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この事件も背景が見えない。誰が浅田元会長の逮捕にGOサインの出し、その目的は何?と考えても妄想を超える手掛かりが見えない。
たぶん、浅田元会長にも「なぜ?」はまだ見えていないではないだろうか。
鳥インフルエンザ騒動で会長が自殺した浅田農産の件もあるし...・
今週号の「週刊ポスト5・7/14」P.41〜44に掲載されている「これが「食肉のドン」巨大人脈」より:
「 いつ、誰が呼ばれ、何を聞かれたか−。
「食肉のドン」は、捜査情報をすべて把握していた。「呼べば来る」といってはばからなかった太田房江府知事を始め、行政と捜査機関に張り巡らせたネットワークは、十分に機能していた。4月に入って側近らが、次々に府警の参考人聴取を受けても、「ドン」ことハンナン元会長の浅田満容疑者(65)は、気にしなかった。
「心配せんでエエ。ワシは何も悪いことはしとらん」
「ドン」には、2つの自信があった。
ひとつは、大阪の不正と府警とは、長く“親密な”関係を続けていることから、互いに弱みを握り合った自分を追い込むことなどよもやないであろうという自信である。
もうひとつは、牛肉偽装を指示したという証拠も、偽装を示す物的証拠もないこと。
府警捜査員は「浅田の指示で偽装したといえ」と、参考人を責めたてていたが、浅田容疑者は心配する側近らに、こう説明したという。
「ワシは『ラベルを(国産に)張り替えろ』とか、『偽装しろ』とかいうたことないで」
しかし逮捕数日前には、覚悟を固めた。罪を認めたからではなく、「浅田逮捕」に向けた「国家の意思」を感じたからだ。知人のひとりは、浅田容疑者からこんな“弱音”を聞いている。
「もう、どうにもならん。府警の2課は総員態勢や。ワシだけやなしに、(国産牛肉買い上げ焼却の)制度をつくった官僚や政治家まで狙うとる」
浅田容疑者の盟友ともいえる鈴木宗男元代議士は、外務省と北方領土をめぐる「国策捜査」で拘置所入りを余儀なくされた。カンのいい浅田容疑者は“盟友の二の舞”を覚悟した。
<中略>
浅田容疑者は7人兄弟の次男だが、グループ60社、総売上高3000億円を数えるハンナングループは、浅田容疑者の一度覚えたら忘れないという抜群の記憶力と、ときには非情な経営スタイル、そして「政官暴」にまたがる広範な人脈によって支えられている。
他の舵取り役はいない。自宅を出た浅田容疑者は、府内某所で家族と会い、焼き肉を食べながら最後の夜を過ごしたという。
<中略>
「ワシは大丈夫や。やっとらんことを認めるつもりはない。ただ、そうなると嫌がらせされて、しばらく出てこれんかもわからん」
こうして“準備”を整えた浅田容疑者は、翌日、自宅へ戻り、弁護士と打ち合わせ後、逮捕された。
<中略>
府肉連に輸入牛肉を納入した業者サイドの3容疑者は、最初から「完オチ」に近い。浅田容疑者が認める「国家の意思」と合わせると、府警との戦いが厳しいものになることは間違いない。
浅田容疑者は、1938年12月、大阪府羽曳野市に生まれた。終戦時に7歳。日本全体が貧しいなか、生家の食肉卸の浅田商店を小学生のうちから手伝っていた浅田容疑者は、満足に学校に通うこともなく、食肉商を転々として修行を積み、29歳の時に阪南畜産浅田商店(現ハンナン)を設立する。
<中略>
熱心な働きぶりと、計算高さが認められ、大阪同和食肉事業協同組合の専務理事に就任する。30歳の時だ。こうした食肉団体の役員を割り当て権限を持つ畜産振興事業団(現・農畜産業振興機構)の官僚に食い込み、「輸入牛肉利権」を握ったことが、「ドン」への道を歩むきっかけとなった。
<中略>
数字に関しては特殊な才能があるのか、メモを取らずに記憶した。仕事より他に趣味はなく、酒も飲まない。コップ半分のビールで顔が真っ赤になる下戸。人並みに女遊びはするが、特定の女性しか付き合わず、「酒池肉林」のタイプではない。
<中略>
だが、その儲けぶりと、接待攻勢で政治家や官僚を籠絡する手口はさすがに目立った。87年10月、浅田容疑者は畜産振興事業団の食肉部長に現金を贈ったとして、警視庁に逮捕されている。
その時の取り調べを通じて、浅田容疑者は難しい漢字を覚えたという。「報告書」は部下に2度読ませて頭にたたき込み、決済を下すというやり方をとった。奇しくも、それまで「漢字」を拒否してきた浅田容疑者に、初めて訪れた修学の機会だったといえるかも知れない。
この裁判では執行猶予付きの判決を受けたが、「ドン」の座はビクともしなかった。逆にその後、海外に積極的に進出。金融、不動産、土建業などへと、それまで蓄積した資産を投入した。ハンナングループはますます隆盛を極め、3000億円企業となった。
雨の日にしか靴を履けず、肉を扱いながらも口にするのはホルモン、といった生活から身を興し、数千億円ともいわれる資産を築いた浅田容疑者は、「カネの効用」を誰よりも知る。
故・中川一郎(元農水相)、野中広務(元自民党幹事長)、鈴木宗男(元自民党総務局長)、松岡利勝(元の薄い副大臣)といった政治家と「ドン」との関係はよく知られているが、「ムダなカネは撒かない人」(大阪の政界関係者)である。
<中略>
「役に立つか立たないか」「敵か味方か」−問いがシンプルなだけに、易きに流れて浅田容疑者の“世話”になる政治家は少なくなかった。
警察と暴力団。この二大装置も“踏み絵”を踏んだ。
「大阪府警に(浅田逮捕が)できるのか」
長年、こういわれ続けたのは、「浅田マネー」がそれだけ府警内を汚染していたからだ。そして、3男・照次氏、4男・英教氏の両弟が、昔、「任侠の世界」に足を踏み入れていたこともあって、暴力団系企業から話が持ち込まれることも多かったが、やはり浅田容疑者は「役に立つか立たないか」で、シビアに選別した。
「なにより、浅田さんは(山口組)五代目の渡辺(芳則)組長としかつきあいませんわ。渡辺組長とは長い仲なんです」(暴力団幹部)
<中略>
比肩する者はいないほどの富と力を手にしながらも、死ぬまで働くつもりだった浅田容疑者だが、国のカネを詐取したという容疑を晴らすのは容易ではない。さらに捜査当局は、今考えれば摩訶不思議というしかない「国産牛肉買い上げ焼却制度」を誰が作ったのか、そこに“ハンナンマネー”は動いていないかを焦点に、贈収賄での立件を視野に入れた第2弾の捜査に動き始めた。
ついに「ドン」の逮捕にまで至った牛肉偽装事件は、政官界を含めた一大疑獄へと発展する様相を呈している。」