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★ 「古い文化は遠隔の地に温存される」というセオリーを証明するかのように、アイヌ語とバスク語ないしカフカズ諸語群は、それぞれ、世界の辺境?である日本列島、ピレネー山脈、およびカフカズ山脈に残存している。
最近のミトコンドリア分析によれば、近世アイヌ人は、日本列島の太古からの先住民(オーストロネシア主体?)である縄文人からの変化が少なく、朝鮮半島経由のアルタイ系の渡来人の影響を余り受けていないと考えられる。
弥生文化は、移住民の渡来によって縄文文化が変化したもので、言語も縄文語が渡来語によって影響(渡来語の借用から混合へと度合いを増して行った)されて弥生語が出来たものと考えられる。
参照:アイヌ語と縄文語の関係
■ アイヌ語とバスク語ないしカフカズ諸語群
バスク語は、スペイン(公用約48万)とフランス(公用約12万)の国境、ピレネー山脈北部で話される。世界のどの言語とも親族関係が無く、孤島語としては世界一有名。日本語との親族関係を指摘する学説もある。
イベリア半島では正体不明の非印欧語族の痕跡も見つかっており、バスク語は、氷河時代から存在していた先住民族の言語ではと考えられている。
カフカズ諸語群は、黒海とカスピ海の間に位置するコーカサス山脈の険しい峡谷に周囲を囲まれた要塞のような地勢により、一つの言語でなく30以上の方言が生き残った事から「諸語群」と呼ばれ、アゼル語、グルジア語(カルトゥヴェリ語)等がある。
このカフカズ諸語群は、日本語同様、主語に、主格「が」と能格「は」の使い分けがあり、ロシア語とは異なり、前置詞ではなく後置詞を使うなどから、同じヨーロッパの孤島語であるバスク語との親族関係が有力視されている。
グルジア語は、5個の母音音素と28個の子音音素があり、表記する際は33個のグルジア文字を使う。
参照:日本グルジア協会
グルジア語では、バスク語や日本語同様、文における語の順序はS+O+Vを基本とし、名詞の前に形容詞が置かれる。冠詞はなく、人称代名詞は一人称、二人称、三人称があり、それぞれ単数形と複数形に分けられるが、性別はない。
グルジア語の名詞には主格、呼格、与格、生格、能格、造格、状況格の7つの格があるが、特徴的なのは能格の存在である。能格は他動詞の主語になる格で、ほかのカフカズ諸語やバスク語、イヌイット語、さらにはシュメール語などにもある。
グルジア語は、バスク語同様に、動詞が、主語だけでなく、目的語の人称・単複にも対応して変わるため、複雑な変化形があり、また、数詞が20進法に基づいている。
これらの点は、現在の日本語とは異なるものの、アイヌ語やバスク語、およびバスクに近隣のフランス語の特徴でもある。
参照:グルジア語の勉強帖
各言語ひとくち紹介_早稲田大学語学教育研究所
■ 語彙比較
★ 日本語は、ネパール語・ヨーロッパ語・アイヌ語とより多く似ており、朝鮮語とは余り似ていない。
バスク民族は西はポルトガル、東はフランスという二つの強い国に挟まれながらも、ピレネー山脈に拠って民族の独立性を現代まで保ち続けてきた。バスクの人びとを我々が見ると、容貌は周辺のポルトガル人やフランス人と見分けがつかない。
「民族の独立性」ということの中核にあるものは言語であり、言葉や習慣だけが独自なのだ。バスクの言語は周辺とは全く異なり、ヨーロッパ語とは凡そ似ておらず、言語系統樹の上でもはみ出ている。
参照:「言語の孤島・バスク語 バスク語と日本語・アイヌ語 類似語彙 一覧表」
大学書林刊 吉田浩美著『バスク語常用6000語』より
金属器がなかった時代の一つの氏族語の語彙数は、同義語を1ヶとして計算すれば、約2600の語彙があれば暮らしには不自由しなかった。昔になればなるほど、使用される語彙の数は少ないのが原則。
「ヨーロッパ〜インドの金属製錬士がシナ江南の地に入った」のだから、そこに遣われていた語彙数は6000内外と踏んでもいい。アイヌ語々彙の中には、100前後のゲルマン語が含まれている。
参照:ネパール語にご注目
そういう6000語彙の状況下にあって、
▽「ネパール語と日本語は1000ペア以上の類似語」が見られる、
▽「ヨーロッパ語と日本語は800ペアの類似語」、
▽「アイヌ語と日本語は420ペアの類似語」、
▽「タミル語(インド東南部)と日本語は350ペアの類似語」、
▽「レプチャ語(インド・シッキム州)と日本語は200のペアの類似語」。
▽「メンパ語(ブータン王国のメンパ族)と日本語は200のペアの類似語」。
ところが、
▽「朝鮮語と日本語は140ペアの類似」にすぎない。
ネパール語での特徴は、日本古代の神・天皇・制度・地名・人名が見事に意味付けされて現代に復帰する。
日本語ができるまでに、雪崩込んだ主要関連語には、基礎語には南方系とチベット・ヒマラヤ語があり、文化語にはネパール語が支配的だった。
古い文化は遠隔の地に温存される。同じネパール語でも、交通が便利な平野部では語形も変化し易いし、新しく入ってくる語彙もあれば、消える語彙もある。
ネパール方面から江南〜津軽にやってきた金属製錬士(カニシ)の群れは、どんなに遅くみても、その第一旅団はBC2000年にはもう来ていたと思う。
それらの、我々の先祖の一部となったネパール系カニシ(金属製錬士)が使用していた言語が、そっくりそのままに現在のネパール語とは重ならないことは、実証抜きで言える(現在でもネパール国内には36もの亜流ネパール語が遣われている)。
新泉社から『言語学の謎を解く-アイヌ・レプチャ語は古代世界語だ-』を出された建林健司氏の射程距離は長く、ヨーロッパの奥地まで達している。