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(回答先: Re: 法律の力、制度の力、どこで顕著に見られるか? 投稿者 はまち 日時 2004 年 5 月 23 日 04:44:42)
人は政治運営を行う。制度はその人を選び、法律はその人の運営方法を決める
> 法律の力、制度の力って、どういうとき、感じられますか?
法律、制度の力は間接的なので感じにくいですね。
> 法律の力というより、これらの解決に圧力がかかったのは、他でもない、被害者からマスコミへのリークじゃないかと思います。
政治運営を行うのは人です。(校長や外務省の担当者)
事故を起こすのも人です。(事件を起こした生徒や不手際を起こした係官)
事故を起こしそうな人を監督・教育するのも人です。
事故が起きた後にいろいろな対処をするのも人です。
そのような人をその地位につけ、役割を与えるのも人です。(任命権者、有権者団)
人にはいろいろな思考様式・行動様式の人がいます。
自分の行動が天下にされされないこと前提として行動する人。
自分の行動は天下にさらされているものとして、恥ずかしくないように振る舞う人(天知る、地知る、我知る)。自分の行動を第三者に説明できる道理を考えながら行動する人(アカウンタビリティ、説明責任)。
自分の地位、利益を第一に考慮する人。
上司の地位、利益を第一に考慮する人。(それが自分の利益になると考える人)
道義的な善を第一に考慮する人。(それが自分の精神的利益であると考える人)
何をもって利益、善とするかもさまざまです。
その利益、善を実現するためにどういう手段を採るべきかについての考え方もさまざまです。
法律は、政治運営、人事運営をする人の行動、判断に枠をはめます。
人は法律の枠内で、法律に違反しない範囲の中で、自分が適切だと考える判断をし、行動します。
しかし、政治運営、人事運営に関する法律で許される行動の枠というのはとても広くて、その人が判断可能な裁量の幅も広いのです。
* 法律に違反してもバレなければよいと考えて行動する人には直接の効果はありませんが、それでも、多少の抑止力になります。
政治運営を行う地位にある人が、自分や上司の地位、利益を第一に考え、自分の行動は天下にさらされないことを前提として行動するパターンの人であれば、その選択が法律で許された裁量の範囲内の選択であるかぎり、そのような選択をします。それは合法です。
>当然、これらにいたる会話録音は一切断れていましたので、隠して録音していました。
人は法律が許す範囲の選択肢の中から、その人の思考様式・行動様式にもっともマッチする選択をする、というのが重要です。
仮に「会話録音を禁止してはならない」という法律があったとすると、録音を断るという行為は違法となり、そのような選択はできなくなります。
さらに、「会話録音を禁止してはならない」という法律があると、「のちのち、適法に録音された会話記録が公開される可能性がある」ということを前提として行動しなければならなくなります。その結果として、政治運営の担当者の思考様式・行動様式自体にも影響を与えます。
* 参考:
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http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/sytyou/jinken/00/2003_1.html
被疑者取調べ全過程の録画・録音による取調べ可視化を求める決議
わが国の刑事裁判は、捜査段階の密室での取調べで作成された被疑者の自白調書に強く依存している。その作成過程は客観的証拠で検証することができない。このことが、捜査官の強制などの不当な取調べを誘発し、虚偽の自白による多くの冤罪を生んできた。このような刑事裁判の現状を改善するため、当連合会は、かねてから、被疑者の取調べ過程を録画・録音することによる取調べの可視化を強く求めてきた。
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>教育委員会の権力は絶対です。絶対過ぎます。
>たしかに、そういう意味での教育制度というより、教育者の制度は、変えてほしいです。
具体的政治運営を行う人をその地位につける人(任命権者)の裁量はとても広いのです。
任命権者が自分や上司の地位、利益を第一に考え、自分の行動は天下にさらされないことを前提として行動するパターンの人であれば、自分と似たような行動パターンの人を選択して任命するでしょう。それは合法です。
任命権者の「人を見る目」「行動を監視する目」任命権者のモラルが、どういう人を任命するのかという選択に影響します。
人事に関する選択を適切にするためには、「誰を任命権者にするか」「どのような手続きで任命権者を任命するか」が重要になります。
官僚が任命権者になった場合には、官僚組織の中で出世した人のモラル、行動様式・思考様式が、その組織の人事、人員配置に反映されていきます。
逆に、住民が公選によって委員を選ぶ場合には、有権者のモラルが反映される可能性が高くなります。
かりに、任命権者によって任命されて具体的な政治運営を行う者が「上司の地位、利益を第一に考慮する人(それが自分の利益になると考える人)」であったとしても、上目づかいの結果として、任命権者のモラルが具体的な政治運営に反映される可能性が高くなるのです。任命権者のモラルがその組織全体の性質を決定するといってもよいでしょう。
大きな権限を持つべき人をどのように選ぶかという問題は、よくよく考えておくべきことです。
法律や制度の力は、見えにくく、間接的で、時間がかかりますが、大きな力を持っているのです。