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【ワシントン和田浩明】北朝鮮による核兵器用の高濃縮ウラン開発計画の存在を米政府が98年ごろ既に把握していたことを、当時のクリントン政権当局者が17日、毎日新聞に明らかにした。同政権は米朝枠組み合意(94年)の見直しを検討したが韓国の反対などで果たせず、問題はブッシュ政権に引き継がれたという。25日から北京で始まる6カ国協議を前に、米国の元当局者の新たな証言が出たことで、同計画の存在を否定する北朝鮮の主張が大きく揺らぐと同時に、米国の政策の不透明な側面も明らかになった。
証言した元当局者は、クリントン政権の対北朝鮮政策に直接関与し、米国が得た情報と米朝交渉のほぼ全容を知りうる立場にあった。
ブッシュ政権は「02年夏」に高濃縮ウラン開発計画の確実な情報を入手し、同年10月の米朝会談で北朝鮮側が計画の存在を認めたと説明してきたが、元当局者はブッシュ政権が01年1月の発足当初から計画を知りながら放置し「事態が悪化した」と批判した。
元当局者は98年ごろに入手した情報について、計画着手後、早い段階のもので、材料などの入手先としては「長年関係のあった」パキスタンが含まれていたと述べた。
それ以上の詳細は明らかにしなかったが、その後の追加情報も含めて米政府は危機感を抱き、米朝枠組み合意で北朝鮮に提供予定の軽水炉2基のうち1基を火力発電所などの「通常発電設備」に置き換える代替案や、査察の強化を00年に検討したと証言。しかし韓国政府が当時の金大中(キムデジュン)大統領の包容政策(太陽政策)などを背景に反対し、米側の政権交代もあって頓挫したと明らかにした。
こうした経緯については「日本側も承知していたものと思う」と元当局者は話した。
北朝鮮は最近、高濃縮ウラン開発計画の存在を全面否定しているが、元当局者の証言内容からみて否定には無理がある。核技術拡散問題をめぐり、最近、パキスタンの核科学者が新たな「告白」をしたこともあり、米国は25日からの6カ国協議で強い交渉姿勢をとるものとみられる。
一方、計画の存在を知りながら表面上の米朝関係改善を進めたクリントン政権や、「02年夏」より前には情報がなかったかのように説明してきたブッシュ政権も、批判を浴びる余地がある。
[毎日新聞2月19日] ( 2004-02-19-03:00 )
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20040219k0000m030134000c.html