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(回答先: Re: 正統の哲学・解題Bオルテガの思想―「歴史」とは?「社会」とは?「法」とは?― 投稿者 あっしら 日時 2004 年 6 月 19 日 18:40:46)
>「近代」の一つの特性は、国家(政治的統合形態)と社会(人々の連関的生存様式)が明確に
>分離されることだと考えています。
>ということで、「契約的集合体、したがって法的集合体としての社会という概念は、本末を転
>倒したもっともばかげたものである」の部分も、「契約的集合体、したがって法的集合体とし
>ての社会という概念は、国家と社会を混同したもっともばかげたものである」と書き換えたほ
>うがすっきりすると思っています。
ここの部分のオルテガの発言は、まさにそうした「国家と社会との混同」を“現にしていた”人々の前でなされたもの(講演の一部)であります。
>法哲学と実定法をごちゃまざに論じたために生じた“自己矛盾”です。
ハイエクは、「いわゆる法」を国家からの命令ではない“法”と、立法府が課す命令である“立法“とに分けました。大雑把に言えば、前者は行政法などの「公法」であり、後者は民法や商法(ハイエクは刑法も入れる)などの「私法」でありあす。
私法の多くは、国家が実定法として制定する前にすでに存在しているというのがオルテガの認識でもありましょう。このことに関しては、ハイエクを取り上げたときにもう一度考えてみたいと思います。