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「国民年金未納リーク」で得をしたのは誰か? (千葉邦夫) No.36【2004年5月28日】
http://www.asyura2.com/0403/bd35/msg/798.html
投稿者 乃依 日時 2004 年 5 月 29 日 19:57:59:YTmYN2QYOSlOI
 

(回答先: 見透かされた小泉首相の軽い脳ミソ (千葉邦夫) No.36【2004年5月28日】 投稿者 乃依 日時 2004 年 5 月 29 日 19:56:55)

「国民年金未納リーク」で得をしたのは誰か?

与党である小泉首相さえも心理的に余裕を失わせ、金正日にすかさずつけこまれてしまったこの年金未納問題リークは果してなんだったのだろうか。最初に中川経産相、麻生総務相、石破防衛庁長官等が未納・未加入があったとして陳謝したことが契機に、国会議員内で「年金不払い問題」がまるで竜巻のように吹き荒れた。マスコミもこれを煽った。

その結果として、政府与党内で皆に責任問題を迫られた福田康夫官房長官が、突然辞任を表明した。今やあまりにも福田監房長官ばかりに情報が一極集中するために、反感を感じていたものが相当数いた。もともと小泉首相は福田赳夫元首相の書生をやっていたから、福田康夫官房長官は表面では小泉首相を立てていても、どこかで一段見下しているところがあるという。それ故に、福田長官の独裁者的な独走ぶりが鼻につくようになってきて、時どき火花を散らす流れになっていたようである。

そして福田長官の辞任は大きなうねりとなって、今度は最大野党の民主党を襲った。「未納三兄弟」演説で乗りにのっていた管直人党首は、いかにも気まずい雰囲気のなかで辞任し、最後まで党首に担がれることに抵抗していた小沢一郎までも、党首を引き受けた瞬間に、またもや辞任する流れになってしまう。結果的に、最後に民主党の代表になったのは最も自民党よりの岡田克也幹事長である。これらの流れを俯瞰図的に眺めて考察してみるなら、小泉ネオコン政権の流れを邪魔する抵抗勢力の徹底的な排除であり、魔女狩りである。

正直なところ、見事としか言いようがない。そもそも国民年金議論の背後に隠れている力学はいったい何なのか。銀行にお金を預けてもほとんど意味がなくなった今日、冷静になって年金を眺めるなら、これほど率のいい“貯金”はもはやどこにも存在しないものである。国民年金を例に取るなら、25年かけて、65歳以上になれば年間79万円前後を受け取れるのである。80歳を平均寿命として15年間支給を受けるとして単純計算するなら、もらえる金額の方がはるかに大きい。つまり加入した方が得なのである。( 参考記事 )

私が思うに、増え続ける税制赤字、一向に回復しないデフレ不況を過剰に強調することで国民を不安地獄に落としいれることによって、この際に国民年金や厚生年金を一元化して、社会保険庁の最大の狙いは、国民から「多くを集めて、少しを返す」流れに一気に変更してしまおうと企んでいる。そして保険料はいつのまにか上がり、支給額は減らした上で、さらに支給年齢を上げようとしているのである。

そうなれば政府も大企業も、どんなにか助かるのである。さらに企業としては、自己責任で個人が運用するタイプの確定拠出型の年金ファンド等に切り替えてほしいと考えているのである。もちろんその背後には、一握りの国際金融勢力が支配する今やほとんど外資系になってしまった銀行や保険会社等が、狼のような顔をして涎をダラダラと垂らして待ち構えているのは当然のことである。ようするに、これが「国民年金未納問題リーク」の隠された真実である。

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