現在地 HOME > 掲示板 > 戦争46 > 144.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 神崎代表 イラク・サマワを視察 (1201 公明党参議員HP) 投稿者 Kotetu 日時 2004 年 1 月 05 日 12:11:22)
2003年12月25日
公明新聞
■ 自衛隊派遣予定地 イラク南部サマワの状況
日本の支援、現地は待望
オランダ軍に地元住民は友好的、協力してテロを防止
遠山清彦参院議員に聞く
遠山清彦参院議員
陸上自衛隊が活動を予定しているイラク南東部のサマワや航空自衛隊が輸送支援を行う際の拠点となるクウェートの空軍基地を視察し、22日に公明党の神崎代表とともに帰国した遠山清彦参院議員に、現地の状況などを聞きました。
――実際に見た現地の状況はいかがでしたか。
遠山参院議員 クウェートからイラクに入ると、整備・補修がされていない道路やみすぼらしい建物が目立つようになり、フセイン政権が民生部門をおろそかにしてきた実態がはっきりと分かりました。
サマワ市内は、かなり平穏で危険を感じる雰囲気ではありませんでした。市民のほとんどがフセイン政権に抑圧されてきたシーア派で、オランダ軍をはじめ連合暫定当局(CPA)に対する反感が低いためです。
――自衛隊の宿営予定地にも行かれましたね。
遠山 はい。サマワ市中心部から車で10分程度の距離の見晴らしのよい運河のほとりにあり、浄水・給水作業がしやすい場所でした。入り口から宿営地までは100メートル以上の距離があり、自爆テロを防ぐための対策はしっかりできると思います。
――現地の病院の状況はどうでしたか。
遠山 1984年ごろ、日本の支援で建築されたサマワ総合病院を視察しましたが、全体的に老朽化し、使用不能になった機材や器具も目立ちました。特に衝撃的だったのがトイレです。下水施設が故障し、汚水が床にたまっている状態で、強烈な悪臭が漂っていました。ボイラーや発電機、給水装置、空調設備なども壊れているものが多かったです。
――比較的治安が安定しているとされるサマワに自衛隊を派遣するとテロを誘引するのでは、との指摘が一部にありますが。
遠山 その可能性は低いと思います。
軍事的組織にサマワ市民が反発してテロを起こすとすれば、すでに治安維持業務を行うオランダ軍が標的になってもおかしくありませんが、テロの動きは現在のところありません。
市外からアルカイダなどの外国人テロ組織のメンバーが流入することに関しては、オランダ軍司令官によると、幹線道路沿いにはチェックポイントが設けられ、不審人物について市民から頻繁に情報提供もあるため、かなり食い止められているとのことでした。こうした状況が自衛隊の派遣で大きく変わるとは考えにくいと思います。
自衛隊による支援が現実的
――治安が安定しているならば、自衛隊でなく民間人による支援で十分なのではとの意見もありますが。
遠山 いずれは、状況をよく見極めてNGOなどの民間人による支援をどんどんやっていくべきですが、いまだ現地ではイラク人の手による警察機能が回復していません。治安の安定には、外国の部隊の手を借りなければならない状況なのです。
この状況が好転するまでは、自分の身を自分で守れる自衛隊の派遣がもっとも現実的だと、私は感じました。
――サマワに駐留し、活動しているオランダ軍とサマワ市民との関係についてお聞かせください。
遠山 オランダ軍とサマワ市民との関係は良好です。イスラム教では、女性が外国人に手を振ってはいけないことになっているため、女性は手を振っていませんでしたが、現地住民がパトロールを行っているオランダ軍の車両に向け手を振っており、オランダ軍もそれに応じ、手を振り返していました。ささいなことかもしれませんが現地住民との友好を深める上で、非常に重要なことであると感じました。
また、オランダ軍は、地元の文化や習慣を最大限に尊重しています。たとえば、サマワでは一家に一丁、住民が自動小銃を所有しています。しかしこれは、イスラムの自衛の文化の反映であり、オランダ軍もこれを尊重しています。そのかわり、オランダ軍は、自動小銃の所持者の登録を進めるとともに戸外で自動小銃を携行することは原則的に禁じており、現地住民もこのルールを守っています。
雇用創出など民生の安定化推進
――サマワでは失業者が雇用を求めデモを起こし、デモの参加者の一部が投石をするなどしたため、オランダ軍が威嚇射撃を行ったとの報道もありますが。
遠山 サマワの治安を不安定化する最大の要因は、窃盗や強盗などの通常犯罪です。6割近くの市民が失業中であるという問題がその背景にあります。オランダ軍も雇用の創出を非常に重視しており、たとえば最近、これまで機能していなかったセメント工場を復旧し、セメント工場の生産ラインを再始動させたそうです。生産ラインが1ライン動けば、800人近くの雇用が生まれ、現在2ライン始動させたため合計で1500人近くの雇用を創出することに成功したとオランダ軍は報告しています。
また、このほかにもオランダ軍は、現地住民と相談しながら病院や学校の再建、上下水道や電力施設の整備など、220の民生支援プロジェクトを行っています。こうしたプロジェクトはクイック・インパクト・プロジェクト(QIP)と呼ばれています。
QIPとは、最低で50万円、高くても1000万円ほどの低コストで、迅速に現地住民のニーズ(要望)にこたえる支援を実現する小規模なプロジェクトのことで、現在84のプロジェクトが継続中です。
ただ、オランダ軍は、主に治安維持を担当しています。そのため、人道復興支援を主任務とする自衛隊が派遣されると非常に助かり、自衛隊に任せたい仕事も多くあると指摘されています。オランダ軍は、今後は中長期的で、より大規模な支援プロジェクトを行う必要があるとも指摘しており、現地住民とともに日本の協力を首を長くして待っています。
――イラク南部は劣化ウラン弾が最も多く使用された地域でもあり、その放射能被害を危惧する声がありますが。
遠山 オランダ軍は劣化ウラン弾が使用された場所を特定し、立ち入り禁止にするなどの対策をすでに行っています。劣化ウラン弾の対処に当たっているオランダ軍隊員の健康状態への影響も見られないと指摘されています。派遣される自衛隊員は、警報音が鳴る小型の線量計を身に付けるとも聞きました。劣化ウラン弾への対策も、政府は十分に行ってほしいと思います。
--------------------------------------------------------------------------------
http://www.toyamakiyohiko.com/media/contents/2003/0312/contents031225.html