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(回答先: 米大統領提案「核燃料生産国の固定」 投稿者 bouton-d'or 日時 2004 年 2 月 12 日 14:42:16)
【ワシントン中島哲夫】ブッシュ米大統領の11日の演説は、核兵器の拡散防止に向けた国際社会への新提案であると同時に、11月の次期大統領選を意識した「反転攻勢」の狙いも含んでいた。25日から北京で開かれる6カ国協議を前に、北朝鮮に対する圧力という波及効果もあった。難点は、新たな核拡散防止策の実現が必ずしも容易でないという現実だろう。
大統領はパキスタンのアブドル・カディル・カーン博士を中心とするグループが、核兵器用ウラン濃縮技術を北朝鮮、リビア、イランに拡散させた構図を、これまで以上に詳しく説明した。
また、同グループがマレーシアの工場で遠心分離機の部品を製造▽ダミー会社があるドバイに輸送▽ドイツ船でリビアに転送する途中で米主導の拡散防止構想(PSI)による臨検が成功――という経過も明らかにし、これがリビアに大量破壊兵器計画の放棄を決断させたと自賛した。
イラクの大量破壊兵器問題をめぐり、政治的守勢に追い込まれている状況を打開しようという狙いが見える。
それより効果が明らかなのは、高濃縮ウラン開発計画の存在を否認している北朝鮮に対してだ。提供元が暴露された以上「知らぬ存ぜぬ」には無理がある。核兵器開発を続ければ「政治的孤立、経済的困難、その他の歓迎できない結果を招くだけだ」という警告は、北朝鮮にとって今まで以上に深刻なものだろう。
こうした言及に続いて大統領が打ち出した新提案は、実現すれば核拡散防止の効果があるだろうが、簡単ではない。
提案の一項目である新たな国連安保理決議の採択は、大統領が昨年9月の国連演説で提唱したものの、常任理事国の論議段階で行き詰まっている。他の提案も、国際社会の協力が不可欠だが、米国の主張が摩擦なく通る状況ではない。
また、既に平和利用目的の原子力技術開発に着手している国に、どう放棄させるか▽これらの技術を保有してもよい国と禁じられる国の区別の根拠をどこに求めるか――なども難しい問題だ。既に「差別的」との批判がある核拡散防止体制に、新たな「二重基準」を持ち込む側面がある。
[毎日新聞2月12日] ( 2004-02-12-12:34 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040212k0000e030059001c.html