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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu70.htm
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田中宇の国際ニュース解説 ライブ版(3)
角さんを潰した立花隆はジャーナリズムを殺した
2004年5月10日 月曜日
【質問】
トラの尾を踏んだ田中角栄について
【田中宇】
例えば真珠湾攻撃は陰謀だった、アメリカに引っ掛けられた、けっこう今あんまりタブーじゃない。OKでしょ。田中角栄さんはやられたんだと、ロッキード、アメリカに。立花隆とか大統領の陰謀、僕もそれに引っかかってジャーナリストになっちゃった。だからアメリカニュージャーナリズムってあったじゃないですか。政治家の悪をたたけ。インベスゲイティブレポート、あれは僕はどうもね、最近思っているのは、当局者から別の説明、きれいな、例えばニクソンて言うのは中道派だったわけです。
中国と仲良くしようって言う。その反動としてウォーターゲートやられた感がある。とすれば、それはやっぱり、大統領の陰謀すばらしい、って言うのは騙されていたのかなって言う、つまりなんていうのかな。角さんだって金には汚かったかも知れないけれど、外交的に何かやろうとしていたわけでしょ。夢が。で、こっちはたたかれて、こっちもなくなっちゃった。それはやっぱり、立花さんとかもいいけれども、僕は、立花隆なー、二十年も騙されてたなと思うのは、やっぱ政治的に角さん潰すために、知ってかしらずか文芸春秋とか、使われた、知っててやったのかもしれないけれども、それはやっぱ日本が、よく文芸春秋が日本はこのままでいいのか、なーんていっているけれども、よくないよ、お前が角さん潰したからだろ、みたいな、そういうふうにも思うから。
そこまで考えてないでジャーナリストが政治家を叩くんだって言うジャーナリストって、早く会社辞めろ!って僕は言いたい。すごいするんだ僕は。だからかつての同僚なんかも、いまだに立花隆っていってる人がいるけれども、直接僕は言えない、悪いから、その人の人生半分以上それに費やしているから、だけども、ジャーナリズムって死んでるじゃないかって、70年代から。もともとプロパガンダだったんじゃないかなって言う感じが疑いとしてある。そんなきれいなもんじゃない、単に騙されているだけ、自分はきれいだって言うジャーナリストは、と言うふうに思う。
【質問】
日本が国防に協力しなければ日本が国防力をつけなければならない?国力をつけるとすればどういう事をつけなければならないか?
【田中宇】
国力というのは、まずは経済力。それから軍事力もあるけれどその前に経済力。それから僕の業種として言わせてもらうと国際情勢に対する分析力、これが外交力のベースになっているから、外交官がそれを知っていればいいんだけれども、国民がある程度知っていないと外交官がそれを説明した時にわかってくれない。例えば最近の日本だけれども、中国と日本は仲良くすべきだというと、お前は土下座主義者かとすぐ言われちゃう。それは国民が騙されているからですよ。よく勉強しないからです。
でもたぶん日本人のすごいところは、あるときに雰囲気が変わると、一昨日まで言ってたこととぜんぜん違うことを考えるようになるから、それはいいことであると思う。前は憲法九条死守ってみんな言っていた。ところがそう言っていた社民党はどうなったかって言うと、もうみんな、おたかさんもやめざるを得ないの凋落振りになっちゃった。だから今あんなこと言わないわけでしょ。昔憲法好きだった人なにしてるんだ、今は違う世界になって違う状態になっている、なんとなく感じているから、社民党に入れないわけですよ。じゃないかとおもうから。
だから明治維新のときもそうだった。幕府なもう終わりだと、なんだかわからないけれど開国だと、そしたらそれまで尊皇攘夷だっていってたやつが、いきなりやっぱり洋服がいい。ちょんまげ終わりだ。2年ぐらいの間に変わって一二年の間に。それで反乱も大して起きなければ、榎本武揚が幕軍を率いて、函館まで逃げてそこで終わり。なんでフランスとロシアに武器をくれと言わなかったのか。フランスとロシアは武器を売って、長州はイギリスが長州に武器を売る事になっていたら、日本は二分割されて、中東みたいになってましたよ。
でもイギリスはそれを望んでいなかった。海軍力を日本側まで植民地として直接支配してやるだけの余力を、あまりやりたくなかったイギリスはもう、大英帝国も左前になっていたし、そういうのはあるんだけど、結局明治維新の頃のやつみると榎本武揚とかは世界と日本のある程度知っていて、ロシアとフランスには援助を求めなかった。なぜなら分割されちゃうから。そういうのとけっこう頭がいいのと、皆が反対しない、8月15日にも反対しない、8月15日に何で竹やりを持って米軍に立ち向かってゆく、18日でもいいや、人はいなかったのかと僕は不思議なんだけれども、たいしていなかった。ちょっとはいたみたいだけれども、みんな上官から戦争は終わったんだって泣いて終わるって言う。
アラブ人だったら絶対そんなふうな事しないね、自分の部族のために立てこもって戦う。そういうことしなかったというのが、ある種歴史の転換点と言うものを、なんか敏感に察知する天然、天然の人って最近よく言うじゃないですか。日本人は天然なんだ、だから、国力って言うのはそういう風ななんか、そういうふうな日本人のアイデンティティ生かしてなんか、国際情勢に詳しくなくて、経済力をつけてアメリカから足をすくわれないようにして、なおかつ防衛と軍事力、どこが敵なのかと言うことをよく話し合わなければいけない。最小限の軍事力の場合。まあ核兵器って持った場合もあるか。わかんない。すぐ作ろうとすれば作れます。
【質問】
身の危険を感じたことはないか?
【田中宇】
何か身の危険を、けっこうみんな興味あるから、身の危険を発せられる前に警告があると思うわけ。まず暴力団が、自分の身体にぶち込む前に窓にぶち込む、自分の家に。必ず警告がある。で、僕のとこにまだ警告が来ていない。どこからも。アメリカ当局からも。日本当局はあまり警告してこない。と言うかむしろ陰謀屋として泳がせてあるんじゃないんですか。時々マスコミに呼ばれないでしょ、危険人物だったら。ときどき僕はテレビには出てるし、二万円しかくれない。(笑い)もしか、身の危険を感じたら論調を変えますから、そしたら僕の記事も深読みしてください。(笑い)
【質問】
田中さんのような見方が新聞や放送に現われないのはどうしてですか?
【田中宇】
時々呼ばれるんです。だからこれは極論で、間を細密な理論になってないのと、現場に言って無いからだと思うですけど、あんまり皆がこういう風なことを信じてしまうと、インターネットだからいいんですよ。今日来てくれている人はオタクだよね。やっぱり国際情勢オタク。普通の人がこういうことを、そうだそうだと考えるようになると、やばい、まずアメリカ嫌いになってしまうでしょ。それはやっぱし良くない。岡崎久彦はそういう理論なんですよ。
だから日本人はそんなに反米にならないほうがいいと。それは一利ある。だけど、こんな世界激動している時に知らないと損することが多いと、これからのこと考えると、だからインターネットぐらいがちょうど良いかなって思うわけ。知りたい人は知る。で、外務省の記者クラブの人はみんな、ある程度の人は僕の記事を読んでるらしい、から、取材にも役立っていると思うし、間接的に新聞や放送に使われていると思うから、それでいいんじゃないかな。
(私のコメント)
田中宇氏の講演会のテキスト起こしはこれが最後ですが、講演会の本編はあまり公開すると営業妨害になるので、次回の講演会で聞いてください。質疑応答の部分で一番多かったのは日本の政治外交の部分で、田中宇氏の見解が聞けたのは収穫だったと思う。
田中角栄がアメリカのキッシンジャーの手によって潰されたのは、、キッシンジャー自身が認めているところで、つまり共和党の保守本流と日本の司法官僚とマスコミとで田中角栄を潰したのは明らかだ。それ以来日本の独自外交の芽は摘まれてしまって、外交と防衛に関してはアメリカに丸投げしてしまっている。首相や外務大臣は単なるお飾りである。
田中角栄論に関しては「株式日記」でも書いてきましたが、角さんを潰した日本のマスコミと立花隆氏は、日本の自立を潰した功労者だ。日本の自立を論じようにも政治家達も口では自立を言っても実際にはアメリカの陰謀を恐れて何も出来ない。小泉首相の政敵が次々と潰されていくのもバックにアメリカの共和党の保守本流がいるからできるのだ。
だから日本の政治を語るにはアメリカの共和党の保守本流を知らないと何も分からない。逆にアメリカの保守本流がわかってくると日本の政界のこともよく見えてくる。結局は日本の自民党政治を潰すにはアメリカの保守本流から潰していかないと無理だろう。あるいは保守本流を説得して自民党と手を切らせないと難しい。
日本のマスコミもアメリカの手先みたいなものだから、反米を言う評論家や学者は冷や飯を食わされて、逆にアメリカの意のままになる連中は立花隆氏のように売れっ子ジャーナリストになるか大学教授や研究所の所長とかの美味しいポストにありつける。だから本当に反米論を書きまくることが出来るのはインターネットしかない。
私がなぜ反米論を書きまくるのは日本の自立を訴えるためですが、だから同じ反米でも左翼の反米とは異なる。私自身は冷戦崩壊以前は親米派だった。そして97年のアジア経済危機を見てアジア諸国がIMFの魔の手に掛かってアメリカ資本に乗っ取られるのを見て、アメリカの帝国主義に気付いて反米論者になった。
日本の自立と独立はアメリカの衰退を待つしか方法がない。それまでは嫌でもアメリカに面従腹背で言いなりになってゆくしかないのだろう。日本の政界、官界、財界を見ても骨のある人物はいなくなってしまった。田中角栄が最後だったのだろう。しかしアメリカに身も心も捧げて日本はそれでいいのだろうか。
イラク戦争を見てアメリカ人の本性が見えてきた。アメリカのキリスト教は狂っている。表面は奇麗事を言っていても、本性では異教徒を人として見てはいないことを収容所の写真は示している。アメリカ人一人一人に聞けば私は違うと誰もが言うだろう。しかしアメリカの福音派の教義をよく見れば異教徒は死んでもやむえないとしている。だからイラクであのような真似が出来るのだ。