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市場を司る者は神になる
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投稿者 バルタン星人 日時 2004 年 7 月 03 日 06:33:32:akCNZ5gcyRMTo
 

(回答先: 「交換」・「貨幣」・「唯一者」そして「子どもを家畜と同じに見る眼」 投稿者 あっしら 日時 2004 年 7 月 01 日 23:23:55)

あっしらさん バルタンです。
仏教は「偶像肯定」ですが神道は「偶像否定」(伊勢神宮のご神体は「バリ島の掘っ立て小屋」みたい
なものですね)で気味が悪いほど日本では相補的な関係だとつくづく思いました。

>「生産協同組合」構想で「彼らは交換をしない」の意は、(社会的)分業ではなく協業だから、生産した
>ものを分配するだけだと言いたいのだと推察します。
>協業は、「労働の交換」た「労働の分断」ではなく「労働の一体化」ですから、物々交換や労働の相互贈与
>とも異質のものです。
生産協同組合は自足的に完結したものではなく社会的分業の一部であり、そもそも「原料」をどう
入手するかという時点で「外部」=「交換」の問題が生じます。「市場」と「貨幣」のない交換=
交換価値を現象形態としない交換がありえるのかということです。石炭を掘る「労働生産性」と
ナイフを作る「労働生産性」は比較しようがないのですが、そのためには個々の労働が
「総労働」の一部とならなければならないというトートロジーに陥ってしまうわけです。


>「物々交換などというのは神話」にすぎないのであり、その始源からすでに貨幣に媒介されて
>いたのではないかという提示ですが、始源は、労働や労働成果物の贈与が相互的に行われていた
>と思っています。「労働成果物の相互贈与」は“物々交換”と言えないわけではありませんが、
>タイムラグもあるわけだし、認識としても“物々交換”だとは考えられていなかったと推測します。
>自覚的“物々交換”には貨幣が媒介物として可能性が高いと思っています。
神学論争になるのを恐れずに言えば「はじめに交換ありき」ではないかと考えています。
実証的に演繹したわけではなく、「ブツ(実証的知識)はないがコンセプトはある」
(上野千鶴子)レベルですが。
始源にぼうぼうの野っ原に18世紀イギリスのような「交通の場」(柄谷のいう「原都市」)があり
互いにどこの誰かわからない人間が集まりモノや「道具」、情報が交換されたのではないか、
貨幣としては黒曜石や貝殻のような希少物が使用されたのかもしれない。あるいは頭の中で貨幣を
数えていただけかもしれませんが。すくなくとも「他者」に対して贈与はありえない。

家族が群れになり村をつくり道具を発明し農業を発見し集落が国家になったという物語を信じられ
ないからです。種が落ちて芽が出るのを見て啓示に打たれたというのも神話ではないかと
たとえばアメリカン・ネイティブの人々は原始人ではありません。彼らはマヤや
インカと繋がる人々で「情報」として国家を知っていた。しかし余剰生産物を蕩尽することで、
国家を作らない「知恵」を持っていたのではないかと思います。
日本の稲作がそうだったように農業はテクノロジー=情報として「交通の場」を経由して伝わった
のではないかということです。農業は生産性は高いが自然条件などリスクも大きいわけで失敗したら
その時点でアウトです。試行錯誤もない。失敗したり略奪されて滅びた集団もあったに違いありません。
略奪も「交通」の形態でもあるわけですから。しかし情報としては他に伝播して線がつながった、
むしろ自足できるようになったことで共同体は急速に自閉していったのではないか。
贈与はモノにベッタリ固有名が張り付いています。レヴィ=ストロースではありませんが贈与された
ものには、元の持ち主の「呪い」がかかっていて早急に返礼しなければ持ち主の命を奪うとも考え
られていたからです。贈与は共同体のなかでしか成立しないわけで「交換は共同体と共同体のあいだ
、ポーランド社会の気泡」から始まり「共同体内部に浸透していった」のですから。

>しかし、「生産協同組合」構想における分配をどのような基準で行うかという問題は残りますから、
>協業だから交換はしないで終わらせてしまうと、抽象論理に過ぎると言えます。
>プルードンの「労働証書」は、貨幣ではなく、分配の基準でありその物質的な手段として考えるべきです。
分配の基準は「社会的必要労働」=時間であったわけですが「労働生産性」の個体差や前述の分業間の
「労働生産性」の問題は解決できないわけです。別レスでワルラスを引きましたが、マルクスは未来に
ついて禁欲的と書きましたが、じつはほとんどなにも言っていないにひとしい。(笑)「資本論」を書く
のに30年もかけてしかも完成しなかった。(刊行された大部分はエンゲルスの編集というのは周知の通り)
もちろんマルクスやレーニンを免罪するつもりはありませんがソビエト経済の本当の父親はワルラス
だった、つまり「市場」を司るものは必ず「神」になり、政治的には神が「良き行い」=欲望を決める
神聖政治になるということです。
では「市場競り人」なしに均衡させる方法があるのでしょうか。あります。市場に参加する人間が全員
超能力者でテレパシーを使えればいいわけです..というのは冗談ですが、その冗談みたいなことを
バブルの絶頂期に「ニュー・エコ」とかいう連中は言っていたわけです。「インターネットや情報通信
の進歩で需要と供給のアンバランスは瞬時に調整され景気循環はなくなる。」とか。
ワルラスの考えていた「市場」というのは不肖の弟子(新古典派)が考えたような、何でもブッコめば
平らになって出てくる「ブラックボックス」ではなく巨大な欠乏と巨大な過剰がついに巡り合うことなく
共倒れするようなものではなかったかということです。
ついでに言えばソビエトでは「コンビナート」という有機的な工場群を生産拠点としたわけですが
これは「資本主義では99.999%などという純度を化学製(商)品として要求するが、二次生産物(過程)が
あらかじめ判っていれば無駄の極みであり、関連する工程を有機的に結合して生産、輸送コストを下げ
副次生産物は肥料等に有効利用する」というとってもエコロジーなものだったわけです。
これがなぜダメだったかというと「完結しすぎていて変更がきかない」ということです。つまり同じもの
を大量に作り続けないと回っていかない、肥料だけ増産したいといっても出来ないわけです。
なぜこんなことを今更言うかというと最近の「エコロジー」な思想のなかには臆面もなく上記の丸写し
な構想があるからです。

>この問題を突き詰めていくと、貨幣とは何ぞや?という説明をしなければなりませんが、ここでは、
>「蓄蔵性」が排除されれば貨幣ではなくなるというレベルで閉じておきます。
おっしゃるとおりです。ここまで書くと「ああ、柄谷が失敗したNAMと市民通貨Qか?」という話に
なるわけですが、資本に転化しない貨幣、利子を生まない貨幣というアプローチは過去いくつかあり
ました。

>シュティルナーの「唯一者」=「この私」は、私が考えている「開かれた地域共同体」に住む人々
>の在り方だと思っています。
勝手な推測で申し訳ありませんでした。

>農耕共同体は城郭や都市が形成され支配―被支配関係も明瞭ですが、遊牧共同体は、実質的に
>観念としてしか共同体が存在しません―共同体性のみ―。
非常に興味を惹かれますが実証的知識が手薄なので後日に持ち越します。

>私流の解釈ですが、半可通の信仰者は多く、「これだけ神を崇敬し律法を守っているのに、
>なんでこんな悲惨な生活なんだ」と祭祀階級にケチを付けるケースが続発したため、祭祀階級が、
>「こりゃあ、まずい」と考え、「神に従う(自分たちに従う)のはいい目にあおうとか酷い目を
>避けるためではなく、何があろうとも神(自分たち)の意を全面的に素直に受け容れることが信仰
>である」と説得するためにヨブ記のようなものを提示したと見ています。そこまで信仰すれば、
>いい目にあえることもある。それも神の御心次第である。祭祀階級は「そこまで信仰できるヤツ
>はまずいないけどね。どっちみち神の御心次第だから嘘じゃないからまあいいか」と思ったでしょう。
でもそれはかなり特殊ではないですか。土着(共同体)の神は拝めばなにかご利益をくれる。少なくとも
怒らせなければなにもしない。拝んでもなにもくれなければ捨てて別の神を拝んだりして。(笑)
モーゼは「俺のいない間に「金の子牛」(でしたっけ)を拝んだ」とかいって猛烈に怒るわけですよね。
ユダヤ教の場合のように神が勝手に民を選んでしまうというのは他にないのでは。

>これは、ただ動物か植物かの違いがあるだけで、豊穣を祈願して収穫した稲などを神に
>捧げるのと変わらない心性だと思っています。
初穂料ですね。日本の場合は全部天皇制に繋がってしまう。

また、尻切れレスで申し訳ありません。この辺で

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