうれんそうさん】これは現在出ている有機廃棄物(排泄物、残飯をふくむ)の堆肥化によって解決できるのではないかと考えています。(中略)私は生ゴミなどを堆肥化した後に土に返すことが石油肥料によって壊された土壌を充電し、作物から化学物質を取り除きまともな農作物を作るための重要なステップだと思っています。
ご主旨には異存ありません。ただ方法論について、少し議論したいと思います。私は、「手間」や「お金」のかかる「リサイクル」は、多くの場合、無駄と思っています。「リサイクル」の目的は「資源の有効活用」ですが、手間やお金がかかるということは、そこに何らかの「資源の再投資(例えばリサイクル装置の開発、製作、運搬、維持管理)」がなされていることを意味します。これら再投資には、結局「化石燃料」の消費が不可欠ですから、こうした「コスト」の考慮がリサイクル論議には、かかせないと思います。例示された「ミミズコンポスト」や「人糞コンポスト」、「ホテル、レストラン街などの生ゴミ処理を目的とした大型施設」、「肥料にかかるコストをおさえるために効率化を重視した農家用施設」、これらは局所的・時間限定的に見れば、大変結構に思えます。しかし、その維持にどれくらいの電力(背後には化石燃料やウランの消費があります)を要するか、いつか廃物となったとき、上手く「他者の養分(工業原料としてでも良い)」になるか、このあたりの熟考が必要と思います。ご提案を頭ごなしに否定しているのではありません、念のため。
なお、
【ほうれんそうさん】そしてゆくゆくはこれらの有機肥料を土が痩せて作物が育ちにくい国などに輸出するということも検討すべきでしょうね。
というご意見は大変重要と思います。「肥料の輸出」は「検討課題」どころか、すぐにでも行うべき「戦略課題」と考えています。というのは「肥料=潜在的な森林・農地=潜在的な食糧」だからであり、食糧がそうであるように、肥料は立派な「戦略物資」だからです。ほうれんそうさんがおっしゃるように、肥料の輸出は、人間を含む生物全体にとって有用であるばかりでなく、それを戦略的に用いることによって、きたるべき「化石燃料文明の衰退期」において、日本のソフトランディングを可能にしうる、重要なファクターと認識しています。
【ほうれんそうさん】負の富であると考えられるゴミから作られる肥料などの価値は重農主義においてはどのように測られるのでしょうか。これも結果として作物になるものとして「農」の一部であると考えられるとも言えますが、邪魔のもの(ゴミ)を役に立つもの(肥料)に変換する過程で全体量としての富は増えていると言えるのでしょうか。
残念ながら、私は重農主義者でも経済学者でもないので、満足な解答はできかねます。ただ私見を述べさせていただければ、「あるものを廃物とみるか資源とみるか」自体は、さほど重要と思いません。むしろ「Aにとっての廃物=Bにとっての資源→Bの廃物=Cにとっての資源」という、「組み合わせ=循環」こそ、大切と思います。同様に、私には「あるものをゴミとみるか富とみるか」自体は、さほど重要には思えません。「Aにとってのゴミ=Bにとっての富→Bのゴミ=Cにとっての富」という循環が大切と思います。大体「富の増加」は、簡単に「ゴミの増加」に変じますしね。