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アメリカン航空が乗客データ提供を告白、米運輸保安局の嘘が明らかに(上) [hotwired]
http://www.asyura2.com/0403/bd34/msg/1041.html
投稿者 乃依 日時 2004 年 4 月 17 日 03:25:25:YTmYN2QYOSlOI
 

http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20040415203.html

アメリカン航空が乗客データ提供を告白、米運輸保安局の嘘が明らかに(上)

Ryan Singel



2004年4月12日 12:00pm PT
 米アメリカン航空が9日(米国時間)、政府の契約業者4社に100万人以上の乗客データを提供したと明らかにしたことから、米運輸保安局(TSA)の幹部たちが、航空旅客の身元を調査する『乗客事前識別コンピューター・システム2』(CAPPS 2)の開発に関して繰り返し虚偽の声明を出していたことが判明した。



 数ヵ月前から、TSAに大量の乗客データを提供したという航空会社の告白が相次いでいる。TSAの幹部は過去8ヵ月にわたって、乗客データを収集した事実はないと繰り返し述べていた。今回のアメリカン航空の発表により、なぜTSAがデータ収集について虚偽の情報を流したのかという疑問が浮上している。



 TSAはまた、その行動を監視する調査委員会に対しても情報を不正に隠していた可能性がある。



 国土安全保障省で最高プライバシー責任者を務めるヌーラ・オコーナー・ケリー氏は、アメリカン航空の乗客データ提供について正式な調査を始めたことを明らかにした。昨年9月には、米ジェットブルー航空が2002年に米国防総省の契約業者に約500万人分の乗客データを渡したことが判明している(日本語記事)。オコーナー・ケリー氏はこの事件におけるTSAの役割について2月に発表した報告書のなかで、データ提供の事実を知らなかったと書いている。



 「できるだけ迅速な調査を行ない、結果を公表する」と、オコーナー・ケリー氏は述べた。



 TSAが今年中の開始を目指しているCAPPS 2は、乗客の誕生日や自宅の電話番号などを民間や政府のデータベースと照合し、テロリストや指名手配者の搭乗を阻止しようとするものだ。



 TSAはこのシステムの効果を確認するため、アメリカン航空に対し、TSAの契約業者に乗客情報を提供するよう要請した。アメリカン航空はこれを承諾し、自社の乗客データベースを保管している米エアライン・オートメーション社がTSAに協力するよう手配した。そしてTSAはエアライン・オートメーション社に、大量の乗客データを契約業者のもとへ送らせたという。アメリカン航空は、TSAの契約業者への直接データ提供を許可したことはないと主張しているが、エアライン・オートメーション社は、アメリカン航空の指示があったと反論している。



 米国人の個人記録を契約業者に提供するよう命じたとすれば、TSAの職員はプライバシー法に違反している可能性がある。プライバシー法は、政府機関やその契約業者に対し、米国民のデータベースを保有する場合はその事実を明らかにするよう義務づけている。これを怠った場合、軽罪として5000ドル以下の罰金を科される可能性がある。



 オコーナー・ケリー氏は、ジェットブルー航空のデータ提供に関する報告書(PDFファイル)で、国土安全保障省が民間企業にデータの提出を求めるときの手続きについて指針を示した。この指針に従えば、今回のケースでTSAが法に違反したとオコーナー・ケリー氏が判断する可能性は高い。



 オコーナー・ケリー氏はこの報告書で、TSAの職員がプライバシー法の精神に背いたことを非難し、「現行のプライバシー法は、政府の契約業者がプライバシー法に従うよう求めている」と書いている。



 ジェットブルー社の乗客データ提供が発覚した後、TSAの広報担当者はワイアードニュースの取材に対し、TSAはCAPPS 2のテストに乗客記録を利用したことも、契約業者に乗客記録を渡したこともないと答えていた。



 しかしアメリカン航空は9日午後、2002年6月に120万人分の乗客記録を、CAPPS 2を推進する政府の契約業者4社――米ロッキード・マーチン社、米インフォグライド・ソフトウェア社、米アセント・テクノロジー社、米HNCソフトウェア社[2002年8月5日米フェア・アイザック社と合併]――に提供したことを明らかにしている。



 『ワシントン・ポスト』紙の2002年の記事によると、同年この4社は、テロリストの搭乗を発見できるコンピューター・アルゴリズムのテストを目的として、それぞれ22万5000ドルから55万ドルをTSAから受け取ったという。TSAの広報担当者は後に、この記事が正しいことを認めている。



 政府のデータマイニング計画を支援するため大量の顧客情報を提供したことを認めた米国内の大手航空会社としては、2003年9月のジェットブルー航空、今年1月の米ノースウエスト航空に続いて、アメリカン航空が3番目となる。ジェットブルー航空のスキャンダルが明らかになったとき、ノースウエスト航空とアメリカン航空は報道陣に対して虚偽の情報を提供し、自分たちは顧客情報を渡したことは一度もないと述べていた。



 アメリカン航空も、ジェットブルー航空(日本語版記事)、ノースウエスト航空と同様、利用客から集団訴訟を起こされている。アメリカン航空に対する訴状は12日、テキサス州北部の連邦地方裁判所に提出された。



 ジェットブルー航空によるデータ提供の証拠を最初につかんだプライバシー擁護派の活動家、エドワード・ハスブルック氏は、昨年9月に事件が発覚したとき、米国防総省の契約業者である米トーチ・コンセプツ社がデータマイニング調査のために数百万人分の乗客記録を入手するのに手を貸したTSAが、データマイニング・アルゴリズムの開発をしているTSA自身の契約業者に同じことをしなかったのは不思議だと疑問を表明した。



 「契約業者たちは、TSAが技術を評価し最善の選択ができるように、乗客記録を必要としているはずだ。だとすれば、TSAは嘘をついているか、あるいは無能かのどちらかということになる」と、当時ハスブルック氏は話していた。



(4/16に続く)



[日本語版:鎌田真由子/高森郁哉]
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