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ポール・アドルフ・ボルカー元FRB議長と国際金融マフィア
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投稿者 エンセン 日時 2004 年 5 月 06 日 01:58:42:ieVyGVASbNhvI
 

(回答先: 軍産インナー・サークル 投稿者 エンセン 日時 2004 年 5 月 05 日 12:30:35)

 
これも「最新アメリカの政治地図」からです。


● ポール・アドルフ・ボルカー元FRB議長

米国金融界を代表する大物にポール・アドルフ・ボルカーがいる。彼は1927年9月5日、ニュージャージーに生まれた。プリンストン大学を卒業、ハーバード大学で政治経済学修士号を取得、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスも含めた3つの大学から名誉学位を受けている。

ニューヨーク連邦準備銀行のエコノミスト、チェース・マンハッタン銀行のエコノミスト、財務省通貨担当次官、チェース・マンハッタン銀行副社長、財務次官、ニューヨーク連邦準備銀行総裁を経て、79年にFRB議長に就任する。グリーンスパン議長にバトンタッチする87年までFRB議長を務め、その後、現世界銀行総裁ジェイムズ・ウォルフェンソンに代わってウォルフェンソン商会の会長に就任、社外取締役としてネスレ、アメリカ証券取引所、UAL、そして新生銀行のシニア・アドバイザーを歴任してきた。

71年のニクソンショックの際は、財務次官として世界中を飛び回り、79年からの第二次オイル・ショックでは、FRB議長の立場でインフレに積極果敢に立ち向かいドルの防衛を果たす。そして、85年9月22日、ニューヨークのプラザホテルで行われた日・米・英・仏・西独5ヶ国による蔵相・中央銀行総裁会議(G5)に出席し、ドル安基調へと誘導する「プラザ合意」をまとめあげた。

つまりボルカーは1ドル360円時代からプラザ合意の翌々年まで、財務次官として、そしてFRB議長として、対米追従の国際協調一辺倒の日本当局者による援護も受けながら、ドルと円を自由自在に動かしていたのである。

ニクソンショックから2週間の間に日本の大蔵省が日銀を通じて買い支えたドルは40億ドルにのぼった。円高恐怖症に取りつかれた日本政府の円高不況防止のための積極財政と金融緩和は、石油ショックと相まって「狂乱物価」を招くことになる。円高は、プラザ合意を引き金に、86年に入って原油価格急騰で弾みがつき、87年2月のG7によるルーブル合意、同年10月19日ブラックマンデーによる株式市場の一時暴落を経て、120円突破寸前まで進行する。そして、財政政策の発動が遅れ、金融緩和に比重がかかったこともあってバブルは勢いを増して膨らんでいくことになる。

プラザ合意は、中間選挙を目前に控え、ジェームズ・ベーカー財務長官(当時)が産業界の支持を得るために打ち出した背景もあった。

「強い米国、強いドル」を掲げ81年に登場したレーガン政権は、インフレ、低成長、ドル安の三重苦に対処するため、高金利政策、減税、財政健全化を柱とする経済政策「レーガノミックス」を強力に推し進めた。しかし、76年から77年までCIA長官を務めたブッシュ(父)が承認して組織された「チームB」の誇大なソ連脅威論にも煽られ、財政赤字は拡大、ドル高で貿易赤字も膨らむ未曾有の「双子の赤字」に陥ることになる。プラザ合意はその立て直しのために各国に要請されたものだったが、「チームB」の設立時のメンバーが、対イラク戦争を主導した現在のラムズフェルド国防長官、ウルフォウィッツ国防副長官、リビー副大統領主席補佐官らであり、彼らはまた同じことを繰り返そうとしているかのように見える。


● 国際金融マフィア

G5の存在は以前は秘密主義に徹していた。プラザ合意では、効果を高めるために、米マルフォード財務次官補の発案で初めて声明を出した。日本のメディア各社はG5を「国際金融マフィア」と名付けた。この時の主要メンバーは次の通りである。

○ 米国
ベーカー財務長官、ボルカーFRB議長、ダーマン財務副長官、マルフォード財務次官補

○ 日本
竹下登蔵相、澄田智日銀総裁、大場智満大蔵相財務官、近藤健彦副財務官

○ 西ドイツ
シュトルテンベルグ蔵相、ペール・ドイツ連邦銀行総裁、ティートマイヤー大蔵次官

○ 英国
ローソン蔵相、リーペンバートン・イングランド銀行総裁、リトラー大蔵次官

○ フランス
ベレゴボワ蔵相、カンドシュ・フランス中央銀行総裁、ルベック国庫局長


大蔵省初代財務官も務めた柏木雄介東京銀行会長(当時)は1986年の日本経済新聞「私の履歴書」で国際金融マフィアの原点であるべラジオ・グループについて触れている。ベラジオ・グループには、ボルカーもメンバーとして参加していた。また、この記事は、当時の国際的な金融政策立案過程での政策当局者と学者たちとの軋轢も生の声として描かれている点で貴重な資料と言える。

【ベラジオ・グループは、欧米の経済学者と主要国の国際金融担当者とで構成する、国際金融問題に関する私的な研究会である。フォード財団が資金援助をしており、当面する問題について、自由な討議を重ねることを目指している。
一回目が昭和38年、イタリア・コモ湖畔のリゾート地、ベラジオで開催されており、これがグループ名の由来でもある。以来、年に1.2回の会合を続けていたようだが、私が初めて招待されたのは、43年9月、米プリンストン大で開かれた会合の時。東京銀行の堀江薫雄頭取とご一緒したが、日本人が招かれたのは、これが最初のケースだった。
学者側では、米イエール大のクーパー、フェルナー、トービン教授、プリンストン大のマハループ、シカゴ大のマンデル教授らが顔をそろえ、政策当局者側からはデミング米財務次官、エミンガー西ドイツ連銀理事、ヴァン・レネップ・オランダ大蔵次官(WP3議長、のちOECD事務局長)、イタリア銀行理事でG10代理会議議長のオッソラ氏などが出席していた。総勢26人。
学者と当局者の意見とは往々に対立しがちなもので、「学者は空理空論だけ」「いや政策担当者は目先に目を奪われ、理論的な裏付けがない」などと、相互に不信感を抱き合っているのが実情である。
この会議はその溝を埋めることに主眼を置いており、そのため3日3晩起居をともにして、討議を続ける。自由討論とはいえ、学者の提起する話題は緻密で、分析も深く、生半可な知識、論理では太刀打ちできない。国際会議、あるいは二国間の交渉時に感じる緊張とは別なものを覚えた。
ハロッド、トリフィン、フリードマンといった名だたる経済学者も時に顔を出しており、こちらも対抗上、理論武装しなければと思った。(中略)
さてベラジオ・グループの会合は、私にとては世界の通貨マフィアと、個人的な親交を深める絶好の場でもあった。デミングのあとをついだボルカー米財務次官や、エミンガー氏との接触を通じて得た情報は、何事かで決断を迫られた時に、腹を決める大きな材料となった。(1986年9月27日付日本経済新聞)】


右の内容を米イエール大(当時)のリチャード・N・クーパー教授がハーバード大学で書いた99年の論文から補足したい。

このベラジオ・グループは、フリッツ・マッハルプ、ウィリアム・フェルナー、ロバート・トリフィンの3人の学者がリーダーシップをとっていた。このグループは変動相場制の優位性を政策当局者にアピールする狙いもあり、71年のニクソンショックにも大きな影響を与えた。

なお、記事の中で、「フォード財団」が資金援助となっているが、実際は、「ロックフェラー財団とフォード財団」が正しい。イタリア・コモ湖畔のリゾート地、ベラジオはロックフェラー家が所有しており、フリッツ・マッハルプもロックフェラー・フェローシップを受けている。

ボルカーもかつてはロックフェラー銀行と呼ばれたチェース・マンハッタン銀行出身であり、チェース・マンハッタン銀行会長を務めたデビッド・ロックフェラーが設立したトライラテラル・コミッション(三極委員会=旧日米欧委員会)の北米名誉議長を務めるなど、ロックフェラー家と極めて近い関係にある。

ボルカーは、02年2月にエンロン・スキャンダルで責任を問われた米名門会計事務所アンダーセンが業務改革案作成を依頼するなど、金融以外に会計分野にも影響力を拡大している。2000年には国際会計基準審議会(IASB)で財政と人事権を握る評議委員会の委員長に就任、米国が狙う新たな会計基準を国際標準にするためのボルカー起用との憶測が飛び交っている。つまり国際金融マフィアの頂点に立つ人間が国際会計マフィアを牛耳る構図になっているのである。


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