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(回答先: 米政府:北朝鮮濃縮ウラン計画、98年ごろ把握 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 2 月 19 日 08:12:21)
【ワシントン中島哲夫】米政府がクリントン政権時代の98年ごろから北朝鮮の高濃縮ウラン開発計画の存在を知っていたという当時の当局者の証言は、機密情報と外交の複雑な関係を示すと同時に、クリントン政権とブッシュ政権にまたがる対北朝鮮政策の問題点を浮き彫りにした。北朝鮮の核計画の全廃を求めることは正しいにしても、その経緯と手法に疑問や批判を招きかねない。
証言の核心は情報入手の時期そのものだ。クリントン政権下の米朝枠組み合意(94年)により、兵器用プルトニウムを生産できる北朝鮮の黒鉛減速型原子炉体系は凍結、封印された。しかし同政権は北朝鮮の核兵器開発の野望を疑い続け、99年には核疑惑が浮上した金倉里(クムチャンリ)の地下施設を国務省専門家チームが調べた。
一方で同政権は、00年10月に北朝鮮の趙明禄(チョミョンロク)・国防副委員長の訪米を受け入れ、オルブライト国務長官(当時)が訪朝するなど米朝関係改善を演出。クリントン大統領自身も訪朝を検討した。
この点について元当局者は、同大統領が訪朝していれば枠組み合意の改訂に成功したかもしれないと述べたが一般的には「あまりに裏表のある政策」とも見えるだろう。
次にブッシュ政権は、元当局者によれば情報の引継ぎを受けたが「何もしなかった」。ケリー国務次官補(東アジア・太平洋担当)らが02年10月初めに訪朝し、「夏の間」に入手した高濃縮ウラン計画に関する新証拠を突きつけたら北朝鮮側が認めたと発表したが、当時のブッシュ政権の激怒ぶりと「交渉の余地はない」といった強硬姿勢は、少なくとも基本的な情報を前政権から引き継いだにしては不自然だ。
また韓国政府は同月21日、「99年に北朝鮮がウラン濃縮関連装備を導入したとの情報を入手し、米政府に通報した」と公表したが、その後の03年2月11日、米上院予算委員会でパウエル国務長官は「ここ数カ月の間に浮上した問題だ」と明言した。こうした米側の不透明さが、北朝鮮の同計画否定に若干の説得力を持たせ、米韓の立場の食い違いの一因になったことは否めない。
クリントン政権時代の「枠組み合意見直し」検討も含め、元当局者の証言は極めて生々しい。外交上、あらゆる情報の開示は無理だが、特に日米韓の結束を阻害するような疑念は払っておくべきだろう。イラクの大量破壊兵器問題という前例もある。
[毎日新聞2月19日] ( 2004-02-19-03:00 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040219k0000m030146000c.html