現在地 HOME > 掲示板 > 戦争47 > 592.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
イラクに陸上自衛隊の宿営地を設営する施設部隊が3日出発したことで、政府は撤退時期の見通しの立たない長期派遣の道に足を踏み入れる。治安が極度に悪化した場合に撤退できるかが国会審議の焦点となっているが、イラクの復興がどこまで進めば「任務終了」といえるのかも明確ではない。「テロとの戦い」でインド洋に派遣された海上自衛隊の給油活動もすでに2年が経過し、自衛隊の海外派遣は米国の海外戦略に組み込まれる形で恒常化してきた。
「このイラク復興支援、失敗させるわけにはいきません」。小泉純一郎首相は1日、陸上自衛隊旭川駐屯地で行われたイラク派遣本隊の隊旗授与式でこう訓示し、施設部隊を含む本隊派遣が始まれば、もう後戻りのできなくなることを強調した。仮に自衛隊員に犠牲者が出て撤退すればテロに屈したことになるうえ、野党の反対を押して派遣した政治責任を問われる。
首相は不測の事態の撤退基準を問われても「自衛隊が出て行かなくても民間人が活動できるような状況になれば自衛隊は撤退できる。早くそういう事態になればいい」と、任務終了時の撤退しか想定していないような発言を繰り返している。
給水や医療などの陸自の復興支援活動は4月以降、本格化する見込みだが、昨年12月に閣議決定した自衛隊派遣の基本計画に盛り込まれた1年間の派遣期間は延長を前提とした暫定的なものに過ぎない。イラク復興特別措置法は「復興というイメージから多少長い時間が必要」(福田康夫官房長官)との理由で4年間の時限立法とされたが、同法の成立した昨年7月以降のイラクの治安悪化は復興の見通しを一層、不透明にしている。
日米同盟の強化が進む中、イラクとインド洋での派遣任務が終了しても、米軍の行動によっては次の海外派遣を迫られる可能性もある。政府が昨年末の閣議決定で国際貢献を自衛隊の主任務とする防衛大綱の見直し方針を打ち出し、自衛隊海外派遣の恒久法を検討しているのも、そういった事態を想定したものだ。【平田崇浩】
[毎日新聞2月3日] ( 2004-02-03-15:04 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20040203k0000e040072000c.html