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http://www.zakzak.co.jp/society/top/t-2004_01/1t2004010617.html
【ワシントン5日=夕刊フジ特電】核開発をめぐる6カ国協議で日米韓に究極の恫喝(どうかつ)を繰り広げながら、もはや逃げ場のない北朝鮮が重量700キロと核弾頭の小型化に成功したとの機密情報を米軍事筋が入手していることが5日、分かった。事実ならば、日本全土が照準の「ノドン」(射程約1300キロ)などの弾道ミサイルに搭載可能となる。協議再開にも影響を及ぼすため、ブッシュ米政権は日本時間の6日、北京経由で北に入った米国の核専門家の調査結果に重大関心を寄せている。
【1年ぶりの査察】
平壌入りしたのは米国の核兵器開発を担ってきたロスアラモス研究所(ニューメキシコ州)の元所長、ヘッカー博士らと上院政策スタッフ。
北が国外の専門家を受け入れるのは、一昨年12月に国際原子力機関(IAEA)査察官を追放して以来、約1年ぶり。
10日までの日程で、寧辺(ヨンビョン)にある核開発の関連施設などで調査する。北がどこまで施設の実態を明らかにするかが焦点となる。
訪朝団のプリチャード前朝鮮半島和平担当大使は、経由地の北京空港で記者団に「プライベートな訪問なので話すことはない」と語った。
【核弾頭は700キロ】
米軍事筋が得ている機密情報だと、北が保有する核弾頭は、700キロ前後だという。
「この重さなら、韓国全土を照準に定めるスカッドミサイル(射程600キロ)や、日本全土が照準のノドンやテポドン1(同1500キロ以上)にも搭載可能だ」というのが、軍事評論家らの一致した見方である。
重量が1トンを超えると弾道ミサイルの弾頭に積めないばかりか、命中精度も極端に悪くなる。
寧辺の施設で約8000本の使用済み核燃料棒の再処理をすると、プルトニウム抽出による2〜3個の長崎型の核爆弾の製造が可能とされる。
【無関心装うが…】
ブッシュ政権は今回の訪朝団について、表面上は「政府とは無関係。便宜を図ることも反対もしていない」とするが、調査結果に重大な関心を抱いている。
米外交筋は「北は核弾頭の小型化や核燃料棒の再処理に関する情報を流し、再開が越年した6カ国協議を有利に持っていこうという腹積もりだろう」と分析する。
【北は元日から瀬戸際外交】
朝鮮労働党機関紙「労働新聞」など、北の公式報道機関は元旦の共同社説で、「米の強硬策には超強硬で対応する」と主張するなど、瀬戸際外交はその偏狭さを増すばかり。
日本政府は米国との共同開発で研究を続けるミサイル防衛(MD)システムについて、パトリオット3(PAC3)とスタンダードミサイル3(SM3)の首都圏・洋上の配備のため、来年度予算に盛り込んでいる。
【小型化の成否】
94年の米朝合意の時点で、CIA(米中央情報局)では、北がすでに1〜2個の核弾頭を保有しているとみている。
北は昨年も「核燃料棒の再処理を終えた」「再処理段階にある」とあおってきたが、最大の焦点は核弾頭の数ではなく、小型化に成功しているか否かである。
軍事評論家の間ではこれまで、「少なくとも弾道ミサイルに搭載できるだけの小型化の技術を北が保持しているとは考えにくい」とする見方が大勢を占めていた。
「小型化していても、少なくとも1トン以下にはなっていない」との見方も出ていた。
【韓国は未確認】
今回の「700キロ核弾頭保有」情報についても、韓国政府筋は「北の核の実際の姿が正確にわかったわけではない」と、あくまで情報は未確認との立場を示す。
日米韓に中露を加えた6カ国協議では核放棄の見返り条件として、金正日総書記独裁の『体制保証』と米軍の不可侵による『安全の保証』と経済支援を検討している。
核弾頭の小型化など核開発の進展状況が協議の行方を左右する。
【ウラン型も】
北はプルトニウム型とは別に、ウランによる広島型の核開発計画を進めようとしていたことも昨年10月に発覚している。
北の核開発問題に対しては、各国とも予断を許さない状況が続く。
【挑発で抵抗】
日本政府は「拉致問題の解決なくして、日朝国交正常化なし」との基本方針で全面解決を強く要求している。
これに対し、北は毎度毎度の挑発で抵抗を試みている。昨年末には、拉致被害者の地村保志さん(48)夫妻の長女(22)と、寺越武志さん(54)の長男(29)の縁談話が持ち上がった。
訪朝した拉致議連の議員に、被害者が平壌まで迎えに来るなら「人質」の家族を帰すと持ちかけるなど、北は6カ国協議と絡め、拉致問題にも揺さぶりをかけている。
【生け捕りと降参】
ブッシュ大統領の言う『ならず者国家』『悪の枢軸』では昨年末、イラクのフセイン元大統領(66)が生け捕られ、リビアのカダフィ大佐が核兵器開発を放棄して、米国に降参した。
残る北朝鮮は国際社会で孤立し、金王朝の終焉(しゅうえん)は確実に始まっている。追い詰められながらも、核弾頭小型化の情報が流れ、暴発が懸念される北の将軍様の動静からは、今年もやはり目が離せない。
ZAKZAK 2004/01/06