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イラク戦争―脅威が幻だったのなら(朝日新聞・社説) −”米国自身さえ大揺れのいま、日本はそんな論議は知らぬげにあの戦争は正しかったの一辺倒で突き進んでいいのか”
http://www.asyura2.com/0401/war47/msg/156.html
投稿者 シジミ 日時 2004 年 1 月 26 日 08:30:51:eWn45SEFYZ1R.
 

(回答先: イラクの大量破壊兵器捜索を指揮してきたCIA特別顧問、デビッド・ケイ氏が辞任 投稿者 juggernaut 日時 2004 年 1 月 25 日 02:23:00)

http://www.asahi.com/paper/editorial.html

米英両国がイラクに軍事侵攻するにあたって掲げた第一の理由は、イラクが隠し持っている大量破壊兵器(WMD)を見つけ出し、廃棄することだった。国連の査察では差し迫った脅威であるこれら兵器の隠匿を暴けないとして、明確な国連安保理決議がないまま戦争に踏み切った。

 ところが、全土を占領してから9カ月の間、各地を探しても、核兵器も生物化学兵器も発見されない。化学兵器が使われた80年代のイラン・イラク戦争の遺物と思われる朽ちた砲弾が確認されたくらいだ。

 脅威は幻だったのではないか。世界がそうした疑問を深めるなかで、ついにと言うべきか、ブッシュ米政権内部からも本音と思われる告白が飛び出した。

 イラクのWMD調査団長を辞任したデビッド・ケイ氏が、開戦の段階でイラクに生物化学兵器の備蓄があったとは思えないと語ったのだ。核兵器も開発の初期で、ブッシュ政権による当時の脅威の主張が見当違いだったことを強く示唆している。

 この発言について記者団に問われたパウエル国務長官も、イラクがWMDを実際に保有していたかどうかは「未決着の問題」と述べた。開戦直前の安保理で衛星写真や通信傍受記録を示し、脅威の存在を声高に訴えたあのパウエル氏がである。

 イラクを独裁の恐怖から解放し、将来の脅威の芽を摘んだだけでも戦争は正当だった。ブッシュ大統領もブレア英首相もそう主張し、復興に目を向けようと言う。

 しかし、国際秩序の土台である国連憲章は、明らかに自衛の場合か、安保理が承認した場合にしか戦争を認めていない。大義を後付けして、あの戦争が正しかったか否かをあいまいにすることは、国際社会のためにも米国のためにもならない。

 米政府は調査を続けるというが、米英が恐れたような大量のWMDが見つかる公算はきわめて小さいと考えざるを得ない。

 米英首脳がなぜ誤った情報や分析に踊らされたのか。湾岸戦争以来の宿願であるフセイン政権の打倒が先にありきで、WMD問題はそのための方便だったのではないか。米英両政府は真相を調べあげ、包み隠さず国際社会に説明する責任がある。そうでないと、開戦をめぐって分裂した世界が戦後のイラク復興で足並みをそろえられない現状が、いつまでも続くことになる。

 先制攻撃を組み込んだブッシュ戦略に対する国際社会の警戒や不信も深まりこそすれ、和らぐことはあるまい。

 小泉首相にとっても、深刻な問いかけのはずである。「WMDはいずれ見つかる」とは最近さすがに語らなくなったが、戦争への支持を言い、きょうにも占領下のイラクへ陸上自衛隊本隊の派遣命令を出す。

 戦争の大義をめぐって米国自身さえ大揺れのいま、日本はそんな論議は知らぬげに、あの戦争は正しかったの一辺倒で突き進んでいいのだろうか。


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