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※ 関連部分のみの抜粋
第159回国会 イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会 第3号
平成十六年二月五日(木曜日)
午後一時開会
○委員長(清水達雄君) 関連質疑を許します。若林秀樹君。
○若林秀樹君 民主党の若林でございます。
いよいよ陸上自衛隊本隊がクウェートに入られたようであります。民主党は自衛隊派遣反対の立場でありますけれども、自衛隊の方が任務を遂行され、無事に帰還されることは民主党のもちろん思いでもありますし、心の中で黄色いリボンをかざしているということは言えるんではないかなというふうに思います。
今日は二十分しかありませんので、外交官の襲撃事件の件に絞っていろいろ御質問させていただきたいと思います。
私は、前回の十二月の十六日の質問におきまして、日本政府は自衛隊を送る資格がない、その前にやることはあるんではないかということを申し上げました。それは、やはり文民の外交官が川口大臣のある命によって行って殺されているわけですから、その真相解明なくしては、私は自衛隊を本当に派遣できる資格があるんだろうかということを言ったわけであります。
小泉総理は、私はこの事件があったときに、しばらくそういう話はないだろうと思ったら、むしろそれをばねにして、テロには屈しない、だから自衛隊を派遣するんだということをおっしゃいました。私は、これはすごい政治的なすばらしいセンスだなと、本当に敬服しているところであります。そこまでやはり、小泉さすが総理だなというふうに思ったわけですけれども、しかし、どこにテロだという証拠があるんでしょうか。それがいまだかつて解明されてないんですね。
私は、そのとき解明してほしいと訴えましたけれども、まあ二週間後でしたからそこでやめましたけれども、この二か月間たって何にも解明されていないということが私は非常にふがいない思いで一杯であります。
まず小泉総理にお伺いしたいのは、総理としてこの事件の真相解明に対してどういうリーダーシップを取ってきたのか、外務省、警察庁あるいは関係機関にどのような指示を出したのか、それをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、外交官が殺害されたから自衛隊を派遣したということではありません。外交官の死を無にしないためにも、日本として復興支援、人道支援、イラクをテロリストの温床にしてはいけない、何ができるかということを考えて自衛隊派遣を決断したわけであります。
外交官の死の原因究明については、政府を挙げて取り組むよう、既に外務省等関係当局に指示しております。
○若林秀樹君 指示をしたといえども、その動きが何も見えてこないですし、現実に何も明らかになっておりません。
そこで、川口大臣にお伺いしたいんですけれども、前回お伺いしたときには、イラク人の専門家も含め派遣して、現在、鋭意調査中であると。じゃ、今までに分かったことは何なのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) これは、先ほど警察庁の方からも別な委員の御質問に対して細かい御説明ございましたけれども、私どもが今把握をしていることといいますのは、車について、弾丸が、痕跡が左側に集中をしている。それから、金銭等が残っていますので、恐らくテロの公算が大きいだろうということであります。
そして、解剖、司法解剖の結果については専門家の口からお話がございましたので、私から申し上げるということは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
それから、事故の、事件の発生の時間につきましては、これはよく分かっていないところが多いわけですけれども、場所がティクリートの南約三十キロの地点であって、ティクリートに向けて、十時、バグダッドを出発をして向かっていたわけですけれども、上村イラク大使館の臨時代理大使が電話で奥大使と最後の連絡を取ったのが正午ごろでありましたので、それ以降であるということですが、それ以上は特定をされていないということでございます。
それから、道路わきの売店に寄ったのではないか、そのときに襲撃をされたという報道、情報が一時ありましたけれども、それはそうではないということが言われたということでございまして、先ほどの鑑定の結果というのは、口径七・六二ミリ程度の銃から発射をされたと推定をされると、そういうことであったということです。
○若林秀樹君 今伺ったことは日本の警察庁が司法解剖を通して分かったことであり、一方、銃撃の時間がどうだったこうだったというのは十二月の八日の時点と全くそれは変わっていません。つまり、何も分かっていないんです、現実的には。
じゃ、イラクの専門家を派遣して、現地で調査したわけですよね。それについては全然分かっていないということですから、改めてそれは別の機会にお伺いしますけれども、時間がありませんので、じゃ、事実関係についてちょっとお伺いしたいと思います。
昨日までに、私も時間のセーブのために外務省に事実関係をもう一度確認いたしました。今、二時間たって十二時ごろ最後の連絡ということなんですが、去年の十二月の時点でこれは十一時になっていましたが、一時間、これは訂正されたわけです。
まずお伺いしたいのは、恐らくこのCPAが主宰している会議にはCPAから幹部が行っているわけですね。奥さんが出発する前にその幹部の皆さん方は車列を組んでティクリートに向かわれたということが、ほぼ私はやっぱり想定されるべきだというふうに思います。その幹部の方は、外務省に聞いたら、特定はできないということで、それなりのレベルの人が行きましたと、出席していますという話がありました。
まずお伺いしたいのは、奥大使の車が、館用車がナンバープレートを外しているということは、これはよくやられていることなのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(堂道秀明君) お答え申し上げます。
大使館の館用車でございますけれども、これについては治安上の理由によりナンバープレートを外して走行していることがかなり多くございました。当日についても、奥大使以下はナンバープレートを外して走行しておったと承知しております。
○若林秀樹君 奥大使が取り得るリスクの最小化の一つとしてそういうことがあったんだろうというふうに思いますが、逆に、外していればそれが不審車と思われる可能性も同時にあった可能性はあると思います。
そのときに、あそこの街道は、高速道路、二車線から三車線なんですけれども、一番危険なところで、よく死の街道と言われているんですが、これは大臣にお伺いしたいんですけれども、川口大臣にお伺いしたいんですけれども、そういうときに、事前にCPAに、ここを通るよという行動計画書みたいのは出す必要はあるのかどうか。もし、出していたのかどうか。その辺についてちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) そういうことが必要であったというふうには聞いておりません。
○若林秀樹君 そういうことはないと、必要がないということでもちろん出していないというわけですね。
ですから、ちょうどこの十一月というのは一番米軍が攻撃された時期でありまして、その先週、先々週も非常に亡くなったということで、かなり米軍も警備等は厳しかったというふうに想定されるわけであります。
先ほど、いつ襲撃されたかというのが特定できていないということなんですが、百六、七十キロありますので、百五十キロで飛ばせば、おおむね近いところまで行って十二時で、さっき三十キロというふうにもうおっしゃられましたからあれですけれども、最後に通告をして、その後に攻撃された可能性が非常にやっぱり強いというふうに見ています。
そのときに、空白の六時間というのがありまして、米軍が、CPAが在イラク大使に報告するのが六時四十分であります。この間に六時間も間が空いているんですが、最初に米軍が発表したのは、道路わきで売店で飲食物を買うために停車して車外で襲われたという情報がありまして、この誤情報が訂正されたのは十二月の五日なんですね、六日後。十二月三日にはこの襲撃された車の写真のメールを外務省に送っているんです。その二日後にやっているというこの情報のいい加減さもひどいですけれども、これ自体が非常に信用できないのではないかなというふうにもちろん思いますけれども、いつ米軍がこの事件を知ったかということに対して、外務省の答えは、三時四十五分に部族長から聞いて一報を受けたと。六時四十分には日本人が殺されたのでCPAが在イラク大使に連絡をしたということで、日本人かどうかも特定できるものはないわけです。パスポートもなくて、そういうものを証明するものがなくて、断言してCPAから在イラク大使に日本人が殺されたということ自体が不思議だと思いますが、この辺はどうでしょうか、川口大臣。
○政府参考人(堂道秀明君) 御指摘の点については、まだ調査、捜査を行ってございますけれども、基本的に私どもの理解している点は次のとおりでございます。
まず、事件が発生いたしまして、その特定、発生した時期については先ほど、時刻については先ほど大臣から御答弁したとおりでございます。この空白でございますが、私どもが理解しているのは、最初に発見者は地元の住民だというふうに理解しております。それからイラクの警察に通報され、さらに米軍に通報されたということであります。
その日本人らしきという情報については、直ちに私どもの方にも連絡がございました。しかしながら、この身元を特定するものがなかなか見付からず、その間の確認をするために時間を要したというふうに承知しております。
○若林秀樹君 日本人らしきというのか、本当に日本人なのか分かるのかどうか。翌日には韓国の人が通って襲撃されておりますし、何も証明するものがなくて、断定して大使館に連絡をしたということ自体が、かなり私はそこがちょっと情報がいい加減ではないかなというふうに思っております。
そして、深夜になってパスポートが発見され、身元が確認されたということになっていますから、そういうものが何もない中で日本人だと断定して、これはそういうことで大使館に連絡したということ自体が、一連の情報を含めて非常に怪しいのではないかなというふうに思っているところであります。
その上で、今資料をちょっと配っていただきたいんですけれども。
〔資料配付〕
○若林秀樹君 まず、配っている間に大臣にお伺いしたいんですが、襲撃された車の写真を米軍から送られた枚数なんですけれども、前回は忘れましたのでという答弁がありましたので、今は思い出していらっしゃる、事前に通告しましたので、何枚送られたんでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 十一枚でございます。
前回も、もし事前にそういう質問があるということを伺っていたら、十一枚とお答えできたんですけれども、突然でしたので、記憶にないと申し上げたわけです。
○若林秀樹君 司法解剖の結果等についての質問は後の方に譲らさせていただきたいと思います。
今配らさせていただいた襲撃された車の写真はそのうちの三枚でありまして、よく見ていただきたいと思います。
これから私のある部分での推論も含めてお話をしたいというふうに思いますけれども、一枚目の写真であります。非常に正確にねらいを定めて撃った跡があります。情報では三十発前後の弾痕が左側に的中をしているということで、比較的これは窓に集中しているんではないかなというふうに思います。つまり、弾痕が余り拡散していないんですね。かなり集中的に、それはターゲットを絞ってどんと撃ったという感じが見られるわけであります。
これは先週、首藤委員が、カラシニコフをモデルガンで使ったらなかなかそれはできないんだみたいなお話はありましたけれども、私も知っている限りでは、カラシニコフというのは、比較的腰だめというんですか、腰に当てて撃つ。ですから、窓を開けていたら、だったら撃てるというような状況にはならなくて、やっぱり銃は拡散したり、中に、車の中に入れていたら、もうそれこそ薬きょうと硝煙でそんな撃てるような状況じゃないという意味では、これは非常に、かなり高度な銃で撃たれたということは言えるんではないかなというふうに思います。
じゃ、二枚目を。
この二枚目の写真が私はずっと引っ掛かっていたんですけれども、ようやく自分自身の納得した答えは、どこがおかしいかというと、片側から撃たれているにもかかわらず、こちらは何も跡がないということでありまして、やはり軽防弾車といえども通過したら何らかの傷跡はあってもいいんじゃないか。つまり、やはり高い位置からこれは撃たれたというのが言えると思います。下のそこが、横の側面のところはそれは防弾車で硬いから、ですからそこに止まっている可能性はかなり高いということで、これで私のこれまでのすべての、この二か月間考えたところが、疑問が少し消えました。
三枚目を見ていただきたいんですけれども、これは前からの写真でありまして、二か所の銃弾の跡があります。つまり、高いところからこれを撃っていると。で、ボンネットの先端に撃ち、ウインドーの真ん中に撃ちということは、これは、前から撃ったのにもかかわらず人をねらっていない撃ち方であります。何らかのルールにのっとって撃ったかのように思われる。テロがあえて前へ出てきて人をねらわずにこういう撃ち方をするということはなかなか考えにくいということであります。
私が意味していることはお分かりでしょうか。
つまり、総合しますと、これは、私はこういう推論をするのは好きじゃないんですけれども、政府から何も出てこないものですから、いろいろ自分が考えた結果ですけれども、奥大使が乗った車は十時ぐらいにバグダッドを出たと。その前に、車列を組んでアメリカのCPAの出席する幹部が出ていっているわけです。
私が見たイラクでの防御の仕方は、車ですと前後が装甲車の、あの機関銃が付いています、何か物を移動するときですね。人の場合は比較的、ジープ型というんですか、いわゆるハンビー型のやつで前後を重機関銃で乗っけて移動する。これはやはり百キロ以上走れませんから、奥さんの車は恐らく百十キロぐらいで飛ばしていたと思うんですよね。
これは、何らかの間違いで近づいていって、気が付いたら米軍の車列があった、奥さんの車はブレーキを掛けたけれども何らかの威嚇射撃を受けたんではないかというのが想定です。そのときに奥さんは、このCPAの乗っている人を知っているはずなんです、一緒に働いていましたから。恐らく、違うよ違うよ、おれだよと言っても、向こうから見れば不審者なんです。横に出ていって説明しようとしたときに、威嚇、さっき言った、手順を踏んでいますから、その後に撃たれた可能性が私は残念ながらあるんではないか、それで最後にわだちが付いてブレーキを掛けずに横側に出ていったというのが、いろいろテレビで報道されている可能性が私はあるんじゃないかなというふうに思いますので、私は、これはあくまで推論ではありますけれども、いろんな状況調査をすべて自分なりの、これまでいろんな経験を踏まえると、その可能性は否定できないんではないでしょうか。
政府も、誤射の否定もしていませんしテロの否定もしていません。すべての可能性も含めての今の調査中だと思いますが、私は、二か月間いろんなことを考えながら、可能性の一つとしてそのことを今日この場で申し上げておきたいと思います。
今の説明に対して、総理、それから川口大臣から感想があればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(川口順子君) 先生のお考えはお考えとして承らせていただきましたけれども、外務省としてはと申しますか、政府としては、これの真相究明が大事でありまして、特に外務省は恐らくだれよりも一番真相の究明を早くきちんとした形でしたいと思っている、おります。
そういった意味で、今度車も日本に搬送してくるということを今検討、準備をしていますので、またそういった材料を得て、我が国の警察の方で更なる事実の把握をしていただいて、真相の究明に一歩でも近づきたいというふうに思っております。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 推論を伺っていましたけれども、私にはそういう専門的知識もございません。
政府としては、真相解明に今後とも全力を挙げていきたいと思っております。
○若林秀樹君 この結論に至るまでのその経過は、先ほど検視の結果の弾の問題も全然明らかにされていませんし、いまだに車がイラクにあるということ自体が私はやる気がないんではないかなというふうに思います。唯一残された物的な証拠というのは御遺体と金属片とその車だけなんです。車を見れば、どこから、角度で撃ったかというのがすべて分かるにもかかわらず、いまだにイラクにあるということ自体が私は、川口大臣がそれは鋭意調査していますという言葉は私は信じられないと思います。
何も情報は変わっておりませんので、その辺については後ほどの後半の部分でまたお話をさせていただきたいと思いますが、以上で私の質問を終わりたいと思います。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0205/main.html