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小学生の4割は「太陽が地球の周囲を回っている」と思っている――。国立天文台の縣(あがた)秀彦助教授らが行った調査で、天文現象に対する子供たちの理解の乏しさが浮き彫りになった。
調査は2月、長野市と北海道上富良野町の公立小学校の4、5年生計116人を対象に行った。「地球は太陽のまわりを回っている」「太陽は地球のまわりを回っている」という2つの文章から正しいものを選ばせたところ、41%が“天動説”を選んだ。
同助教授らはまた、2001―2004年の間に、長野市、上富良野町、広島市、東京都三鷹市の小学校4―6年生の約500人に対する調査も実施。「日が沈む方角はどこか」「月の形が毎日変わるのはなぜか」という質問の答えを4つの選択肢から選ばせた。
日没の方角を西と答えたのは71%だったが、月の形が変わる理由を「地球から見て月と太陽の位置関係が変わるから」と正しく答えた子供は49%に過ぎなかった。「月が地球のかげに入るから」という誤答が多く、少数だが「いろいろな形の月があるから」という解答を選んだ児童もいた。
この結果について、縣助教授は「現在の学習指導要領が、目で見える事象の観察や実験を強調し、なぜそういう現象が起きるのかを考えさせる仕組みになっていないため」と分析。地球と太陽、月の関係を鳥観的にとらえることなども授業に取り入れるべきだと話している。(読売新聞)
[4月12日14時43分更新]