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チャラビ自宅襲撃とアブグレイブ刑務所解体宣言 (千葉邦夫) No.36
http://www.asyura2.com/0403/bd35/msg/799.html
投稿者 乃依 日時 2004 年 5 月 29 日 20:03:33:YTmYN2QYOSlOI
 

(回答先: 「国民年金未納リーク」で得をしたのは誰か? (千葉邦夫) No.36【2004年5月28日】 投稿者 乃依 日時 2004 年 5 月 29 日 19:57:59)

チャラビ自宅襲撃とアブグレイブ刑務所解体宣言

一方イラクでは、国防総省のハードな占領統治から派生したアブグレイブ刑務所の数々のイラク人捕虜虐待事件の流れを受けて、国連を引き込んだ国務省主導のソフトで聞く耳を持った民主的流れを創ることで、いくぶん軟化した国務省イメージによる、「民主的な変身を遂げたイラク復興プラン」にうまく移行したことにしたい。そういった流れに明らかな説得力を持たせるためには、もちろん目に見える劇的な変化を象徴するような事件がどうしても必要となってくる。そんな折にタイミングよく次のような事件が起きた。

5月20日、バクダッドCNNによると、イラク警察と占領アメリカ軍は、バクダッド市内にある統治評議会の主要メンバーのアハメド・チャラビの就寝中に急襲し、私邸とチャラビの複数の事務所(イラク国民会議 /INC )を家宅捜査した。そしてチャラビによると、武装した警察が寝室に侵入して彼をベッドから起し、彼のPC、文書、コーランの価値のあるコピーを盗み破損したと述べる。そして記者会見で、「“国連の石油食料交換プログラムに関する不正資金疑惑”の資料の引渡しを求めるアメリカに応じていないのが、アメリカは気に入らないのだ」と語り、さらに「私はイラクに於けるアメリカの親友だ。これはイラクでのCPA(イラク占領当局)の失敗の内、2番目に最悪の行為だ。このような扱いは許されない。CPAとは縁が切れた。CPAも終わりだ」とアメリカへの不満をブチまけた。

この事件が起きる前触れとして、パウエル国務長官は5月16日、イラクの移動式生物製造施設に関する情報についてテレビインタビューに答えた。「複数の情報があり、我われは慎重に精査した。しかし国際社会を欺く結果となり、私も深く失望し、後悔している」と遺憾の意を表明している。この移動式製造施設の情報は、イラク統治委員会のナンバー1権力者であるチャラビ一族によってドイツルートでもたらされたことがわかっている。イラク国民会議幹部の主犯アフメド・チャラビは戦前に国防省に何度も出入りし、イラク戦争突入のための情報源として活躍した。

かつてアルカイダとサダムが繋がっているという根も葉もないインチキ情報を主張したのもイラク国民会議の議長のアフメド・チャラビであり、アメリカ国防政策委員会リチャード・パールも、イラク戦争に関する最も重要な情報源だったと主張している。パウエルは、そんなチャラビの情報にまんまとはめられたフリをしてイラク戦争支持にまわったのである。カーライルの元顧問であるコリン・パウエルも、結局のところ、戦争屋であるカーライルの目論見である「戦争をできるだけ長引かせ、混乱に乗じて邪魔をするものは消せ」に忠実なようである。

カーライルといえば、ビンラディン一族とブッシュ一族が9.11テロの起きた日、同時刻に同じ部屋で一緒にいたことがVPROによって報道されている。場所はリッツカールトンホテル。カーライル社は9月11日その日に投資家を集めて会議を開いていた。出席者はブッシュ・パパ、フランク・カールーチ、ジェームズ・ベーカー、デビッド・ルーベンスタイン等のカーライル幹部たちである。もちろん、その会議室にはテレビも当然あったと思われる。 やれやれ

5月18日上院委員会の公聴会に主席したウォルフォウイッツ国防副長官は、毎月支払われていた34万ドルの支援(累計3300万ドル)を停止するとこれ見よがしに発表した。まるで国防総省とチャラビはもう縁が切れましたよ、と大々的にPRしているみたいでどこか胡散臭い流れである。しかし今は国連やイラク国民の幅広い支持を得ることが必要な「反米ムード」の大切な時期であり、パウエル配下の国務省主導にバトンタッチする流れを演出し、国際コンセンサスをもう一度得るための「国連安保新決議案」が可決されなければならない最も大切な時期なのである。

しかしウォルフォウイッツやネグロポンテ駐イラク大使は、何故か「国連による石油食料交換プログラムに関する不正資金疑惑」に関してはいっさいノーコメントである。なんとも不思議な流れである。考えられるのは、あえてフランス、ロシア、ドイツ、中国、国連アナン等にメディアを通して大々的に恩を着せることで、今回のブッシュ大統領が発表したイラク復興5プランに協力してほしいというアメリカからの誘い水なのである。

ようするにすべては出来レースであり、茶番なのである。そんな折も折に、ワシントンCNNによると、25日複数の米当局者が、米本土に対する大規模テロ攻撃が、早ければ今年の夏にも起きるかもしれないというと見方を明らかにした。早ければ夏中に、遅くとも11月の米大統領選挙前に、テロ攻撃が起こる危険を示す情報が多く集まっていると説明。

治安筋によると、特定の日付や場所を示す新たな情報はないが、夏から秋にかけてテロの危険が高いと判断するに至ったという。長官は、アルカイダが3月のマドリード列車爆破事件に起こったのと同様の反応を望んでいるかもしれないという見方を示した。この事件は、スペインの選挙に影響を及ぼし、イラクからのスペイン軍撤退につながったのである。

そして7月4日の独立記念日や11月大統領選に向けて夏の終わりにボストンやニューヨークで開かれる民主党・共和党大会等が標的にされる恐れがあるという。さらにアシュクロフト米司法長官は「米国に明白で切迫した危機をもたらす要注意人物」として、アルカイダメンバーとされる指名手配犯2人を含む7人の名前と顔写真を公表した。( 参考記事 Ahttp://www.reuters.co.jp/news_article.jhtml;jsessionid=J3P53C5PWOCN4CRBAEKSFFA?type=topnews&StoryID=5267116、 参考記事Bhttp://cnn.co.jp/usa/CNN200405270003.html )

なんていうか、まるで私のコラムを読んでいるかのような発言である(笑)。しかし、このテロ勃発予想発表は、3月のマドリッド列車爆発事件を例にとって、同様の流れになることを予言しての警戒報道であるために、もし実際にそういうことが起こったとしても、決してブッシュ陣営による謀略のせいではないという逃げをうまく計算した、なんとも高度な心理戦略といえる。あえてテロ勃発がブッシュ政権に取って不利になるマドリード列車爆破事件の例を挙げることによって、実際にテロ勃発が起こったとしても疑われる可能性を回避する防御網を、うまく張り巡らしたように思われる。 やれやれ

《主な参考文献および記事》


(本記事をまとめるにあたり、次のような文献および記事を参照しました。ここに、それらを列記して、著者に感謝と敬意を表すると共に、読者の皆様の理解の手助けになることを願います。)


★ 
株式日記と経済展望
 小泉首相のバクチは裏目にでた。こんなチキンなリーダーしか持てない今の日本人は本当に哀れだ


★ 
VPRO


★ 
Chalabi's
followers demonstrate in Baghdad


★ 
Chalabi
Raid Complicates Oil-For-Food Probe


★ 
Ahmed
Chalabi


★ 
' Rock
Solid' Evidence Chalabi Spied for Iran


★ 
The
photographs tell the story...  



『終』


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